ゴールデンウィークのマイル頂上決戦
当レースを3勝を挙げたエスポワールシチー(2009・10、12年)とコパノリッキー(14、16・17年)。18・19年に連覇を達成したゴールドドリームなど、その時代を牽引したダート馬が勝ち馬として名を連ねる。21年は、同年1月の川崎記念JpnIを制していたカジノフォンテン(船橋)が好位から押し切り、11年フリオーソ(船橋)以来となる地方馬による勝利を飾った。フェブラリーステークスGIに続くダートマイル王決定戦。ここでは過去10回の結果を分析して傾向を探っていく。
JRAが9勝を含む18連対。馬券圏内に至っては延べ30頭のうち27頭がJRAとなっており、地方馬にとっては、厳しい結果となっている。つまり、JRAの取捨選択が的中への近道となるわけだが、馬券に絡んだ馬は全てが栗東所属。美浦所属は8頭が参戦しているが、ノンコノユメ、ルヴァンスレーヴ、カフェファラオといったGI馬でさえも、ここでは結果を残すことができなかった。また、南関東所属で馬券絡みした3頭を見てみると、2頭にはJpnIで勝利歴。2016年2着のソルテ(大井)は、南関東重賞6連勝中と勢いに乗っての参戦だった。地方馬はJRA勢を打ち破った実績や、近走で圧倒的なパフォーマンスを残しているような馬でないと狙いづらい。[表1]
1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 | |
JRA栗東 | 9 | 9 | 9 | 22 | 18.4% | 36.7% | 55.1% |
JRA美浦 | 0 | 0 | 0 | 8 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
南関東 | 1 | 1 | 1 | 28 | 3.2% | 6.5% | 9.7% |
地方他地区 | 0 | 0 | 0 | 21 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
大きな特徴として挙げられるのは“1番人気の不振”。2010年エスポワールシチーを最後に勝利はなく、過去10回で2着2回、3着3回に留まる。対して好調なのが2番人気で、7勝を積み上げている。1番人気の低調に波及するように、3連単も波乱傾向が強い。万馬券が6回も飛び出しており、20年は7頭立ての少頭数にもかかわらず6→5→3番人気の決着で、3連単は4万9320円となった。所属の項目で述べたようにJRAがしっかりと成績を残しているわりには、高配当が期待できる珍しいレースになっている。[表2]
1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 | |
1番人気 | 0 | 2 | 3 | 5 | 0.0% | 20.0% | 50.0% |
2番人気 | 7 | 0 | 0 | 3 | 70.0% | 70.0% | 70.0% |
3番人気 | 1 | 0 | 3 | 6 | 10.0% | 10.0% | 40.0% |
4番人気 | 1 | 1 | 1 | 7 | 10.0% | 20.0% | 30.0% |
5番人気 | 0 | 4 | 2 | 4 | 0.0% | 40.0% | 60.0% |
6番人気以下 | 1 | 3 | 1 | 54 | 1.7% | 6.8% | 8.5% |
勝ち馬の前走を調べると8頭がフェブラリーステークスGIで、連対率や3着内率でも、その他のレースを大きく上回っていることが分かる。また、前走フェブラリーステークスGIに出走していた栗東所属馬に限定してみると【8-4-7-11】。馬券に絡めなかった馬よりも連対した馬の方が多く、信頼度はさらにアップする。フェブラリーステークスGI以外のレースから馬券圏内に好走した延べ10頭のうち前走連対馬が8頭。例外はマーチステークスGIII・11着から参戦した18年2着オールブラッシュと、ゴドルフィンマイルGII・4着からの帰国初戦だった22年2着ソリストサンダーだけだった。[表3]
1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 | |
前走フェブラリーS | 8 | 4 | 8 | 18 | 21.1% | 31.6% | 52.6% |
前走その他のレース | 2 | 6 | 2 | 61 | 2.8% | 11.3% | 14.1% |
前走フェブラリーステークスGIから参戦してきた馬の好走が顕著なだけに、同レースでの着順に着目してみたい。掲示板内だった場合、掲示板外だった場合とも4勝ずつ。連対率や3着内率では、掲示板内の馬が若干優位だが、掲示板外だった馬も勝率では大健闘を見せている。掲示板外から勝利を手にした4頭のうち2頭(17年コパノリッキー、20年ワイドファラオ)は10着以下からの一変だった。また、同年のフェブラリーステークスGIを勝った馬が出走してきた場合は【1-1-0-4】。同じ1600mとはいえ敗れるケースが多く、安易に飛びつくのは危険。舞台が違うだけに、リンクしない部分が多いことは覚えておきたい。[表4]
1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 | |
前走フェブラリーSで1〜5着 | 4 | 3 | 4 | 7 | 22.2% | 38.9% | 61.1% |
前走フェブラリーSで6着以下 | 4 | 1 | 4 | 11 | 20.0% | 25.0% | 45.0% |
3着内に27頭を送り出すJRA栗東の信頼度が圧倒的に高い。ただし、1番人気や同年のフェブラリーステークスGIを制した馬に関しては、評価を下げることを一考してもいい。2番人気に推された馬が7勝と好成績なのも頭に入れておきたい。また前走はフェブラリーステークスGIがベターだが、着順はそこまで気にする必要がなく、2桁着順からの一変も十分にあり得る。
(文・スポーツ報知・浅子祐貴)
1着
2着
3着
注記
当ページの情報は、NARが特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。