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テーオーケインズ

牡4 JRA 高柳大輔厩舎 通算13戦7勝

父:シニスターミニスター
母:マキシムカフェ
母の父:マンハッタンカフェ

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デビュー戦では7番人気と目立つ存在ではなかったが、2戦目の未勝利戦を4馬身差と完勝したのち、距離を伸ばすごとに強さも増していった。3歳夏を休みにあて、復帰した秋以降は完全に本格化。2勝クラス・3勝クラスを連勝すると、リステッドのベテルギウスSでも僅差の2着に好走。強気のレース選択で東京大賞典に出走すると、6着とはいえ0.2秒差と、重賞初挑戦の3歳馬としては上々の結果を収めた。
今年に入るとさらに勢いは加速。復帰戦の名古屋城Sを勝つとアンタレスSで重賞初制覇。さらに帝王賞では他の人気馬が直線で苦しむのとは対照的に力強く脚を伸ばし、JpnIの壁をあっさりとクリアしてしまった。まだ4歳馬、今回の結果次第では長期間にわたってダートグレードの頂点に君臨する存在になりうる。
この馬の魅力は自在性。さすがに逃げは無いにしてもある程度前に行くことはできるし、差しに構えても確実に脚を伸ばしてくる。早めに動いて自分で展開を演出することもできるし、とにかく選択肢が豊富という印象だ。

過去3走の競走成績

オメガパフューム

牡6 JRA 安田翔伍厩舎 通算21戦9勝

父:スウェプトオーヴァーボード
母:オメガフレグランス
母の父:ゴールドアリュール

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3歳時のジャパンダートダービー2着に始まり、長年ダートグレード競走の第一線で活躍を続けてきた。中央のダートにも適性はあるが、この馬が真価を発揮するのはやはり地方のダート。特に大井2000mでの強さは際立っており、東京大賞典3連覇、2019年には帝王賞制覇など常にファンの信頼に応えてきた。
それだけにどうしても大井2000mの印象が強くなるが、2019年浦和のJBCクラシックではそれまで苦手と見られていた左回りを克服し、きわどい写真判定での2着。今年の川崎記念でもカジノフォンテンに逃げ切りを許したとはいえ、中央馬では最先着の2着と好走した。能力の絶対値そのものが高いので、金沢2100mに対しても不安はない。
前走は得意コースの帝王賞で5着と敗れたが、年齢的にもズブさが出てきた感はある。当時は急にその兆候が出てきたため陣営も対応しきれなかった面があるが、今回はそれを前提条件として対応してくるはず。100mとはいえ距離が伸びることも今の本馬にとってはプラスになりうる。

カジノフォンテン

牡5 船橋 山下貴之厩舎 通算22戦12勝

父:カジノドライヴ
母:ジーナフォンテン
母の父:ベストタイアップ

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本馬の母ジーナフォンテンはダートグレードで中央馬を二度にわたり撃破した名牝。本馬はその母からさらにスケールを上げ、JpnIの舞台で堂々と主役を張れる存在に成長した。
3歳春は素質を認められながらも世代上位クラスの1頭というレベルにとどまっていたが、休養明けの10月以降自己条件で大差勝ちを連発。勝利の味を覚えたことで完全に覚醒し、京成盃グランドマイラーズ、勝島王冠と重賞でも強い勝ち方ができるようになった。
その名が全国区になったのは昨年の東京大賞典。直線でオメガパフュームと叩き合い、敗れはしたものの存在感を十分に示した。続く川崎記念では主導権を握って中央勢を封じ込め、ついにJpnIを奪取。地元のかしわ記念でも積極的な競馬で優勝し、ダートのトップクラスで戦える地力を完全に証明した。
前走の帝王賞では逃げて10着と大敗したが、先行勢総崩れの競馬で強いペースを演出しすぎた印象。逃げるにしても好位からでも今回競馬を作るのはこの馬だろうが、有利な展開に持ち込んで再び頂点に立ちたい。

チュウワウィザード

牡6 JRA 大久保龍志厩舎 通算21戦10勝

父:キングカメハメハ
母:チュウワブロッサム
母の父:デュランダル

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デビューから連戦連勝というわけではなかったが、13戦連続で馬券圏内を確保と崩れない魅力のある馬だった。ダートグレード初挑戦の名古屋グランプリが1着、JpnI初挑戦の帝王賞が2着と、「相手なりに走る」を高いレベルで実現してきた。
2019年浦和のJBCクラシックでオメガパフュームをハナ差抑えて初Jpn1勝ちを果たすと、翌20年の川崎記念、チャンピオンズカップと3つのビッグタイトルを獲得。古馬中距離路線には欠かせない主役級の1頭となっている。
この3レースがいずれも左回り、さらに今年メイダン(UAE)のドバイワールドカップで2着と好走したこともあり左回り巧者のイメージが強いが、右回り重賞も2勝しており、金沢への参戦にあたって右回りが決定的な不安材料になることはないだろう。積極的に動いて早めに相手を振り切るような競馬もできる一方、競っての強さもある。バテそうになったとき、併せ馬になったとき、もうひと頑張りできることが魅力の馬だ。

過去3走の競走成績

ダノンファラオ

牡4 JRA 矢作芳人厩舎 通算16戦5勝

父:American Pharoah
母:クリスプ
母の父:El Corredor

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父は37年ぶり12頭目のアメリカ三冠馬。産駒には芝ダート両方の活躍馬がいるが、本馬はデビューから一貫してダートを使われ、安定した先行力を武器に活躍してきた。
3歳時には兵庫CS2着のあと鳳雛Sで14着と大敗したが、人気を落として出走したジャパンダートダービーでは上位人気馬が軒並み不発に終わる中、番手抜け出しの危なげない競馬でJpnIタイトルを手中に収めた。
地方のダートに適性ありと見た陣営はその後、地方側で行われるダートグレード競走にこだわって本馬を出走させている。古馬のJpnIでは川崎記念の3着が最高だがJpnIIは2勝しているし、先行して展開が向けば頂点に手が届く可能性は十分にある。JpnIでの最高着順が2100mの川崎記念、2400mのダイオライト記念が1馬身半差の完勝ということで、2100mという条件はこの馬にとって追い風になる可能性がある。これまで道中5番手以下になったことがない先行力も金沢競馬場では武器になりそうだ。

ミューチャリー

牡5 船橋 矢野義幸厩舎 通算22戦7勝

父:パイロ
母:ゴッドビラブドミー
母の父:ブライアンズタイム

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3歳時は羽田盃優勝のあと、東京ダービーに1番人気で臨んだが無念の2着。その後ジャパンダートダービーで2着とアタマ差の3着に入り、中央の同世代馬とも互角に戦えるところを示した。
4歳以降はダートグレード競走で一線級の馬たちに積極的に挑み、勝ち切るところまではいかずとも、JpnIでも常に掲示板レベルの好走を果たしている。一方でマイルグランプリや大井記念のように、南関東の重賞では力の違いを見せつけてきた。大井記念は向正面で捲り上げると3~4コーナーで一気に前の馬を飲み込み、直線は突き放すという圧巻の内容。5歳を迎えての充実ぶりを感じさせる勝利だった。
前走は白山大賞典で2着。終始外を回ったことを考えれば悪くない内容だった。当時は不良馬場だったので当日のコンディションとは違いがあるかもしれないが、コースを経験したことはプラスに働くはず。差し馬向きの展開なら上位食い込みのチャンスもある。

ケイティブレイブ

牡8 JRA 清水英克厩舎 通算42戦12勝

父:アドマイヤマックス
母:ケイティローレル
母の父:サクラローレル

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デビュー当初は強さというより堅実さが目立っていたが、ダートグレード初挑戦の兵庫CSで優勝。続くジャパンダートダービーも2着と好走し、それ以降中央と地方を股にかけた活躍を展開していくこととなった。
初のJpnI勝ちは2017年の帝王賞。6番人気と中央馬の中でも低評価だったが鮮やかな差し脚を見せた。その後2018年川崎記念、同年京都で行われたJBCクラシックとタイトル獲得する一方でJpnII勝ちやJpnIの2、3着も積み重ね、この路線ではすっかりファンに馴染みの存在となっている。
1年以上の休養から明けた今年は、斤量を背負うことと年齢の影響か、ともに結果が出なかったが、2020年フェブラリーSの16番人気2着に象徴されるように、この馬はいきなり走ってくる怖さがある。2016年と少し古い話だが白山大賞典を勝っていてコース経験があるのもプラス材料。有力馬がみな初コースとなるだけに、その経験を活かしたいところだ。

(須田 鷹雄)

注記

当ページは、10月28日現在の選定馬情報に基づき作成しております。出走回避・出走取消などによりレースに出走しない可能性があります。また、当ページの情報は、NARが特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。