ダート競馬の祭典を締め括る頂上決戦
JBC競走は全国の競馬場による持ち回りで開催され、金沢競馬場で行われるのは2013年以来2度目となる。第1回から優勝馬はすべてJRA所属馬で、これまで地方馬の勝利はない。アドマイヤドン(02~04年)、ヴァーミリアン(07~09年)が3連覇、タイムパラドックス(05・06年)、スマートファルコン(10・11年)、コパノリッキー(14・15年)などリピーターの活躍が目立っており、前年の優勝馬は注目必至だ。ここでは、過去10年の結果から分析する。
1~3番人気の3着内率はいずれも70%を超えており、11・14・18・20年の4回は、1~3着まですべて1~3番人気の固い決着となっている。さらに、連対馬20頭中19頭を1~4番人気が占めていることからも上位人気が好走する傾向が強い。なお5番人気で馬券圏内に入った5頭中3頭は6歳馬だった。[表1]
人気 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以上 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
1番人気 | 4 | 1 | 3 | 2 | 40.0% | 50.0% | 80.0% |
2番人気 | 1 | 5 | 1 | 3 | 10.0% | 60.0% | 70.0% |
3番人気 | 3 | 3 | 2 | 2 | 30.0% | 60.0% | 80.0% |
4番人気 | 1 | 1 | 0 | 8 | 10.0% | 20.0% | 20.0% |
5番人気 | 1 | 0 | 2 | 7 | 10.0% | 10.0% | 30.0% |
6番人気以下 | 0 | 0 | 2 | 86 | 0.0% | 0.0% | 2.3% |
過去10年間で3着以内に入った地方馬は1頭で、19年に3着となった浦和所属のセンチュリオンのみだ。ただし、同馬はJRA所属時代に18年マーチSに勝利した実績があった。中央馬相手に好走の実績がある場合を除いて、地方馬の善戦を期待するのは厳しい。[表2]
所属 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以上 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
大井 | 0 | 0 | 0 | 18 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
川崎 | 0 | 0 | 0 | 6 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
船橋 | 0 | 0 | 0 | 5 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
浦和 | 0 | 0 | 1 | 8 | 0.0% | 0.0% | 11.1% |
他地区 | 0 | 0 | 0 | 36 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
美浦 | 1 | 2 | 2 | 8 | 7.7% | 23.1% | 38.5% |
栗東 | 9 | 8 | 7 | 27 | 17.7% | 33.3% | 47.1% |
3着内馬はすべて牡馬から出ていて、牝馬は6頭が出走して掲示板すらない。19年にはレディスプレリュードから駒を進めてきたアンデスクイーンが4番人気に推されたが、結果は8着に敗れている。[表3]
性別 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以上 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
牡馬 | 10 | 10 | 10 | 102 | 7.6% | 15.2% | 22.7% |
牝馬 | 0 | 0 | 0 | 6 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
連対馬のうち19頭は4~7歳から出ており、なかでも4歳馬が4勝を挙げていて、19・20年の過去2年は4歳馬が連勝している。8歳以上では、12年に同競走優勝の実績を持つワンダーアキュートの14年3着を除いて、すべて4着以下に敗れている。3歳馬は7頭が出走し、18年オメガパフュームが2着に健闘したが、同馬は前走シリウスSで古馬相手に重賞を制していた。[表4]
年齢 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以上 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
3歳 | 0 | 1 | 0 | 7 | 0.0% | 12.5% | 12.5% |
4歳 | 4 | 3 | 1 | 16 | 16.7% | 29.2% | 33.3% |
5歳 | 2 | 3 | 2 | 17 | 8.3% | 20.8% | 29.2% |
6歳 | 3 | 0 | 5 | 20 | 10.7% | 10.7% | 28.6% |
7歳 | 1 | 3 | 1 | 23 | 3.6% | 14.3% | 17.9% |
8歳以上 | 0 | 0 | 1 | 25 | 0.0% | 0.0% | 3.9% |
優勝馬のうち半数が日本テレビ盃に出走していた。日本テレビ盃で1着だった馬は連対率75%と再び好走する可能性が高い。ただし4着以下だった馬は馬券圏内に1頭も入っておらず、よほど敗因がはっきりとしているケースは別だが、期待値は低そうだ。[表5]
日本テレビ盃着順 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以上 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
1着 | 3 | 3 | 0 | 2 | 37.5% | 75.0% | 75.0% |
2着 | 1 | 0 | 1 | 3 | 20.0% | 20.0% | 40.0% |
3着 | 1 | 1 | 1 | 2 | 20.0% | 40.0% | 60.0% |
4着以下 | 0 | 0 | 0 | 6 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
帝王賞で勝利した馬は3着内率100%と軸向きで、20年に1着となったクリソベリルも前走で帝王賞を制していた。帝王賞2着馬も連対率75%と好走しているが、3着以下からの連対はないことに注意したい。[表6]
帝王賞着順 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以上 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
1着 | 1 | 1 | 2 | 0 | 25.0% | 50.0% | 100.0% |
2着 | 2 | 1 | 0 | 1 | 50.0% | 75.0% | 75.0% |
3着以下 | 0 | 0 | 1 | 5 | 0.0% | 0.0% | 16.7% |
地方馬も好走しているJBCスプリントと異なり、JBCクラシックはJRA勢からしか優勝がない。また、過去10年の優勝馬のうち、8頭が前走帝王賞1・2着あるいは日本テレビ盃1~3着という共通点がある。残る2頭は過去にJpnIでの連対実績があった。[表7]
年 | 馬名 | 所属 | 前走レース名 | 前走着順 |
11年 | スマートファルコン | JRA | 日本テレビ盃 | 1着 |
12年 | ワンダーアキュート | JRA | 東海ステークス | 10着 |
13年 | ホッコータルマエ | JRA | マイルチャンピオンシップ南部杯 | 2着 |
14年 | コパノリッキー | JRA | 帝王賞 | 2着 |
15年 | コパノリッキー | JRA | 日本テレビ盃 | 3着 |
16年 | アウォーディー | JRA | 日本テレビ盃 | 1着 |
17年 | サウンドトゥルー | JRA | 日本テレビ盃 | 2着 |
18年 | ケイティブレイブ | JRA | 日本テレビ盃 | 1着 |
19年 | チュウワウィザード | JRA | 帝王賞 | 2着 |
20年 | クリソベリル | JRA | 帝王賞 | 1着 |
(豊岡 加奈子)
1着
2着
3着
注記
当ページの情報は、NARが特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。