レースハイライト タイトル
dirt
2013年5月29日(水) 浦和競馬場 1400m

流れに乗って直線抜け出す
GⅠ実績馬が力でねじ伏せる

 関東甲信地方が梅雨入りしたこの日。浦和競馬場も雨が降ったり止んだりのぐずついた天気になったが、馬場コンディションは良のままで行われた。
 最近のダートグレードレースの傾向通り今回も中央勢優勢。セイクリムズン、テスタマッタ、ティアップワイルド、ダイショウジェットの順で出走した4頭が上位人気を独占したが、結果的には戸崎圭太騎手が手綱を取ったテスタマッタの優勝で幕を下ろした。
 名古屋から参戦したかきつばた記念JpnⅢ・3着のサイモンロードが予想通りハナを切り、コアレスピューマやナイキマドリードが追走して地方勢が先団を形成。最内枠からスタートしたテスタマッタはスタートで遅れて最後方から進めていった。「好位で競馬をしようと思っていましたが出遅れてしまいました。逆にそれがよかったのか、リズムを崩さずにリラックスして走ってくれましたね。返し馬でも落ち着いていて馬の雰囲気もとてもよかったです」と戸崎騎手。休み明けだった前走のかしわ記念JpnⅠ(4着)からコンビを組んだが、かなり行きたがって終いの伸びが甘くなったことで、このさきたま杯JpnⅡもそのあたりを課題に置いて挑んだそうだ。
 そのテスタマッタは、2コーナーから外目を通ってスーッと進出。3コーナー付近ではナイキマドリードが一気に抜け出して先頭に躍り出ると、一完歩ずつ迫って射程圏内へ。最後の直線ではナイキマドリードが必死に粘って抵抗するも、テスタマッタが力でねじ伏せて追い比べを制し、単独先頭に立ってそのままゴールした。2着には中団から差してきたセイクリムズン。3着は地方勢の意地を見せてくれたナイキマドリードだった。
 優勝したテスタマッタは、09年ジャパンダートダービー、12年フェブラリーステークスとJpnⅠ・GⅠを2勝。ここ最近は勝ち切れないレースが続いていたが、今回はフェブラリーステークス以来となる約1年3か月ぶりのうれしい勝利となった。これが通算4つ目の重賞タイトル。「今日のようにリラックスして走れればまたGⅠでもいい勝負はできると思います」(戸崎騎手)。今後の具体的な予定は未定だそうだが、再びダート界の頂点を目指して欲しいと思う。
 なお、09、11年のJBCスプリントJpnⅠの覇者で、通算9つのタイトルを獲得しダート界で一時代を築いたスーニが、今回から地方競馬の名門・船橋の川島正行厩舎に仲間入り。これまでの疲れを取りながら良化段階での9着だったが、コンビを組んだ町田直希騎手は「従順で乗りやすくてすごくいい馬」とその乗り味を絶賛していた。担当は多田圭治厩務員、調教をつけているのは佐藤裕太騎手と、さまざまな名馬を送り出してきたコンビが手掛けている。今後川島調教師を中心にどうスーニを再生していくのかも興味深い。
戸崎圭太騎手
折り合いの難しい馬ですが、これまでの実績が示している通りに素質は素晴らしいものがあります。スタートで遅れたのは僕のミスで、遅れなければ楽勝していたと思います。中央では重賞の勝てない戸崎圭太ですが、今日は重賞を勝つことができてよかったです(笑)
野田修治
調教助手
一度使って調子は上がっていました。調教ではそんなに時計が出るほうではないんですが、競馬に行って結果を出してくれる実践型ですね。本来は好位から進める予定でしたがゲートで遅れて後ろから行くことになりました。結果的には掛かるところもなく力まずに走れて流れも向いてくれたと思います。


取材・文:高橋華代子
写真:森澤志津雄(いちかんぽ)