注目馬情報 Attention

テオレーマ

牝5 JRA 石坂公一厩舎 通算20戦5勝

父:ジャスタウェイ
母:スターズアラインド
母の父:Sea The Stars

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デビュー3戦目で初勝利をあげると、1勝クラスは7戦目、2勝クラスは5戦目で突破。連戦連勝という出世ではなかったが、ひとつのクラスで戦ううちに少しずつ力を蓄えてその後の競馬に生かしていった。2勝クラスに上がったあたりからは差す競馬が多くなり、そのスタイルは現在にもつながっている。
3勝クラス勝ちの豊前Sは小回りの小倉コースで4角13番手から大外を豪快に差し切るという強い勝ち方で、本格化ぶりをうかがわせるものだった。その勢いのまま、重賞初挑戦のマリーンCで見事1着。牝馬ダートグレードの上位常連マドラスチェック以下を抑える勝利で、この路線の新星誕生を宣言するものだった。
スパーキングレディーカップは暑さで体調が整わず6着に大敗。立て直して臨んだレディスプレリュードでは前を行くレーヌブランシュを捕えきれなかったが、やはり力のあるところを示した。前走差せなかったことを今回の仕掛けタイミングに生かせれば復権がありそうだ。

レーヌブランシュ

牝4 JRA 橋口慎介厩舎 通算13戦4勝

父:クロフネ
母:アンジュエ
母の父:アグネスタキオン

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2歳時には新馬・もちの木賞を連勝し順調なスタートを切ったが、同世代の一線級牡馬と対戦したヒヤシンスS・伏竜Sでは大敗。少し間隔をおいてキャリア5戦目に関東オークスを選んだが、これが大正解だった。桜花賞馬アクアリーブル以下を完封し、地方のダートに適性があることを証明。その後の番組選択を決定づけた。
古馬戦になってからは善戦こそしていたものの勝ち切れず、中央のダートを試した2戦では2ケタ着順の大敗を喫するなど苦しい時期が続いた。しかし、前走のレディスプレリュードで完全復活。迷いのないスタートダッシュから好位をキープすると、逃げたクリスティを早々に競り落とし、追いすがるテオレーマを完封。関東オークス優勝時の輝きを取り戻した。
JBCレディスクラシックの1500mはこの馬が経験してきたレースに比べるとやや短いが、前走で見せたテンのスピードを生かせば対応可能だろう。祖母キュンティアが1400~1600mの活躍馬だったことを考えると、むしろ新たな良さが出る可能性もある。

リネンファッション

牝4 JRA 坂口智康厩舎 通算15戦4勝

父:キンシャサノキセキ
母:リネンパズル
母の父:パラダイスクリーク

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芝で新馬勝ちしたものの、5戦目以降は一貫してダートに出走。ダートでもスピードを生かせる馬で、その後芝には出走していないものの、いわゆる芝ダート兼用タイプのように見える。キンシャサノキセキ産駒は短距離のイメージが強いがダート1800mをこなす馬もよくおり、この馬は典型的なそのタイプ。ただ今回の1500mが合わないというわけではなく、芝1400mの1勝クラスで3着していることやスパーキングレディーC2着の内容からも十分適性はあるはずだ。
前走のブリーダーズゴールドCではスタート直後に寄られるシーンがあったが、ひるまずに対抗して1番枠を生かす逃げを打った。最後はマルシュロレーヌの地力に屈する結果にはなったが、重賞2戦目の内容としては悪くないものだった。
ダート戦ではすべてのレースで道中3番手以内という安定した先行力を持つ馬。距離短縮の今回でも同じ競馬ができれば、直線は上位争いに加われるはずだ。

マドラスチェック

牝5 JRA 斎藤誠厩舎 通算16戦4勝

父:Malibu Moon
母:Gloat
母の父:Mr. Greeley

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芝で新馬勝ちした馬だが、デビュー4戦目にダートを試して勝つと、続く鳳雛Sと連勝。さらには関東オークスでも2着と好走した。ここで進路をダートに定め、その後は地方側で行われたダートグレード競走に出走。前走は巴賞で久々に芝を試したが9着と結果が出なかったこともあり、今回は「本業」とも言える条件に復帰してきた。
ハナへ行くことも辞さないが、行きたい馬がいるなら行かせて2~3番手でも大丈夫という器用さがある。それゆえどんなレースでも見せ場は作れるし、大崩れがない。その一方で勝ち切れずにきたのも事実で、重賞勝ちは昨年のTCK女王盃のみ。一方で重賞の2~5着は計8回もある。
2020年TCK女王盃ではいったんアンデスクイーンが前に出たところを差し返しての勝利。他のレースでもじっくり競っている場面では頑張れる馬という印象がある。一気にスパっと来られるのは苦手なので、直線競り合う形に持ち込めるかが今回のポイントだ。

過去3走の競走成績

サルサディオーネ

牝7 大井 堀千亜樹厩舎 通算43戦11勝

父:ゴールドアリュール
母:サルサクイーン
母の父:リンドシェーバー

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本馬の母サルサクイーンも東京プリンセス賞を勝った名牝だが、本馬は母を遥かに超える活躍を続けている。
JRA在籍時にも重賞2着やオープン特別勝ちなど十分な活躍をしていた本馬だが、真価を発揮したのは大井に移籍したあと。転入3戦目のマリーンCで逃げると、4角で他馬を突き放してそのまま圧勝した。逃げて自分の形に持ち込むとやはり強いと再認識したことが、その後の成功にも繋がっている。
明けて7歳というと普通は衰えが気になるところだが、最近は強気の逃げにどんどん磨きがかかっている。前走の日本テレビ盃ではついに牡馬の一線級まで完封した。逃がすと厄介、絡みにいくと自分も共倒れになるということで、他馬にとってはかなり手ごわい存在だ。今回はこれまで結果が出ていない右回りなのでその克服が課題だが、過去の右回りは芝や本格化前のレースがほとんど。気にせず強気の逃げでいけば好結果に繋がる可能性があるし、とにかく迷いのない競馬を期待したい。

ダノンレジーナ

牝5 浦和 小久保智厩舎 通算25戦17勝

父:ダノンバラード
母:ダノンボンジュール
母の父:Shamardal

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中央時代は1戦したのみ。それも3歳7月の遅いデビューで、18頭立てのレースで最後方を回っただけの17着という結果だった。
トレードされて佐賀に転入すると、相手関係の楽さもあって転入初戦を2.2秒の圧勝。そこから馬も勝つごとに自信をつけて充実していった。佐賀時代はすべてワンサイドの5連勝。浦和に転じても勢いは止まらず、さらに6連勝で計11連勝とした。連勝は止まったものの、はじめての重賞挑戦となったプラチナカップで3着と好走。ここへきて、南関東の一線級でもやっていける能力を完全に証明した。
ファンを驚かせたのが昨年のJBCレディスクラシック。さすがにJpnIの舞台では厳しいかと思われていたが、しぶとく伸びて地方馬最先着の4着。その後は牝馬重賞を2勝し、1400~1600mでの強さを見せている。前走のテレ玉杯オーバルスプリントでは地方入り後で初の大敗となったが、今回は牝馬どうしの戦い。中央馬に1500mがベスト距離という馬が少ないだけに、距離適性を生かして去年の再現以上となる結果を狙いたい。

ハクサンアマゾネス

牝4 金沢 加藤和義厩舎 通算17戦12勝

父:シルポート
母:オークヒルズ
母の父:ブライアンズタイム

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デビューから牡牝を問わない地元金沢の世代トップとして君臨し、古馬に合流してからもその強さを維持。これまで重賞9勝を積み重ねてきた。
デビュー当初は躓いたり伸び上がったりする発馬難があり、自らをいったんピンチに追い込んでおきながら地力で解決する競馬が多かった。しかし、いまではすっかりスタートも改善。父ゆずりのスピードで逃げる競馬もできるし、ここ数走は好位からの競馬が板についてきた。もともと結果は出ていた馬だが、成長ぶりが感じられる。
今回は地元開催として気合いが入る一戦。ここを目標に調整してきたようだし、最低でも見せ場は作りたい。エンプレス杯(7着)あたりを見ると簡単な競馬にはならないかもしれないが、人馬のコース経験は有力馬に対抗する武器になるはずだ。「地元JBC」では2005年名古屋のレイナワルツ(クラシック9番人気3着)や2008年園田のアルドラゴン(スプリント7番人気3着)があっと驚く好走を見せてきたが、それに続きたい。

(須田 鷹雄)

注記

当ページは、10月28日現在の選定馬情報に基づき作成しております。出走回避・出走取消などによりレースに出走しない可能性があります。また、当ページの情報は、NARが特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。