データ分析 Data Analysis

夏の牝馬マイル重賞

ダート競走の体系整備により時期や条件が変更となった牝馬ダートグレードがあるなか、当レースは従来通りの実施。昨年は2月末~3月上旬から5月に時期変更となったエンプレス杯JpnIIを経由してきたアーテルアストレア(JRA)が勝利した。ここでは2015~24年の過去10回の結果から傾向を見ていく。

美浦の安定感光るも南関東にも注意

[表1]からJRAの成績が良いことが分かる。勝利数では栗東が優勢だが、美浦は延べ11頭と出走数が少ない中でも3勝を挙げ、3着内率63.6%は優秀だと言える。昨年は美浦から4年ぶりの出走だったヴィブラフォンが4番人気で3着ときっちり馬券圏内に入った。とはいえ、南関東の奮闘も侮れずJRAの3着以内独占は2015、18年の2回のみ。南関東で連対を果たした5頭はすべてダートグレードで馬券圏内という実績を持っていた。

[表1]所属別成績(過去10回)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
JRA栗東 6 5 3 14 21.4% 39.3% 50.0%
JRA美浦 3 1 3 4 27.3% 36.4% 63.6%
南関東 1 4 4 50 1.7% 8.5% 15.3%
上記以外 0 0 0 13 0.0% 0.0% 0.0%

上位人気が堅実

単勝1番人気が【5-2-1-2】と好成績を収めている。勝利は4番人気までしかなく、安定感という点では2・3番人気も上々。ちなみに1番人気が連対を外した3回も2015年(2→3番人気)、17年(2→4番人気)、21年(2→3番人気)と上位人気同士の決着となった。6番人気以下の伏兵は2・3着が各2回と4頭しか馬券圏内に入れておらず、基本的には堅めの決着となっている。[表2]

[表2]単勝人気別成績(過去10回)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
1番人気 5 2 1 2 50.0% 70.0% 80.0%
2番人気 3 1 1 5 30.0% 40.0% 50.0%
3番人気 1 3 3 3 10.0% 40.0% 70.0%
4番人気 1 2 2 5 10.0% 30.0% 50.0%
5番人気 0 0 1 9 0.0% 0.0% 10.0%
6番人気以下 0 2 2 57 0.0% 3.3% 6.6%

1着はほぼ逃げ・先行馬

コーナーがきついのが川崎競馬場の特徴で、位置取りが大きなポイントになる。1コーナーと3コーナーの位置取り別の着順を調べたのが[表3-1]と[表3-2]。勝ち馬は2024年のアーテルアストレア(JRA)だけが5番手以下(1・3コーナーとも11番手)だった。勝ち馬と比べ2着には差しの台頭もあるが、基本的には前が有利な傾向が出ている。連対圏には逃げ・先行馬を積極的に狙いたい。

[表3-1]1コーナーの位置取り別成績(過去10回)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
1番手 1 3 2 4 10.0% 40.0% 60.0%
2~4番手 8 4 4 16 25.0% 37.5% 50.0%
5番手以下 1 3 4 61 1.4% 5.8% 11.6%

[表3-2]3コーナーの位置取り別成績(過去10回)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
1番手 3 2 2 4 27.3% 45.5% 63.6%
2~4番手 6 5 5 14 20.0% 36.7% 53.3%
5番手以下 1 3 3 63 1.4% 5.7% 10.0%

勝ち馬はステップと実績に注目

昨年は参戦がなかったが、前走がJpnIのかしわ記念、さきたま杯だった馬が【4-1-1-2】と有力。前走がオープンの天王山ステークスか栗東ステークスだった馬も【2-3-1-1】の好成績(前走がその他のJRAオープンだった馬は【1-1-0-5】)。また、勝ち馬10頭のうち延べ9頭には1年以内にダートグレードで1着か、JpnIで3着以内の実績があった。例外は23年レディバグ(JRA)となるが、前年の当レースでクビ差2着と舞台適性の高さを示していた。

勝つのはこういう馬!

上位人気に推されたJRA馬が有力。前走JpnI組がいればまず注目だが、ダート競走の体系整備が行われた2024年は、5月に移ったエンプレス杯JpnIIから参戦したアーテルアストレア(JRA)が勝った。脚質からは逃げ・先行。

(文・スポーツ報知・浅子祐貴)

過去20年の所属別成績

  • 1着

  • 2着

  • 3着

注記

当ページの情報は、NARが特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。