今年はJBCレディスクラシックと同舞台
牝馬限定のダートグレードで、夏に門別でブリーダーズゴールドカップJpnIIIを戦った組と、川崎・スパーキングレディーカップJpnIIIの後、一旦休養に入ってからここを目指す組とに分かれ、11月に行われるJBCレディスクラシックJpnIに向けて重要な一戦となる。2020年の当レースで重賞初制覇を果たしたマルシュロレーヌは翌年のブリーダーズカップディスタフGIを制するなど世界へ羽ばたいた。ここでは13~22年の過去10回から傾向を見ていく。
前身は地方全国交流のTCKディスタフ。2011年からJRAとの交流戦となったが、すべてJRA馬が優勝と、圧倒的なデータ。これまで地方馬で最も勝利に近づいたのは18年アタマ差で2着だったブランシェクール(大井)。また、同着ながら16年トーコーヴィーナス(兵庫)も2着だった。前者はJRA現2勝クラス勝ちの実績があり、後者の母はJRA桜花賞GI・3着ホーネットピアス。セレクトセール1歳市場で3150万円で取引され、当時の地方馬、特に南関東以外のデビュー馬としてはかなりの高額馬だった。[表1]
1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 | |
JRA | 10 | 9 | 8 | 23 | 20.0% | 38.0% | 54.0% |
南関東 | 0 | 1 | 0 | 52 | 0.0% | 1.9% | 1.9% |
その他 | 0 | 1 | 1 | 26 | 0.0% | 3.6% | 7.1% |
注記:※16年は2着同着
勝ち馬はすべて単勝4番人気以内から出ているように、人気が非常に信頼できる。3着以内が4番人気以内の馬で占められた年は過去10回中6回と過半数。基本的に堅い決着になるレースと見ていいだろう。波乱となったのは単勝ブービー人気の13番人気でアルティマウェポン(北海道)が3着に入った2018年で3連単は実に143万1700円だった。[表2]
1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 | |
1番人気 | 4 | 3 | 1 | 2 | 40.0% | 70.0% | 80.0% |
2番人気 | 3 | 2 | 2 | 3 | 30.0% | 50.0% | 70.0% |
3番人気 | 2 | 2 | 1 | 5 | 20.0% | 40.0% | 50.0% |
4番人気 | 1 | 1 | 3 | 5 | 10.0% | 20.0% | 50.0% |
5番人気 | 0 | 0 | 1 | 9 | 0.0% | 0.0% | 10.0% |
6番人気以下 | 0 | 3 | 1 | 77 | 0.0% | 3.7% | 4.9% |
注記:※16年は2着同着
大井外回りコースの1800メートル戦で、脚質別に見ると差し馬が3勝、2着3回と386メートルという地方競馬としては長い直線を生かした馬の活躍も見られる。逃げ馬が1勝のみで勝率が低いのはこの長い直線も一因としてあるだろう。理想としては好位で運べる先行勢か。[表3]
脚質 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
逃げ | 1 | 3 | 2 | 12 | 5.6% | 22.2% | 33.3% |
先行 | 6 | 4 | 5 | 17 | 18.8% | 31.3% | 46.9% |
差し | 3 | 3 | 0 | 46 | 5.8% | 11.5% | 11.5% |
追込 | 0 | 1 | 2 | 26 | 0.0% | 3.4% | 10.3% |
注記:※16年は2着同着
好相性の前走は8月のブリーダーズゴールドカップJpnIIIと、7月のスパーキングレディーカップJpnIII。前者は延べ23頭が出走し、5勝、2着4回、3着3回、後者は延べ17頭が出走し、1勝、2着5回、3着3回。勝率ではブリーダーズゴールドカップJpnIIIが優位だが、連対率、3着内率ではほぼ互角となっている。[表4]
1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 | |
ブリーダーズゴールドC | 5 | 4 | 3 | 11 | 21.7% | 39.1% | 52.2% |
スパーキングレディーC | 1 | 5 | 3 | 8 | 5.9% | 35.3% | 52.9% |
その他のレース | 4 | 2 | 3 | 105 | 3.5% | 5.3% | 7.9% |
注記:※16年は2着同着
前提としてJRA馬であること。前走がブリーダーズゴールドカップJpnIIIなら尚良し。当レースと同じく右回りで直線が長い門別で実施されており、2022年は2着プリティーチャンスが勝利を収めた。同馬は左回りでは進みが鈍る面を見せており、右回りだからこそ勝つことができたとも言える。
(文・大恵陽子)
1着
2着
3着
【注記】ダートグレード競走に格付けされた2013年からのデータとなります。2016年は2着同着。
注記
当ページの情報は、NARが特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。