レースハイライト
第46回 佐賀記念 JpnⅢ
2019年2月11日(祝・月) 佐賀競馬場 2000m
追い比べを制して重賞初制覇 強い明け4歳世代から新星誕生
佐賀記念JpnⅢは当初は前週の5日の予定だったが、2月の3連休にはJRAの祝日開催が組まれなかったこともあり、11日に移動。3年ぶりに祝日開催となった。しかし、土曜日の東京開催が雪の影響で中止。月曜日に代替開催が組まれ、当初土曜東京に騎乗予定だったリーゼントロックの松岡正海騎手と、ヒラボクラターシュの福永祐一騎手が月曜東京と佐賀記念JpnⅢで競合。松岡騎手は佐賀記念JpnⅢに騎乗する一方、福永騎手は東京で騎乗となり、山本聡哉騎手へ乗替わりとなった。
JRAの出走馬では昨年兵庫チャンピオンシップJpnⅡを制し、近2走でオープン特別を連勝しているテーオーエナジーが単勝1.4倍と圧倒的な1番人気。例年ならば2番人気以下もJRA勢が占めるケースが多いが、今年はJRA所属時にGⅢを2勝し、12月の佐賀移籍後2連勝のグレイトパールが2番人気に推され、1996年(当時は、開設記念)リンデンニシキ以来の地元勢勝利の期待が高まっていた。
好スタートを決めたのはヒラボクラターシュ。しかし、内からテーオーエナジーが先頭を奪い、リーゼントロックがこれを追走し、ヒラボクラターシュは3番手へ。グレイトパールは中団5番手につけ、最後方のスーパーノヴァまで縦長の展開に。
向正面では前3頭と後続の差が大きく開き、直線ではリーゼントロックとヒラボクラターシュの追い比べとなったが、ヒラボクラターシュがクビ差先着。両馬の争いからは8馬身離されたものの、テーオーエナジーが3着を確保。以下、4着グレイトパール、5着アスカノロマンとなった。
ヒラボクラターシュは昨年3歳秋にオープン特別を2勝。GⅠ初挑戦となった前走のチャンピオンズカップは9着に終わったが、地方交流初挑戦となった今回、タイレコードでの初重賞制覇となった。佐賀記念JpnⅢが2月開催となった01年以降、昨年まで明け4歳馬は5頭が勝利。その中にはホッコータルマエやスマートファルコンといったその後GⅠ/JpnⅠ路線で大活躍を遂げた馬もおり、今後に大きな期待がかかるところ。
鞍上の山本聡哉騎手は岩手所属だが、現在佐賀で期間限定騎乗中。代打騎乗で巡ってきたチャンスをものにし、グレードレース初勝利。「グレードを勝ちたいというのが自分の目標でしたが、まさかこんなタイミングで勝てると思っていなかった。岩手競馬にいいニュースを届けたいという思いもありました」と、感慨深げに振り返っていた。
グレイトパールは勝ち馬から1秒9差つけられたが、地方最先着を確保。「うしろから行く馬なので今日の展開では仕方がない。4着は十分OKです」(川田孝好調教師)、「今日は時計が速すぎました。地方馬同士だったら引けはとらないでしょう」(鮫島克也騎手)と、敗れたものの陣営は手ごたえを感じている印象。今後の路線については「馬をリフレッシュさせてから考えたいので、未定です」とのことだが、交流重賞の舞台で、佐賀の代表として活躍が期待できそうだ。
地方最先着は4着のグレイトパール(佐賀)
取材・文:上妻輝行
写真:桂伸也(いちかんぽ)
コメント
向正面からじわじわ行きましたが、思ったより手ごたえが良く、4コーナーでは早めに先頭に立ちたくないなと思ったくらいでした。直線で伸びきれなかったので、最後までもしかしたら差し返されるかもという不安はありましたが、頑張ってくれました。
3番手から理想通りの競馬をしてくれました。最後抜け出してからソラを使うところは残っているので、今後の課題といえばそこなんですが、この先楽しみだなとは思います。次は重賞路線かなとは思うんですが、特にどのレースというのはまだ考えていません。