女性騎手たちと親交のある、
競馬リポーターの大恵陽子さんが、
彼女たちの日々の様子や
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発信していきます。
(毎週金曜 更新予定)

COLUMN

Vol.49 騎手候補生のトレーニングルームが充実!


未来のジョッキーを養成する機関である地方競馬教養センター。
栃木県那須塩原市にあるこの施設の新本館が昨年10月にプレオープンしました。

玄関ロビーには陶板アートや、各地の馬を題材とした民芸品、蹄鉄などが飾られています。

2階建ての館内で特に目を引いたのが、広々としたトレーニングルーム。

ランニングマシーンやバイク、背筋を鍛えるマシンなどが充実。
デビュー後に「もっと筋力をつけなければ、と痛感しています」と話す若手騎手は多く、在学中にしっかりトレーニングできる環境は魅力的です。

人によっては、体重とのバランスを見ながらにはなるでしょうが、新本館がオープン以降、騎手候補生たちは積極的にトレーニングルームに通っているようです。

寮とは渡り廊下でつながっていて、夜の自由時間などは舎監さんから鍵をもらって入室できるようになっているようです。

奥には11台の木馬が並びますから、より実践的なトレーニングもできます。

木馬にはいろんな種類があり、歴史を感じるものも。

たとえばこちらは重賞3勝を挙げたジーエスライカーが2歳だった2009年にハイセイコー記念に出走……するはずだった時のゼッケンがかけられた木馬。

実際には出走取消となったので、ある意味「幻のゼッケン」なのですが、
候補生たちの成長を見守り続けてきました。

特にゼッケン左側の摩耗が激しい!

最近の木馬は首や胴体が動くタイプが多いのに対して、“ジーエスライカー号”はどちらも動かないのですが、口元にバネが取り付けられ、手綱の感覚が味わえるように工夫されています。

ちなみに、隣の馬は帝王賞のゼッケンがつけられていましたが、こちらはさらに年季が入っていて判別不能。

これだけたくさんの候補生が乗った痕跡がありますから、
もしかしたらいつも競馬場で応援しているあのジョッキーも乗っていたかもしれませんね。

また、広々とした体育館ではスポーツをする以外にも、定期的に専門家を呼んでフィジカルトレーニングも行っています。

いま、競馬場で活躍する女性騎手たちは旧本館で訓練を積んできました。

「“今の子たち”って言っても私も卒業したばかりですが、本館が新しくなってトレーニングルームも充実しているみたいでいいですね!」

とは一昨春にデビューした深澤杏花騎手。

Vol.39でもお伝えしたように、最近は積極的にトレーニングに励んでいるからこそ、トレーニングルームの存在の大きさをより感じるのでしょう。

いま地方競馬教養センターには女性の候補生も在籍しています。
新しく充実した施設でしっかり訓練に励んで、デビューする日を待っています。

  • 大恵 陽子競馬ファン歴25年 女性競馬リポーター

    グリーンチャンネル「アタック!地方競馬」ウェストアタッカー(ゲスト)、 「地方競馬中継」コメンテーターなど競馬番組出演や、イベント MC、コラム執筆などで活躍中。

  • 大恵 陽子
    競馬ファン歴25年
    女性競馬リポーター

  • グリーンチャンネル「アタック!地方競馬」ウェストアタッカー(ゲスト)、 「地方競馬中継」コメンテーターなど競馬番組出演や、イベント MC、コラム執筆などで活躍中。