データ分析 Data Analysis

2歳牝馬唯一のダートグレード競走

門別競馬場1200m戦で争われるJpnIII競走。JRAの2歳馬にとっては唯一の牝馬限定ダートの重賞競走であり、地方勢ではとりわけ北海道所属馬にとって、シーズン終盤の大目標となるレースだ。例年10月中旬に行われていたが、一昨年から2週繰り下がり、10月末ないし11月初旬に行われている。ここでは過去10年をデータで振り返る。

地元優位もJRA勢も健闘

デビューが早く仕上がりも進み、ホームの利もある北海道勢が数の上では優勢に映るが、比率で言えばJRA勢の方が上。とりわけ近年では、2022年には1~3着をJRA勢が独占、昨年も1・3着がJRA勢だった。北海道勢のサンプル数が多いせいもあるが、それを考慮してもJRA勢は健闘していると言える。[表1]

[表1]所属別成績(過去10回)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
JRA 3 4 3 30 7.5% 17.5% 25.0%
北海道 7 6 7 87 6.5% 12.1% 18.7%
その他 0 0 0 2 0.0% 0.0% 0.0%

人気はあてにならず

過去10年で3連単は8回が万馬券。平均配当が42,710円と、一筋縄では行かないレースと言える。4番人気まで概ねまんべんなく馬券に絡んでおり、5番人気以下の馬券絡みも9件。人気にとらわれることなく、馬の戦歴等を丁寧に分析しつつ予想を進めるべきだろう。[表2]

[表2]人気別成績(過去10回)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
1番人気 3 3 0 4 30.0% 60.0% 60.0%
2番人気 2 1 3 4 20.0% 30.0% 60.0%
3番人気 1 2 1 6 10.0% 30.0% 40.0%
4番人気 2 2 1 5 20.0% 40.0% 50.0%
5番人気 0 1 2 7 0.0% 10.0% 30.0%
6番人気以下 2 1 3 93 2.0% 3.0% 6.1%

北海道勢は5~6月、JRA勢は7月以降のデビュー

デビュー月別の成績を調べてみた。6月までの馬券絡みは、6月の2着と3着各1回がJRA勢であるのを除き、あとは全て北海道勢。7月以降の馬券絡みは、2017年に北海道のストロングハートが勝ったのを除き全てJRA勢だ。
まず意外なのは、4月デビューの北海道勢の不振。7頭中6頭が1、2番人気に推されながら、2着が1度あるだけというのは気になるデータだ。JRA勢も、勝利は8月以降のデビュー馬に限られており、早期デビュー馬は敬遠してよさそうだ。[表3]

[表3]デビュー月別成績(過去10回)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
4月 0 1 0 6 0.0% 14.3% 14.3%
5月 4 5 4 31 9.1% 20.5% 29.5%
6月 2 1 4 38 4.4% 6.7% 15.6%
7月 1 1 1 30 3.0% 6.1% 9.1%
8月以降 3 2 1 14 15.0% 25.0% 30.0%

キャリアは北海道勢5~6戦、JRA勢2~3戦

キャリア4戦以上の馬券絡みは全て北海道勢、キャリア3戦以下の馬券絡みは全てJRA勢。まず活躍はそれぞれこのレンジ内の馬に絞られる。北海道勢は特にキャリア5~6戦の成績が良く、JRA勢はキャリア2~3戦が好成績。JRAで1戦1勝の馬は、一昨年まで3頭挑戦していずれも馬券圏外だったが、昨年ミリアッドラヴが優勝。今後は注意が必要かもしれない。[表4]

[表4]出走キャリア別成績(過去10回)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
7戦以上 0 1 1 9 0.0% 9.1% 18.2%
6戦 3 1 2 18 12.5% 16.7% 25.0%
5戦 3 3 4 27 8.1% 16.2% 27.0%
4戦 1 1 0 25 3.7% 7.4% 7.4%
3戦 0 3 2 18 0.0% 13.0% 21.7%
2戦 2 1 1 19 8.7% 13.0% 17.4%
1戦 1 0 0 3 25.0% 25.0% 25.0%

北海道勢は重賞実績が重要

出走、馬券絡みともに多い北海道勢につき、戦歴を調べてみた。重賞での実績はかなり重要で、出来れば重賞勝利、最低限でも重賞で馬券絡みの実績が欲しい。重賞出走経験のない馬は、2020年クローリスノキセキ(2番人気8着)、23年ライトヴェール(2番人気4着)、24年ハーフブルー(3番人気4着)と人気馬がいずれも敗退しており、一見好成績に見える馬でも割り引いて考えたい。[表5]

[表5]北海道所属馬の重賞実績別成績(過去10回)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
重賞勝ちあり 6 1 2 10 31.6% 36.8% 47.4%
重賞2、3着あり 1 4 4 26 2.9% 14.3% 25.7%
重賞出走あり 0 1 1 25 0.0% 3.7% 7.4%
重賞出走なし 0 0 0 26 0.0% 0.0% 0.0%

勝つのはこういう馬!

JRA所属馬であれば、8月以降のデビュー馬でキャリア3戦以内の馬。北海道所属馬であれば5~6月デビューでキャリアは5~6戦、なおかつ重賞で出来れば優勝、最低でも3着以内の戦歴のある馬。

(文・坂田 博昭)

過去20年の所属別成績

  • 1着

  • 2着

  • 3着

注記

当ページの情報は、NARが特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。