手に汗握る真夏のハンデ重賞
佐賀1400mはコーナー4つの小回りコースと短い直線の対応がポイントとなる。2012年から9年連続で勝ち馬はサマーチャンピオンを重賞初勝利としており、重賞未勝利馬の挑戦にも注目しておきたい。ここでは過去10年のデータから傾向を分析していく。
10回中9回でJRA馬が勝利し、うち1~3着独占が5回。地方馬は18年にエイシンバランサー(兵庫)が勝利するなど、3着内に計6頭と健闘しているが、ここ2年はともに5着が最高となっている。なお、地方馬の3着内は兵庫3頭、愛知、笠松、高知が各1頭で、佐賀の馬券圏内はない。[表1]
所属 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
JRA | 9 | 7 | 8 | 19 | 20.9% | 37.2% | 55.8% |
兵庫 | 1 | 1 | 1 | 3 | 16.7% | 33.3% | 50.0% |
東海地区 | 0 | 2 | 0 | 11 | 0.0% | 15.4% | 15.4% |
高知 | 0 | 0 | 1 | 7 | 0.0% | 0.0% | 12.5% |
佐賀 | 0 | 0 | 0 | 41 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
1番人気は3勝に留まっているが、2着2回、3着3回で3着内率は80%と、安定した成績を残している。2番人気は4着以下6回と人気を裏切るケースが多いが、3番人気は3着内率80%、4番人気は同60%と健闘しており、4番人気以内での決着が6回ある。なお5番人気以下の3着内4回はいずれも地方馬となっている。[表2]
単勝人気 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
1番人気 | 3 | 2 | 3 | 2 | 30.0% | 50.0% | 80.0% |
2番人気 | 2 | 1 | 1 | 6 | 20.0% | 30.0% | 40.0% |
3番人気 | 2 | 3 | 3 | 2 | 20.0% | 50.0% | 80.0% |
4番人気 | 2 | 2 | 2 | 4 | 20.0% | 40.0% | 60.0% |
5番人気 | 1 | 2 | 0 | 7 | 10.0% | 30.0% | 30.0% |
6番人気以下 | 0 | 0 | 1 | 60 | 0.0% | 0.0% | 1.6% |
5歳と6歳がともに4勝、2着2回と好成績を挙げており、4歳が1勝、2着3回と、1、2着は4~6歳に集中する傾向。3歳は6頭と出走数自体が少なく、2着1回のみだが、今年は施行時期が例年より半月ほど遅いため、3歳馬の出番もあるかもしれない。[表3]
年齢 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
3歳 | 0 | 1 | 0 | 5 | 0.0% | 16.7% | 16.7% |
4歳 | 1 | 3 | 1 | 2 | 14.3% | 57.1% | 71.4% |
5歳 | 4 | 2 | 4 | 13 | 17.4% | 26.1% | 43.5% |
6歳 | 4 | 2 | 2 | 19 | 14.8% | 22.2% | 29.6% |
7歳 | 0 | 1 | 2 | 18 | 0.0% | 4.8% | 14.3% |
8歳以上 | 1 | 1 | 1 | 24 | 3.7% | 7.4% | 11.1% |
6番より外が7勝、あとの3勝も4番2勝、5番1勝で、3番より内は勝っていない。また、10~12番は16年を除く9回で馬券に絡んでいる一方、1番は3着以内がなし。内の砂が深い影響か、内枠不利、外枠有利の傾向が顕著となっている。[表4]
年 | 11年 | 12年 | 13年 | 14年 | 15年 | 16年 | 17年 | 18年 | 19 年 | 20年 |
頭数 | 11頭 | 11頭 | 11頭 | 11頭 | 12頭 | 12頭 | 11頭 | 10頭 | 11頭 | 11頭 |
1着 | 11 | 6 | 9 | 4 | 8 | 4 | 9 | 10 | 10 | 5 |
2着 | 2 | 11 | 10 | 2 | 10 | 6 | 3 | 3 | 2 | 12 |
3着 | 3 | 4 | 3 | 10 | 5 | 7 | 10 | 8 | 9 | 7 |
注記:13年は6番出走取消。18年は5番出走取消。20年は10番競走除外。
JRA馬では7月のプロキオンステークスGIIIを使われてきた馬が好成績を残すケースが多いが、直近で3勝クラス(準オープン)やオープン特別戦を勝ったばかりという馬も通用している。12年以降、JRAの勝ち馬は、ここが重賞初制覇となっているが、裏を返せば実績のあるトップハンデ馬が不振で、勝ったのは11年のスーニ(58.5kg・JRA)のみ。
『直近のレースで勝利を挙げていたJRA馬で、重賞実績よりも近走の好調度を重視』したい。地方馬もダートグレード競走で上位実績があれば通用する余地も。今年は施行時期の移動や、プロキオンステークスGIIIが阪神または中京1400mから小倉1700mとなり、傾向が変わる可能性もある。
(上妻 輝行)
1着
2着
3着
注記
当ページの情報は、NARが特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。