データ分析 Data Analysis

ダート界の最強スプリンター決定戦

ダート短距離競走で唯一のJpnI。毎年中央・地方を問わずダート界の一流スプリンターが集結する。地方馬が初めて勝利したのは07年フジノウェーブ(大井)で、その後08~18年までの11年間はJRA所属馬が勝利していたが、19年は浦和所属のブルドッグボス、20年は大井のサブノジュニアが制し地方馬が2連勝している。ここでは、過去10年の結果から分析する。

1・2番人気の信頼度は高い

1番人気は連対率70%、2番人気は50%で、1・2番人気でのワンツー決着となったことが3回。1・2番人気のどちらも連対を外したのは20年の1度だけで上位人気の信頼度は高い。6番人気以下からは5頭が台頭しており、そのうち4頭が南関東所属馬だった。[表1]

[表1]単勝人気別成績(過去10年)

人気 1着 2着 3着 4着以上 勝率 連対率 3着内率
1番人気 2 5 0 3 20.0% 70.0% 70.0%
2番人気 3 2 1 4 30.0% 50.0% 60.0%
3番人気 2 0 3 5 20.0% 20.0% 50.0%
4番人気 1 0 3 6 10.0% 10.0% 40.0%
5番人気 0 1 2 7 0.0% 10.0% 30.0%
6番人気以下 2 2 1 86 2.2% 4.4% 5.5%

6歳馬が好成績

連対馬20頭中8頭を6歳馬が占めており好成績だ。19年に11番人気のトロヴァオが3着に入るなど、6番人気以下からも4頭が3着内に入っていて穴も狙える。8歳馬からも2頭が優勝しており高齢馬の活躍もみられるが、9歳以上となると10頭が出走して最高でも5着。また3歳馬も好走がなく古馬相手に苦戦している。[表2]

[表2]年齢別成績(過去10年)

年齢 1着 2着 3着 4着以上 勝率 連対率 3着内率
3歳 0 0 0 2 0.0% 0.0% 0.0%
4歳 1 2 1 11 6.7% 20.0% 26.7%
5歳 2 2 3 20 7.4% 14.8% 25.9%
6歳 3 5 2 25 8.6% 22.9% 28.6%
7歳 2 1 2 28 6.1% 9.1% 15.2%
8歳 2 0 2 15 10.5% 10.5% 21.1%
9歳以上 0 0 0 10 0.0% 0.0% 0.0%

牝馬は牡馬相手の好走が必要条件

3着内馬30頭中28頭を牡馬が占めている。そもそも牝馬の出走は14頭と少ないが、馬券圏内に入ったのは15年1着・16年3着コーリンベリー1頭のみ。同馬は前哨戦の東京盃で15年3着・16年2着と健闘していた。牡馬相手に遜色のない競馬をしている牝馬でなければ台頭は厳しい。[表3]

[表3]性別成績(過去10年)

性別 1着 2着 3着 4着以上 勝率 連対率 3着内率
牡馬 9 10 9 99 7.1% 15.0% 22.1%
牝馬 1 0 1 12 7.1% 7.1% 14.3%

JRA優勢も南関勢は軽視不可

連対馬20頭中17頭をJRA所属馬が占めており、なかでも関西馬が16頭と好成績。ただし17年以降は毎年、南関所属馬が馬券に絡んでおり、19・20年は1着馬と3着馬が南関勢から出ていることから軽視はできない。なお、南関東以外の地方馬は30頭が出走して掲示板止まりだ。[表4]

[表4]所属別成績(過去10回)

所属 1着 2着 3着 4着以上 勝率 連対率 3着内率
大井 1 0 1 17 5.3% 5.3% 10.5%
川崎 0 0 0 7 0.0% 0.0% 0.0%
船橋 0 0 1 5 0.0% 0.0% 16.7%
浦和 1 1 2 12 6.3% 12.5% 25.0%
他地区 0 0 0 30 0.0% 0.0% 0.0%
美浦 1 0 1 8 10.0% 10.0% 20.0%
栗東 7 9 5 32 13.2% 30.2% 39.6%

東京盃組は1~5着馬が中心

地方・JRAを問わず東京盃組が好調で、21年は1~3着を東京盃組が独占するなど主要ステップと言える。東京盃組の前走着順をみると、着順が上位だった馬が再び好走することが多く前走の結果を素直に評価したい。[表5]

[表5]東京盃組の着順別成績(過去10回)

東京盃着順 1着 2着 3着 4着以上 勝率 連対率 3着内率
1着 1 2 1 6 10.0% 30.0% 40.0%
2着 3 0 3 4 30.0% 30.0% 60.0%
3着 3 1 0 4 37.5% 50.0% 50.0%
4着 0 2 0 1 0.0% 66.7% 66.7%
5着 2 0 0 4 33.3% 33.3% 33.3%
6着以下 0 2 1 15 0.0% 11.1% 16.7%

勝つのはこういう馬!

優勝馬は4~8歳から出ており、13年エスポワールシチーを除く9頭には前走東京盃で1~5着に入ったという共通点があった。1400mで施行された年も4回あるが、そのうち3回は東京盃組が制している。[表6]

[表6]優勝馬の年齢及び前走レースと着順(過去10回)

馬名 年齢 前走レース名 前走着順
11年 スーニ 5歳 東京盃 1
12年 タイセイレジェンド 5歳 東京盃 2
13年 エスポワールシチー 8歳 マイルチャンピオンシップ南部杯 1
14年 ドリームバレンチノ 7歳 東京盃 2
15年 コーリンベリー 4歳 東京盃 3
16年 ダノンレジェンド 6歳 東京盃 5
17年 ニシケンモノノフ 6歳 東京盃 3
18年 グレイスフルリープ 8歳 東京盃 3
19年 ブルドッグボス 7歳 東京盃 2
20年 サブノジュニア 6歳 東京盃 5

(豊岡 加奈子)

過去20年の所属別成績

  • 1着

  • 2着

  • 3着

注記

当ページの情報は、NARが特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。