1. Presented by National Association of Racing
  2. 地方競馬のオンライン情報誌ウェブハロン
  3. ダートグレード競走を中心としたレースハイライトや、シリーズ競走等の特集、各種連載など盛りだくさんの情報をお届けします。

レーススケジュール・概要を開く

LVRレディスヴィクトリーラウンド2020

各ラウンドにおいて2競走実施し、女性騎手のみをポイントの対象として、ラウンド表彰(優勝者のみ)を行うとともに、3ラウンド総合優勝者を最終戦名古屋ラウンドにおいて表彰いたします。

前回LVRレディスヴィクトリーラウンドでご好評いただきましたばんえいエキシビションレースを、今回も高知ラウンドに先がけばんえい帯広競馬場において実施します。ばんえいエキシビションレースには、竹ケ原茉耶騎手(ばんえい所属)も参加いたします。

競走実施日にお客様向けに各種イベントを実施いたします。

NARサイト 特設サイトはこちら

レース名 実施日 競馬場
1st Round 高知 2.4(火) 金沢
2nd Round 佐賀 2.22(土) 佐賀
3rd Round 名古屋 3.12(木) 名古屋
  • 1st ROUND 高知

2.4 (火) 高知

ミシェル騎手が第2戦を勝利
 3着2着の宮下騎手が高知R優勝

第1戦

第2戦

リポート動画

レディスヴィクトリーラウンド(LVR)に沸いた一日だった。短期免許を取得し川崎所属で騎乗中のフランスのミカエル・ミシェル騎手がLVRに電撃参戦することもあって、多くのファンで賑わった高知競馬場。さらに今年は怪我から3年3カ月ぶりに復帰した岩永千明騎手(佐賀)、昨年4月デビューの濱尚美騎手(高知)、昨年10月デビューの関本玲花騎手(岩手)の3名がLVR初参戦とあって、騎手紹介式が行われたスタンド前ステージには幾重もの人だかりができ、パドックも多くのファンで観覧スペース最上段まで埋まった。

多くのファンの視線を集めたミシェル騎手はもちろんこの日が初の高知。「カーブがすごい」と、騎乗経験のあるJRA札幌競馬場や川崎競馬場、大井競馬場との違いを感じたようだ。

その彼女を見て「ミシェル騎手も交えて新しいメンバーでレースをすることになったので楽しみです」と話したのは前回覇者の木之前葵騎手(愛知)。また濱騎手にとってはLVRに出場できること自体が嬉しいようで、「厩舎実習中にLVRを生観戦して、自分も騎手になったら先輩方と乗れるんだ、とワクワクしていました」と目を輝かせた。そして宮下瞳騎手(愛知)は「休養中の真衣ちゃんのためにも今年こそは優勝をしたいです!」と、LVRで良きライバルとして戦ってきた別府真衣騎手(高知)の分まで健闘を誓うなど、各々に思いを抱いての戦いとなった。

なお、中島良美騎手(浦和)は負傷のため高知ラウンドを欠場。レースは地元の男性騎手を交えて行われたが、今回から一般レースと同様、減量が適用されることとなり、騎手免許取得後5年未満で通算30勝以下の濱騎手と関本騎手は4キロ減、その他の女性騎手は2キロ減での騎乗となった。

第1戦は好スタートを切った林謙佑騎手に対し、外から関本騎手が「引っ掛かってしまいました……」と馬体をピタリと併せ、前がやや飛ばす展開。そうなると、後方で脚を溜めていた馬にとってはもってこいで、後方馬群にいたミツルファミリーと畑中信司騎手が3~4コーナーでまくって直線抜け出した。

女性最先着は後方3番手から4コーナーをロスなく回り、ゴール寸前でグイッと伸びた宮下騎手で3着。一方、4コーナーで「出口が見当たりませんでした」と悔やんだのは女性5位での入線(8着)となった濱騎手。また女性2位入線(5着)の岩永騎手は4番手からレースを進めたが「ハナに行けたらと思ったのですが、ゲートを出せず悔しいです」と唇を噛んだ。

例年の何倍ものカメラが取り囲む検量室前で各騎手は馬具を綺麗に拭き、第2戦に向けて準備を整えた。そんな中、ミシェル騎手は次の騎乗馬ハンゲキノノロシを管理する細川忠義調教師とパトロールビデオを熱心に見ながら、何やら作戦会議をしているようだった。

第1戦では“ミシェル人気”とも思われるオッズになっていたが、第2戦は8頭中6頭が単勝10倍以下の混戦で、1、2番人気は地元の男性騎手となった。

好スタートからハナに立ったのは木之前騎手で、外から関本騎手が続いた。向正面に入ると、その2頭が馬体を併せて後続を離し、レースがしやすい単独の3番手につけたのはミシェル騎手。直線半ばで先頭に躍り出ると高知2戦目にして勝利を挙げた。2着は後方2番手からこれまた4コーナーをロスなく回って直線で馬の間を縫って伸びた宮下騎手。3着は逃げ粘った木之前騎手だった。

ミシェル騎手は引き揚げてくると、多くのカメラに向かって笑顔で応えた。もうひとり、笑顔だったのは細川調教師。レース前の作戦会議では高知競馬場特有の内の砂の深さを伝えていたようで、検量室では笑顔で記念撮影を行っていた。

2戦の結果、高知ラウンドの優勝は3、2着と上位でまとめた宮下騎手。日本の女性騎手最多勝利記録保持者とあって貫録を見せた。2位は第2戦を勝ったミシェル騎手、3位は木之前騎手だった。関本騎手は6位での発進となったものの、ハニカんだ様子。というのも、ミシェル騎手が「将来性ナンバーワン!」と指名したからだ。その理由は「バランスが取れているし、落ち着いて乗っていた」とのこと。それに対し本人は「緊張していないように見えるそうですが、毎回、その日の1レース目は緊張しています」とのこと。言葉の壁がありながらも「いろんな話をしましたし、フィーリングも合いました」とミシェル騎手が話すように日本人騎手とミシェル騎手は交流を深めた。

大盛況な幕開けとなったLVR2020。このあと2月22日佐賀、3月12日名古屋と戦いは続く。

  • 取材・文
  • 大恵陽子
  • 写真
  • 桂伸也(いちかんぽ)

Comment

高知ラウンド優勝 宮下瞳騎手(愛知)

2戦ともしまいに懸けようと思っていました。1戦目は道中でフラつく面があったのですが、直線で外に出すと反応してくれ、2戦目は直線で狭いところを突きましたが、伸びてくれました。ただ、前を見ると遥か彼方にミシェルがいて、さすがだなと思いました。1位通過なので維持できるようがんばります。

高知ラウンド2位 M.ミシェル騎手(川崎)

2戦目は後方からの馬と聞いていたので、ゲートを速く出てくれて嬉しかったです。4コーナーで「これは行ける」と思い、外側を走るといいとアドバイスをいただいていたので、直線では外を通りました。勝利に導けてとても嬉しいです。これからもっと勝って声援に応えたいです。アリガトウゴザイマス。

高知ラウンド3位 木之前葵騎手(愛知)

1戦目はもうちょっと思い切ったレースができれば、と悔いが残りました。2戦目は少しペースが速くなって最後は止まりましたが、粘ってくれました。ミシェルも含め新人の子たちもいい子たちばかりで、とても楽しかったです。佐賀ラウンドもがんばるので、応援よろしくお願いします。