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2010年6月17日(木) 門別競馬場 1200m
直線突き放しレコードで圧勝、ミーチャンも古馬相手に好走
今年で14回目を迎えた北海道スプリントカップJpnIII。これまでは札幌、旭川、門別と、年によって開催場を替えながらも、ダートグレードとしては唯一最短の1000メートルで争われてきたが、今年は1200メートルに延長された。注目は、やはりラブミーチャンの参戦。JRA桜花賞GIへの挑戦は、トライアルのフィリーズレビューGIIで12着に敗れたことで潰えたが、この夏は北海道に長期滞在。ホッカイドウ競馬のリーディング五十嵐冬樹騎手を背に、初戦となった前走・エトワール賞を勝利。地方同士とはいえ初の古馬との対戦で、最後はアンペアにアタマ差まで迫られたものの辛くも逃げ切っていた。
そして今回はさらにステップアップし、中央の古馬ダート一線級との対戦。別定51キロとはいえ、3歳のこの時期に互角以上のレースができれば、今後への展望が広がる、いわばラブミーチャンにとっては試金石ともなった。
スタートこそあまりよくなかったものの、ラブミーチャンのダッシュ力はやはり天下一品。100メートルほど進んだところで無理せず先頭に立った。高知の快速馬ポートジェネラルが外から並びかけ、中央の有力馬も続いた。
ラブミーチャンはゴール前150メートルあたりまで先頭だったものの、好位を追走していたミリオンディスクが外に持ち出されると弾けるように伸び、あっという間に後続を突き放して快勝。得意の末脚を生かして伸びたガブリンが2着に入り、ラブミーチャンは3着での入線となった。
まずは1番人気の期待どおり、ミリオンディスクは鮮やかな勝ち方を見せた。コースレコードでの決着は、門別1200メートルで初めてのダートグレードだけに予想されたとおり。前々走、同じ1200メートルの東京スプリントJpnIIIでは、スーニ、フジノウェーブという両JpnI馬と接戦を演じての3着と好走していただけに、今回のメンバーではスピードの絶対値が抜けていた。ダート1200メートルは、これで11戦6勝、2着3回。あらためてこの距離に対する適性の高さを示した。
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蛯名正義騎手
非常にいいスタートがきれてよかったです。ここ3戦なかなか勝てない惜しいレースが続いていたんですが、今日は4コーナーを回るときもいい手ごたえで、いつでも抜け出せるという感じだったので、自信を持って乗れました。まだまだ強くなっていくと思うんで、これからも応援してください。
荒川義之調教師
中央馬の場合、賞金を加算しないと(地方のダートグレードに)出れないんで、ここはぜひとも勝ちたかったので、ほっとしています。4コーナーでは手ごたえが楽だったので、前は交わせるだろうと見ていましたが、うしろから来る馬もいたので、安心はできませんでした。次走は未定ですが、このあともダートの短距離ということは決まっています。
ラブミーチャンは、そのミリオンディスクに1秒1の差をつけられ、2着のガブリンからは2馬身差。しかし近走不振のダイワディライト、ヴァンクルタテヤマの2頭は寄せ付けずという内容だけに、ダートの短距離なら中央のオープン級の力があることは示した。むしろ古馬一線級との対戦が初めてでこの結果なら、今後に向けて期待の持てるレースぶりといっていいだろう。父サウスヴィグラスは本格化したのが6歳だったことでも、成長の余地を残している可能性は十分にある。
次走はすでに言われているとおり、もう一度芝に挑戦したいという陣営の意向から、7月4日のJRA・函館スプリントステークスGIIIに出走の予定。所属が笠松のため、JRA挑戦では五十嵐騎手が起用できず、鞍上が誰になるのかも含めて楽しみな一戦。短い函館の直線なら、粘り込むシーンも期待できるかもしれない。
次走はすでに言われているとおり、もう一度芝に挑戦したいという陣営の意向から、7月4日のJRA・函館スプリントステークスGIIIに出走の予定。所属が笠松のため、JRA挑戦では五十嵐騎手が起用できず、鞍上が誰になるのかも含めて楽しみな一戦。短い函館の直線なら、粘り込むシーンも期待できるかもしれない。
取材・文:斎藤修
写真:森澤志津雄(いちかんぽ)
写真:森澤志津雄(いちかんぽ)
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