データ分析 Data Analysis

今年から1400mに距離短縮

かつて“アラブのメッカ”と称えられた園田・姫路競馬でサラブレッドが導入されたのは1999年。その翌年に始まったのがこの兵庫チャンピオンシップで、第1回をミツアキサイレンス(笠松)、第2回をロードバクシン(兵庫)が制した。以降はJRAが22年連続で優勝しているが、ダート体系の整備に伴い、今年から距離が1870mから1400mとなり、地方馬の優勝が期待される。ここでは2014~23年の過去10回から傾向を見ていく。

地方馬の3着以内は1回のみ

過去10回すべてでJRA馬が優勝。内訳は、栗東が7勝、美浦が3勝だ。勝率・連対率・3着内率すべてにおいて栗東の数字がいいが、美浦も15頭の出走と頭数は多くない中でも勝率は互角。一方、地方所属で3着以内に入ったのは1頭のみで、2019年バンローズキングス(兵庫)。[表1]

[表1]所属別成績(過去10回)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
JRA栗東 7 9 5 13 20.6% 47.1% 61.8%
JRA美浦 3 1 4 7 20.0% 26.7% 53.3%
兵庫 0 0 1 51 0.0% 0.0% 1.9%
上記以外 0 0 0 18 0.0% 0.0% 0.0%

半数が3連単2000円未満での堅い決着

勝ち馬は単勝3番人気以内から出ており、上位人気馬の信頼度は高い。特に1・2番人気の3着内率は90.0%に上る。最も人気薄での入着は、2019年3着バンローズキングス(兵庫)で7番人気だった。3連単は例年、堅い配当となりやすく、2000円未満が半数の5回。対して、万馬券となったのは前述のバンローズキングスが人気薄で3着に入った19年と、1番人気リゾネーターが4着に敗れた17年の2回のみで、ともに2万円後半の配当だった。[表2]

[表2]単勝人気別成績(過去10回)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
1番人気 5 2 1 2 50.0% 70.0% 80.0%
2番人気 3 5 2 0 30.0% 80.0% 100.0%
3番人気 2 1 2 5 20.0% 30.0% 50.0%
4番人気 0 1 2 7 0.0% 10.0% 30.0%
5番人気 0 1 1 8 0.0% 10.0% 20.0%
6番人気以下 0 0 2 67 0.0% 0.0% 2.9%

DGでは中団より前の位置取り

今年から距離が変わるため、脚質別成績は同距離で行われる2歳重賞・兵庫ジュニアグランプリJpnIIの過去10回のデータを見てみる。1周1051mは日本で最も距離が短い小回りコースで、直線もゴールまで213mとあって、やはり逃げ・先行が有利。『園田1400m』という条件では追込による勝利もあるが、ダートグレードの兵庫ジュニアグランプリJpnIIとなると、連対まで範囲を広げても0%だ。[表3]

[表3]兵庫ジュニアグランプリJpnIIの脚質別成績(2014~23年の過去10回)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
逃げ 4 2 1 11 22.2% 33.3% 38.9%
先行 4 7 4 16 12.9% 35.5% 48.4%
差し 2 1 4 33 5.0% 7.5% 17.5%
追込 0 0 1 28 0.0% 0.0% 3.4%

8~10番が好成績

『園田1400m』の馬番別成績(2021~23年)では勝率がいいのが8~10番で11%超。3着内率もこの3つの馬番は32%前後と高い値だ。対して、最も勝率が低いのは11番の9.1%で、3着内率(26.0%)でも同様。4コーナーの引き込み線からスタートし、直線をいっぱいに使って先行争いができるコースで、外目の枠を引けば希望する位置を取りやすい。ただ大外すぎると距離ロスなども生じるがゆえ、極端な差ではないが、このような数値に表れているのかもしれない。[表4]

[表4]園田1400mの馬番別成績(2021~23年)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
1番 310 315 322 2399 9.3% 18.7% 28.3%
2番 338 328 362 2323 10.1% 19.9% 30.7%
3番 326 335 341 2342 9.7% 19.8% 30.0%
4番 315 334 356 2343 9.4% 19.4% 30.0%
5番 321 330 355 2338 9.6% 19.5% 30.1%
6番 322 342 339 2314 9.7% 20.0% 30.2%
7番 326 329 313 2298 10.0% 20.1% 29.6%
8番 357 331 310 2154 11.3% 21.8% 31.7%
9番 330 311 301 1995 11.2% 21.8% 32.1%
10番 293 279 245 1739 11.5% 22.4% 32.0%
11番 69 70 59 563 9.1% 18.3% 26.0%
12番 63 63 62 432 10.2% 20.3% 30.3%

勝つのはこういう馬!

過去の傾向からはJRA所属馬。ただし、今年は地方馬活躍の可能性もある。というのも、ダートグレードでの地方馬の優勝は1600mを境に短距離の方が2倍近い頭数(2014~23年)。1400mに短縮される今年は、例年に比べると地方馬に可能性がある。とはいえ、人気上位で決着しやすい一戦で、逃げ・先行馬有利のため、JRAが圧倒的優勢なデータには変わりないだろう。

(文・大恵陽子)

過去20年の所属別成績

  • 1着

  • 2着

  • 3着

注記

当ページの情報は、NARが特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。