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応募に対する心構え

 応募にあたっては、所属先(地方競馬場の厩舎)を決めてからでも、あるいは決まっていなくても構いません。しかし、大切な人生の目標としてこれから進む道ですので、競馬社会を良く理解して応募して下さい。

応募するにあたってお読みください

(1)騎手という職業

 最近、競馬に関するゲームや雑誌で得た知識から、騎手という職業についてよく理解せず、単なる憧れで応募してくる人がいますが、プロ騎手は大変厳しい職業であることを認識してください。
 毎年、入所早々教養センターの訓練・生活が辛いとのことで辛抱できず、騎手への夢を絶って退所する騎手候補生がいます。いわゆるホームシックやカルチャーショックもありますが、騎手になるという意志の弱さが一番の原因だと思われます。
 事前に騎手という職業についてよく調べ、また周りの方と相談して応募することが必要です。

(2)体重調整

 騎手にとって体重調整は最も重要なことの一つです。当センターでの教育期間中、騎手候補生は年齢区分毎に規定体重が指定され、修了時の規定体重は49.0kgとなっています。そのために騎手候補生の中には毎日の食事を制限したり、ランニング等で体重調整を行ったりしている者もいます。候補生は2年間で2~4kg は体重が増加しますので、一時的に無理な減量をしてセンターに入所しても、体重調整に苦労し、結果的に退所に至るのが現実です。

(3)起床時間

 当センターの起床時間は午前5時半(夏期は4時半)ですが、競馬場では騎手は毎日午前2時頃から起床し、9時頃まで10数頭の競走馬の調教を行っており、仕事はかなりハードなものです。

(4)修了生の感想文から(一部抜粋)

◆第96期騎手候補生S君(平成30年3月修了)

 入所して最初の1ヶ月は一日一日がとても長く感じられ、毎日が辛い日々でした。騎乗もうまくいかず、悩む時期が多くありました。しかし、家族や友人、そして同期の支えもあり、どんなに辛いことも乗り越えられました。それから旅行や外出もできるようになり生活にも少しずつ慣れてきました。騎乗の基本馬術では技能審査があり、思うように馬を操ることができず、結果も納得いくものではなかったです。しかし、先生から頂いたアドバイスを素直に聞き、訓練に集中して取り組むうちに上達していくことができました。基本馬術から競走騎乗に移行するとより厳しい訓練内容になりました。しかし、騎手に一歩近づくことができたことを実感し、それをモチベーションに、きつくても頑張ることができました。オレンジ帽になり、競馬場実習が近づいていく中、不安と期待でいっぱいでした。そして競馬場実習になり、実習中に先生や厩務員さんが優しく接して下さり、たくさんのことを学ぶことができたと思います。先輩騎手からもアドバイスを頂いて、技術面で大きく成長できとても充実したものでした。
 教養センターで2年間学び、技術面も含めて、何より人として大きく成長できたと思います。プロとして一社会人として自覚と責任をもって騎手人生を過ごしていきたいと思います。同期達と共に笑いあったこの2年間は、一生忘れません。

◆第96期騎手候補生H君(平成30年3月修了)

 二年前、高校を中退し、騎手になりたくてこのセンターに入所しました。正直、かなり厳しいということは聞いていましたし覚悟は決めていたので、思うほどしんどい生活ではなかったです。ただ、それでも一日に詰め込まれた分刻みの日課は、慣れるまでは毎日疲れはてていました。いかに入所前の生活が、自由で甘えがあり、わがままだったのか、幼稚だった僕はある意味ここに来てよかったと今思います。
 最初の1カ月間、外出など一切なくずっとセンター内での生活でした。人生で一番辛かった1カ月と言えます。ただ、辛い中で、先輩ジョッキーたちはここを乗り切ってきたのだと思うと希望がありました。それから外出が始まり、楽しみができましたが、間もなくして先輩たちが競馬場実習へ行き、自分たちの作業量はとてつもなく増えて、辛い作業に1分がどれだけ大事なのか思い知らされました。1年が経ちオレンジ帽になりましたが、自分の技術は全く上がらず、いつか出来るようになればいいやと楽観視していたので、みんなと同じように乗れないまま実習を迎えることになってしまいました。実習先では1日20頭前後乗らせてもらいましたが、騎乗が雑になってしまいました。それでも数多く騎乗できたことで、僕にはいい経験になったと思います。これからが勝負です。しっかりこの世界で生き残っていけるように頑張ります。