レースの見どころ
南関東牝馬三冠路線の締めくくりであり、グランダムジャパン3歳シーズンの最終戦の位置づけ。JRA勢も参戦するため南関東牝馬三冠は至難の業だが、2006年チャームアスリープが達成している。牝馬には過酷な2100mで争われ、力で勝るJRA勢が12連勝中だが近年は地方勢も2、3着の割合が増え、能力差は以前に比べ縮まっている印象。これもひとえにグランダムジャパンシリーズの定着がダート界の底上げにつながっているのだろう。
新馬戦は距離不足で2着だったが、未勝利、1勝クラスの2連勝は相当の能力・スケールを感じる。特にルメール騎手とのコンビ結成の前々走、未勝利1800mでのパフォーマンスは同日の2勝クラスよりも1秒5上回る時計での7馬身差V。前走1勝クラスも4コーナーでの不利を考えると着差以上の強さ。トレンドとなっているナダル産駒で母父マンハッタンカフェなら距離延長も望むところだろう。最内枠の試練もロスなく立ち回れると腹をくくって最高のパフォーマンスに期待したい。
東京2歳優駿牝馬、ユングフラウ賞、桜花賞と重賞3連勝の実力。前走、激流の東京プリンセス賞では二冠とならず5着敗退も、大バテせずに抵抗したあたりは能力の高さを感じる。今回は小回りコースでペースが落ち着くであろう組み合わせ、強力なJRA馬相手でも反発できるだけの力はある。気になる点は川崎コースでは過去10着、3着でひと息な点とやはり2100mへの距離延長。外めの枠を引いた分、いかに前半をロスなく進めるかが焦点になる。
距離を延ばしてパフォーマンスを上げている印象が強い。初コース・初左回りになるが、母リバティーベルも川崎に在籍していたし、きょうだい馬も多数川崎コースで結果を残してきた一族で問題なさそう。前走の東京プリンセス賞は流れが向いたのは確かだが、自ら動いていっての栄冠だから価値がある。ナイトオブファイアを追いかけた3走前からも牝馬同士ならダートグレード通用の地力は秘めている。直前は軽めの追い切りで物足りなさは感じるが、連勝中の勢いは無視できない。
ツキノアカリは初勝利までに5戦を要したが、ダートに戻った1勝クラスの前走で見事な差し切り。鞍上含め一発の可能性は高い。相手が上がってパンチ不足は否めないリコーテリアだが、近2戦も相手なり走れてまとめた点は評価したい。馬券での妙味は十分。名古屋からの遠征となるコパノエミリアは豊富な遠征経験に加え重賞2勝と実力も備えている。グランダムジャパンシリーズの優勝狙いで本気度が違う。ズブさを感じるレース内容でも地方ダートで躍動しそうなクリノスワロー。追える坂井瑠星騎手で不気味な存在。
提供 日刊競馬 鈴木 宏哉
注記
当ページの情報は、6月17日(火)17時現在のものです。
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