データ分析 Data Analysis

JBCを除き、南関東以外で行われる唯一の古馬牝馬ダートグレード競走

JRAと地方の交流がほとんど行われていなかった時代、1989年にスタートした交流競走。その最初の年は笠松所属のフエートノーザンが勝利したが、馬インフルエンザの影響で地方馬だけの出走となった2007年を除き、第2回以降はJRA所属馬が勝利を続けている。14年から牝馬限定のJpnIIIとして実施。地方所属馬にとってはグランダム・ジャパン古馬シーズンの対象レースともなっている。牝馬限定戦となった14年以降の過去8年を対象に傾向をみていく。

1番人気馬の信頼度が高い

単勝1番人気の3着内率は100%。勝ち馬は2頭だけとなっているが、それでも軸として信頼できる数字になっている。2番人気は3勝を挙げているものの、2着がゼロというのは気になるところ。続く3~4番人気も上々の成績となっているが、5番人気以下で3着以内に入ったのは2017年の優勝馬マイティティー(6番人気)だけとなっている。[表1]

[表1]単勝人気別成績(過去8回)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
1番人気 2 4 2 0 25.0% 75.0% 100.0%
2番人気 3 0 2 3 37.5% 37.5% 62.5%
3番人気 1 1 2 4 12.5% 25.0% 50.0%
4番人気 1 3 2 2 12.5% 50.0% 75.0%
5番人気 0 0 0 8 0.0% 0.0% 0.0%
6番人気以下 1 0 0 57 1.7% 1.7% 1.7%

JRA所属馬の独壇場

門別という場所がらもあるのか、北海道以外から出走した地方馬は8頭だけで、そのなかで着順がもっともよかったのは2018年ブランシェクールと20年ナムラメルシー(ともに大井)の6着。北海道の所属馬も16年4着のジュエルクイーンが最高着順だ。JRA所属馬の成績の内訳は、関東馬が1勝で関西馬が7勝。ただし、3着内率では関東馬が61.5%、関西馬が64.0%と数字が接近している。[表2]

[表2]所属別成績(過去8回)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
JRA栗東 7 5 4 9 28.0% 48.0% 64.0%
JRA美浦 1 3 4 5 7.7% 30.8% 61.5%
地方競馬 0 0 0 60 0.0% 0.0% 0.0%

若い世代が優勢

年齢別に分類すると、もっとも好成績を残しているのが5勝を挙げている5歳。続いて4歳が2勝を挙げている。3歳は勝利こそ挙げられていないが、2着2回、3着4回で、3着内率は42.9%でトップ。ちなみに3着以内に入った6頭のうち5頭は、関東オークスの優勝馬だった。[表3]

[表3]年齢別成績(過去8回)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
3歳 0 2 4 8 0.0% 14.3% 42.9%
4歳 2 1 2 20 8.0% 12.0% 20.0%
5歳 5 3 2 28 13.2% 21.1% 26.3%
6歳 0 2 0 11 0.0% 15.4% 15.4%
7歳以上 1 0 0 7 12.5% 12.5% 12.5%

DG競走での実績が大事

連対馬16頭のうち14頭は、3走前までに牝馬限定のダートグレード競走で3着以内の実績があった。今年も近走で好成績を残していた馬に注目するほうがいいのかもしれない。[表4]

[表4]連対馬の3走前までの主な好走歴

着順 馬名 対象レース名 着順
21年 1着 マルシュロレーヌ 3走前 エンプレス杯 1着
21年 2着 リネンファッション 前走 スパーキングレディーカップ 2着
20年 1着 プリンシアコメータ 3走前 クイーン賞 2着
20年 2着 メモリーコウ 3走前 マリーンカップ 2着
19年 1着 アンデスクイーン 特になし
19年 2着 プリンシアコメータ 2走前 エンプレス杯 1着
18年 1着 ラビットラン 前走 スパーキングレディーカップ 3着
18年 2着 プリンシアコメータ 2走前 エンプレス杯 2着
17年 1着 マイティティー 特になし
17年 2着 クイーンマンボ 前走 関東オークス 1着
16年 1着 アムールブリエ 3走前 エンプレス杯 1着
16年 2着 タイニーダンサー 2走前 関東オークス 1着
15年 1着 アムールブリエ 前走 エンプレス杯 1着
15年 2着 サンビスタ 3走前 マリーンカップ 1着
14年 1着 サンビスタ 2走前 エンプレス杯 3着
14年 2着 ワイルドフラッパー 3走前 エンプレス杯 1着

注記:該当レースが複数ある場合は、最上位着順のレースを掲載

勝つのはこういう馬!

JRA所属馬が最初の条件。その年のエンプレス杯の優勝馬が出走してくれば有力だ。それ以外でもエンプレス杯で4着以内、または近走で2100mのレースで好走していた馬が出走してきたら注目できる。

(浅野 靖典)

過去20年の所属別成績

  • 1着

  • 2着

  • 3着

注記

当ページの情報は、NARが特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。