門別に輝く2歳牝馬の一等星
まだあどけなさが残る2歳牝馬によるダートグレード競走。デビューが早く層も厚い地元北海道所属馬の活躍が目立つレース。ここでは過去10年の傾向を分析していく。
1番人気が5勝、2着1回と優秀。2勝をマークして、3着内率40%の2番人気や、3着内率50%の4番人気もまずまずの成績。対して3番人気と5番人気は過去10年で各2回しか馬券に絡めていないように低迷している。ただ、このレースで最も注目したいのは6番人気以下の伏兵陣が大健闘を見せている点。18、20年を除く8回で馬券に絡んでおり、11頭を数える。そのうち2桁人気が5頭と波乱傾向が強い。[表1]
単勝人気 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
1番人気 | 5 | 1 | 0 | 4 | 50.0% | 60.0% | 60.0% |
2番人気 | 2 | 1 | 1 | 6 | 20.0% | 30.0% | 40.0% |
3番人気 | 0 | 1 | 1 | 8 | 0.0% | 10.0% | 20.0% |
4番人気 | 1 | 2 | 2 | 5 | 10.0% | 30.0% | 50.0% |
5番人気 | 1 | 0 | 1 | 8 | 10.0% | 10.0% | 20.0% |
6番人気以下 | 1 | 5 | 5 | 94 | 1.0% | 5.7% | 10.5% |
出走頭数こそ差があるものの北海道が6勝、2着8回、3着7回とJRAと互角以上に奮闘。ハイレベルな2歳戦を展開する北海道勢が層の厚さを示す結果となっている。特に近年の勢いが顕著で、17~20年にかけて4連覇、過去10回で3着以内独占は2回。JRA勢を圧倒している数少ないダートグレード競走と言えそうだ。ちなみに過去10年でJRA勢による上位独占は1度もない。北海道勢は馬券に入れておくのが無難だ。[表2]
所属 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
北海道 | 6 | 8 | 7 | 92 | 5.3% | 12.4% | 18.6% |
JRA | 4 | 2 | 3 | 31 | 10.0% | 15.0% | 22.5% |
地方その他 | 0 | 0 | 0 | 2 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
馬番を1~5、6~10、11~16に3分割して馬券圏内の成績を見てみると、内【2.3.1】、中【3.3.3】、外【5.4.6】と外の好成績が目立つ。まだ幼さが残る2歳牝馬だけに、包まれたりせずに自分のリズムで走れる外枠のほうが、力を発揮できているようだ。[表3]
年 | 11年 | 12年 | 13年 | 14年 | 15年 | 16年 | 17年 | 18年 | 19年 | 20年 |
頭数 | 16頭 | 14頭 | 16頭 | 16頭 | 15頭 | 16頭 | 16頭 | 16頭 | 15頭 | 15頭 |
1着 | 8 | 10 | 5 | 11 | 3 | 14 | 9 | 16 | 14 | 11 |
2着 | 9 | 12 | 3 | 1 | 12 | 1 | 11 | 15 | 8 | 9 |
3着 | 10 | 8 | 16 | 12 | 4 | 12 | 12 | 11 | 15 | 6 |
注記:20年は15番出走取消。
前走までのキャリア別で見てみると、北海道所属で馬券圏内に好走した21頭のうち17頭が4~6戦で7戦が2頭、3戦と10戦が各1頭だった。それに対してJRA所属で好走した9頭のキャリアはいずれも2、3戦。また好走した馬をデビュー月別に調べてみると、北海道は5月15頭、6月4頭、7月2頭とデビューが遅くなるにつれて明らかに成績は下降。逆にJRAは6月3頭、8月が6頭で必ずしも早期デビューが有利なわけではなかった。他の注目点としては、北海道所属で馬券圏内に好走した馬のうち17頭は、初戦か2戦目の1000mで初勝利を挙げた馬だった。
『北海道所属なら初戦か2戦目に1000mで初勝利を挙げており、キャリア4~6戦』が望ましい。さらに5月デビューなら好走率は高いと判断できそうだ。『JRA所属で勝利を挙げた4頭にはダートで底を見せていないか、前走はすずらん賞で勝利』という共通項があった。上記に該当するような馬がスムーズに走れる外枠に入れば、なお良いだろう。
(前田 恒)
1着
2着
3着
注記
当ページの情報は、NARが特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。