第1戦 マイスターチャレンジ |
第2戦 ヴィクトリーチャレンジ |
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上位3名が同ポイントで並ぶ大接戦
第2戦を制したデムーロ騎手が優勝
14回目を迎えた佐々木竹見カップジョッキーズグランプリ。各地のリーディングジョッキーが覇を競うこのレースだが、近年の地方競馬では期間限定騎乗など所属地区以外での騎乗もある程度可能になったため、地区ごとのリーディングという位置づけ自体があいまいになってきた。たとえば今回の出場騎手でいえば、高知の赤岡修次騎手は昨年地方全国で挙げた勝利数(229勝)では高知所属騎手としてトップだったが、高知競馬場で挙げた勝利数(189勝)ということになると、永森大智騎手(203勝)に次いでの2位だった。また今回のJRA代表は、大井デビューの戸崎圭太騎手と、昨年からJRA所属の騎手となったミルコ・デムーロ騎手ということでも、所属という概念がかつてとは変わってきている。
第1戦マイスターチャレンジは上位人気が拮抗。単勝では戸崎騎手のピースフォーエバーが3.7倍で1番人気だが、連勝系のオッズでは、真島大輔騎手(大井)のビービーダンク、矢野貴之騎手(大井)のキネオアレグロと三つ巴の人気となった。
逃げたのは真島騎手で、3馬身ほど離れて2番手を追走していた戸崎騎手が3~4コーナーでとらえにかかり、さらに5番手の内を追走していた矢野騎手が4コーナーで外に持ち出して並びかけ、直線を向くと人気3頭の追い比べとなった。直線半ば、真島騎手が脱落すると、矢野騎手が戸崎騎手を突き放し1馬身半差をつけて快勝。後方追走から直線で脚を伸ばしたブービー人気の左海誠二騎手(船橋)がさらに1馬身半差で3着に入り、真島騎手は5着だった。
昨年、大井リーディングを獲得し、南関東リーディングでも3位で、竹見カップには初出場となった矢野騎手は、「思い通りのレースができた」と笑顔を見せた。
第2戦のヴィクトリーチャレンジは、中央未勝利から浦和に転入して4連勝中だったストリークライトが1番人気。これを引き当てたのはデムーロ騎手。第1戦は8着だっただけに、たとえ勝っても表彰台は他騎手の着順次第ということになる。
逃げた安部幸夫騎手(愛知)が直線を向いても単独先頭だったが、5番手から外を伸びたデムーロ騎手と、中団からラチ沿いを抜けてきた真島騎手がゴール前でとらえ、内外離れ並んでの入線。ゴールを過ぎたところで、「おめでとう!」という真島騎手の声が聞こえてきた。「直線では先にミルコが抜けていて、アタマ差くらい負けていると思った」という真島騎手だったが、ゴール前もうひと伸びしてハナ差のきわどい決着だった。
2戦を終えてのポイントは、8着1着のデムーロ騎手、5着2着の真島騎手、2着5着の戸崎騎手の3人が60ポイントで並んだ。“同点の場合、第2戦の成績上位者を優先”という規定から、優勝はデムーロ騎手。その結果を知らされたデムーロ騎手は、「シャンパン!シャンパン!」と無邪気に喜んだ。
その後、最終レースを勝利で終えた2位の真島騎手は、「(騎手交流戦は)大好き。スーパージョッキーズトライアルとかもそうだけど、トップジョッキーばかりだと、みんなきれいに乗るし、きっちり乗るから乗りやすい。競馬がきちっとしているからすごく面白い」と、騎手交流戦の魅力を話してくれた。さらに、昨年は大井リーディングでは3位だが、南関東リーディングは2位だったという自身の立ち位置に、「4場ともいい馬に乗せてもらってるし、1頭1頭大事に乗っていけば、おのずと(南関東)リーディングも見えて来るんじゃないかなと思います。あとは重賞をどれだけ勝てるかですね」と、今年に懸ける意気込みも語ってくれた。
ミルコ・デムーロ騎手
(JRA)
真島大輔騎手
(大井)
戸崎圭太騎手
(JRA)