秋の大一番へ向けて、各世代の牝馬が門別に集う
JBCレディスクラシックJpnIを見据えた有力馬も参戦するため、ここでの好走をきっかけに牝馬路線の中心に躍り出た馬も少なくない。ここでは、牝馬限定となった14年からの過去7回を分析する。
過去7回すべてがJRAによる3着以内独占で断然の成績。地元北海道はのべ48頭が出走して、ダートグレード競走で2着歴があったジュエルクイーンの4着が最高。その他地方からの遠征馬は大井による6着が2回あるだけで、明らかな苦戦傾向。ダートグレード競走で勝ち負けできるような地方馬の参戦がなければ、荷が重い。[表1]
所属 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
JRA | 7 | 7 | 7 | 13 | 20.6% | 41.2% | 61.8% |
北海道 | 0 | 0 | 0 | 48 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
その他地方 | 0 | 0 | 0 | 8 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
馬券圏内の21頭のうち単勝1、2番人気が12頭。なかでも1番人気は勝利こそ1回だが、馬券圏外はなく、2番人気は3勝、3着2回と優秀な成績を残している。3番人気は1、2、3着が各1回とまずまずだが、それなら馬券圏内5回の4番人気のほうが安定していると言えそうだ。5番人気以下になると極端に成績が落ち込み、馬券に絡んだのは17年に6番人気で勝ったマイティティー(JRA)だけ。上位人気馬を素直に信頼するのが得策。[表2]
単勝人気 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
1番人気 | 1 | 4 | 2 | 0 | 14.3% | 71.4% | 100.0% |
2番人気 | 3 | 0 | 2 | 2 | 42.9% | 42.9% | 71.4% |
3番人気 | 1 | 1 | 1 | 4 | 14.3% | 28.6% | 42.9% |
4番人気 | 1 | 2 | 2 | 2 | 14.3% | 42.9% | 71.4% |
5番人気 | 0 | 0 | 0 | 7 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
6番人気以下 | 1 | 0 | 0 | 54 | 1.8% | 1.8% | 1.8% |
過去7回で2桁馬番の勝利は5回で、馬券絡みが8頭。少頭数だった16、17、19年はいずれも大外枠の馬が勝利を収めた。対して内の馬が勝利を挙げたのは、最内枠から2番手をスムーズに追走した20年のプリンシアコメータ(JRA)のみ。結果を見ると、外に入った先行馬の信頼度が高い。[表3]
年 | 14年 | 15年 | 16年 | 17年 | 18年 | 19年 | 20年 |
頭数 | 14頭 | 14頭 | 10頭 | 11頭 | 15頭 | 11頭 | 15頭 |
1着 | 13 | 7 | 10 | 11 | 11 | 11 | 1 |
2着 | 3 | 10 | 5 | 5 | 6 | 6 | 9 |
3着 | 11 | 8 | 4 | 1 | 5 | 2 | 14 |
注記:15年は5番出走取消
2世代で6勝をマークする4、5歳が中心。とはいえ4歳に目を向けると連対率は8.7%とひと息。出走頭数は多いが4勝し、7回中6回で連対している5歳のほうが信頼できると考えて良さそうだ。勝利こそない3歳だが、3着内率42.9%はトップ。ただし、好走馬すべてが3番人気以内だった点を考えると、勝ち切れていないとも捉えられる。6歳以上のベテランで連対したのべ3頭はいずれも過去にこのレースで2着以上の好走歴があった。適性を示している馬が参戦してきたときには押さえたい。[表4]
年齢 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
3歳 | 0 | 2 | 4 | 8 | 0.0% | 14.3% | 42.9% |
4歳 | 2 | 0 | 2 | 19 | 8.7% | 8.7% | 17.4% |
5歳 | 4 | 3 | 1 | 26 | 11.8% | 20.6% | 23.5% |
6歳 | 0 | 2 | 0 | 10 | 0.0% | 16.7% | 16.7% |
7歳 | 1 | 0 | 0 | 5 | 16.7% | 16.7% | 16.7% |
8歳以上 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
勝ち馬のうち前走Vから連勝を決めたのは15年アムールブリエ(JRA)のみ。残る6頭のうち、5頭は牡馬混合戦からの巻き返しだった。またリピーターの活躍も目立っており、前年1、2着馬が出てきた場合、17年以外は(初年度の14年を除く)、すべて3着以内。3歳は関東オークスJpnII馬であれば【0.2.3.1】と好走率が高かった。
上位独占を続けるJRA勢の優位は揺るがない。『上位人気+外枠』なら過去の傾向からもかなり信頼できる。4、5歳が中心も、実績のある6歳以上が参戦してきた場合には注意が必要。また、着順にかかわらず『前走で牡馬と戦ってきた馬』に注意したい。
(前田 恒)
1着
2着
3着
注記
当ページの情報は、NARが特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。