データ分析 Data Analysis

GI/JpnIへつながる出世レース

同じ浦和1400mを舞台に争われるさきたま杯がJpnIに昇格した昨年、同レースからの参戦はサンライズホーク1頭のみで3着だったが、今年はどのような構成になるのかも注目点の一つ。2021年の覇者テイエムサウスダンは翌年のフェブラリーステークスGIで2着、22年1着のシャマルは続くマイルチャンピオンシップ南部杯JpnIで3着に好走してトップクラスの力を示すと、24、25年のかしわ記念JpnI、25年のさきたま杯JpnIを勝つなど出世した。ここでは15~24年の過去10回の結果から傾向を分析する。

南関東が多くの年で連対

所属別ではJRA有利という傾向が出ており勝利数は5勝の栗東が優勢。ただ、延べ8頭が出走して4頭が3着以内の美浦は勝率・連対率・3着内率のすべてで栗東を上回っており、出走してくればマークは必須になる。また、南関東の健闘も目立ち、2024年はスマイルウィ(船橋)が勝利を飾った。南関東は16年から9年連続で3着以内に入り、その9回で連対できなかったのは17年と22年の2回のみ。高い確率で連対できていることも大きなポイントになる。[表1]

[表1]所属別成績(過去10回)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
JRA栗東 5 5 3 18 16.1% 32.3% 41.9%
JRA美浦 2 1 1 4 25.0% 37.5% 50.0%
南関東 3 4 6 43 5.4% 12.5% 23.2%
上記以外 0 0 0 14 0.0% 0.0% 0.0%

上位人気同士の決着が大半も一筋縄にはいかない

馬連単が10倍以下だったのは22、23年の2回のみで平均配当は2323円、3連単2万9459円と、平均配当からは一筋縄にいかないように見える。人気で見ると5番人気以内での決着が大半だが、それでも配当妙味が出てくるのは上位人気の勝率に差がないことが挙げられる。上位人気馬の組み合わせや買い方次第で大きなプラス収支を得ることも可能。ただ、3着2回のみの6番人気以下に過度な期待は禁物という傾向もある。[表2]

[表2]単勝人気別成績(過去10回)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
1番人気 2 2 3 3 20.0% 40.0% 70.0%
2番人気 3 3 1 3 30.0% 60.0% 70.0%
3番人気 2 1 3 4 20.0% 30.0% 60.0%
4番人気 1 1 1 7 10.0% 20.0% 30.0%
5番人気 2 3 0 5 20.0% 50.0% 50.0%
6番人気以下 0 0 2 57 0.0% 0.0% 3.4%

若い世代の好走率が高いがベテランも奮闘

2021~23年の3回は、4→4→3歳、4→3→5歳、4→6→6歳で4歳馬が3連勝。3歳、4歳ともに出走頭数は少ないが、半数近くが3着以内に好走できている。ただ、フレッシュな世代に負けじとベテランの奮闘も頭に入れておく必要があり、過去10回中7回で7歳以上が馬券圏内に顔を出していた。ちなみに9歳で唯一、連対した17年2着レーザーバレットは15・16年の覇者。近年出走数は少ないが、9歳以上は多少の割引が必要かもしれない。[表3]

[表3]年齢別成績(過去10回)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
3歳 0 2 1 4 0.0% 28.6% 42.9%
4歳 4 1 0 5 40.0% 50.0% 50.0%
5歳 0 2 6 17 0.0% 8.0% 32.0%
6歳 2 3 1 13 10.5% 26.3% 31.6%
7歳 3 1 0 19 13.0% 17.4% 17.4%
8歳 1 0 2 8 9.1% 9.1% 27.3%
9歳以上 0 1 0 13 0.0% 7.1% 7.1%

近4走の勝利歴や当レース実績がポイント

過去10回の3着以内馬30頭の戦歴を調べると、27頭に『4走以内にJRAオープン競走かダートグレード、南関東限定重賞で勝利』か、『前年のオーバルスプリントで3着以内』の実績があった。該当しないのは、2015年2着ルベーゼドランジェ(2走前に3勝クラスで1着)、18年1着ノブワイルド(前走浦和1400mのA2下を2秒5差で大差勝ち)、同年3着トーセンハルカゼ(浦和に移籍後、南関東重賞で2着2回)のみ。近4走の実績と前年の好走が馬券購入の目星をつけるには有効になる。ちなみに連覇を決めているレーザーバレットとノブワイルドが3年連続で3着以内。24年は23年2着のスマイルウィが勝利と、リピーターの活躍も目立つ。

勝つのはこういう馬!

5番人気以内に推された馬ならJRAだけでなく、南関東にも【3-4-4-2】とチャンスがある。戸崎圭太騎手が過去10回で6回騎乗し4勝(通算5勝)の好成績で、美浦の2勝はともに同騎手でのもの。前年の好走馬も侮れない。

(文・スポーツ報知・浅子祐貴)

過去20年の所属別成績

  • 1着

  • 2着

  • 3着

【注記】ダートグレード競走に格付けされた2013年からのデータとなります。

注記

当ページの情報は、NARが特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。