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レースハイライト
 
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2011年1月26日(水) 川崎競馬場 2100m

競走成績Movie

7歳にして衰え知らず
ダートに歴史を刻む勝利

 川崎記念JpnIは3年連続2着と悔しい思いをしているフリオーソにとって、どうしても獲っておきたいタイトルであると同時に、今年こそ負けられないレースとなった。
 最大の難敵となるはずだったスマートファルコンは、東京大賞典JpnIでの激走の反動が抜けないとして登録のみで回避。同じく東京大賞典でフリオーソに次ぐ3着だったバーディバーディも回避し、ダートグレード実績のある中央勢はテスタマッタのみとなった。ところが、そのテスタマッタも前日になって出走取消。実際にゲートインに至った中央勢4頭は、オープン馬が1頭、あとの3頭は準オープンクラス。しかもいずれもが、これが重賞初挑戦という、フリオーソにしてみれば明らかな格下馬が相手。
 長きにわたってダートのトップホースとして活躍を続けていたカネヒキリ、ヴァーミリアンが昨年揃って引退したが、決してダート中距離路線の層が薄くなったわけではない。JBCクラシックJpnIと東京大賞典を圧倒的な強さで連勝したスマートファルコンは前述の理由で回避。エスポワールシチーはアメリカ遠征帰り。一昨年の東京大賞典などGI(JpnI)3勝のサクセスブロッケンは休養からの復帰戦が、この週末の根岸ステークスGIIIという状況。
 明けて7歳になったフリオーソだが、連戦連勝とはいかずとも、狙った大レースに常に万全の状態で出走し続けていることは、ある意味でこの馬の強さの証しであろう。
 実績2番手が、ダートグレードで2着、3着までという地元川崎のボランタスでは、フリオーソの単勝が最終的に元返しとなったのも当然のこと。
 フリオーソは、そうしたファンの支持どおりの強さを見せた。スタートして手綱を何度か動かすとあっという間に先頭。日本レコードでの決着となった東京大賞典で2着に食い下がったスピード馬に競りかけてくる馬などいない。仮に明らかな格下馬が競りかけてくれば、それは無謀というものだ。
 2番手集団には中央勢4頭のうちの3頭が続いた。2周目向正面で後方から一気に動いたボランタスがその集団にとりつきレースが動いたが、それはあくまで2着争い。4コーナーを先頭でまわるときもフリオーソの鞍上、戸崎圭太騎手の手綱はほとんど動かず。直線に入ってちらりと後方を確認し、手綱を動かすと、あっという間に後続を突き放した。
 3〜4コーナーでは一旦ボランタスが単独で2番手に上がったものの、直線でメイショウタメトモが差し返して2着。しかしフリオーソからは5馬身も離されていた。
 年明け早々JpnI勝ちを決めたフリオーソは、これでGI(JpnI)5勝目。ダートグレードはデビューした2歳時から6年連続での勝利となった。
 昨年の日本テレビ盃JpnIIを圧勝した時に、戸崎騎手は「今までフリオーソを見てきた中で、いちばんいい状態」と語っていた。その後に連続2着の敗戦はあったものの、レコード決着の激走の反動もなく、デビュー以来最高ともいえる状態は持続しているようだ。
 7歳になっても進化を続けるフリオーソが、今後どこまでタイトルを積み重ねるのか。可能性を感じさせる、年明け最初のJpnIでのパフォーマンスだった。
戸崎圭太騎手
今日は負けられないというプレッシャーを感じて乗りました。スタートをうまく出てくれて、逃げる形をとれたことで、ぼくも安心して乗っていました。東京大賞典の疲れも感じられず、いつものフリオーソで、厩舎スタッフのケアがすごいなと感じました。昨年の年度代表馬ということで、今年もまた連続して年度代表馬をとれる馬だと思いますし、またその背中に乗れることをほんとに幸せに思っています。
川島正行調教師
昨年暮れの東京大賞典はほんとうに悔しい思いをしました。それでも年度代表馬に選ばれて、今日ここを勝てたということで、昨年終盤の2着、2着のうっぷんを晴らしたような気持ちですっきりしています。調教でも疲れは見られず、東京大賞典のときのいい状態を持続していました。(単勝1.0倍の)大きな期待をいただいて、それでもあまり負荷をかけないで勝ったので、強いフリオーソを見ていただけたんじゃないかと思います。

取材・文:斎藤修
写真:いちかんぽ(森澤志津雄、三戸森弘康)、NAR

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