データ分析 Data Analysis

真夏に行われるスピード比べ

2016年にJRAのダノンレジェンドが60㎏の負担重量で勝利をおさめた一方で、18年は52㎏で臨んだ牝馬オウケンビリーヴが勝利。過去のグレードレースでの勝利実績による別定重量戦で、最近6年はGIII/JpnIIIを1勝したか、勝っていない馬が勝利を挙げている。上位人気馬が好走する傾向があるのも特徴のひとつ。その重賞の傾向を、13~22年の過去10回の結果をもとにみていくことにしたい。

上位人気馬が中心

過去10回の勝ち馬はすべて単勝4番人気以内。5番人気が2着に2頭、3着にも1頭入っているが、基本的には上位人気が3着以内を独占することが多い。例外は2015年に6番人気で3着のラブバレット(岩手)。ただ、1~4番人気の3着内率は60.0%または70.0%と、あまり差がないという点が興味深い。【表1】

[表1]単勝人気別成績(過去10回)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
1番人気 4 1 2 3 40.0% 50.0% 70.0%
2番人気 2 2 2 4 20.0% 40.0% 60.0%
3番人気 2 4 1 3 20.0% 60.0% 70.0%
4番人気 2 1 3 4 20.0% 30.0% 60.0%
5番人気 0 2 1 7 0.0% 20.0% 30.0%
6番人気以下 0 0 1 87 0.0% 0.0% 1.1%

JRAの54kgに55kgも好成績

冒頭に記したとおり、60㎏を背負って勝利した馬がいれば、52㎏で勝った牝馬も2頭。ハンデ戦ではなく、グレードレースでの実績で負担重量が決まるだけに、重賞タイトルを獲得したことがないJRA所属馬が有利になりがちだ。その条件にあてはまる54㎏(多くがグレードレースを勝ったことがない4歳以上の牡馬)は、該当する地方馬が多いために勝率・連対率・3着内率ともいまひとつだが、2勝、2着6回、3着4回と好成績。そして55㎏も好成績を残している。【表2】

[表2]負担重量別成績(過去10回)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
51kg以下 0 0 0 3 0.0% 0.0% 0.0%
52㎏ 2 1 0 16 10.5% 15.8% 15.8%
53㎏ 1 0 0 2 33.3% 33.3% 33.3%
54㎏ 2 6 4 72 2.4% 9.5% 14.3%
55㎏ 3 2 3 10 16.7% 27.8% 44.4%
56㎏ 1 0 1 3 20.0% 20.0% 40.0%
57㎏以上 1 1 2 2 16.7% 33.3% 66.7%

JRA馬が中心

過去10回で2013年ラブミーチャン(笠松)、17年ブルドッグボス(浦和)と2頭の地方馬が勝利。しかし基本的にはJRA馬が中心だ。なかでもJRAの関西所属が好成績を残していたが、21年と22年は関東所属が勝利を挙げた。ちなみに岩手所属で3着以内に入った4回は、いずれもラブバレットによるもの(15~18年)。【表3】

[表3]所属別成績(過去10回)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
JRA関西 6 7 6 18 16.2% 35.1% 51.4%
JRA関東 2 1 0 7 20.0% 30.0% 30.0%
南関東 1 0 1 7 11.1% 11.1% 22.2%
岩手 0 1 3 44 0.0% 2.1% 8.3%
上記以外 1 1 0 32 2.9% 5.9% 5.9%

5歳と6歳が中心

かつては7歳または8歳が勝利することもあったが、2008年以降の勝ち馬はすべて4歳から6歳の範囲。そのうち4歳の勝利は2014年サマリーズだけで、5歳か6歳が有力と考えていいだろう。ただし22年は7歳リュウノユキナが2着に入り、20年は8歳ブルドッグボス(浦和)が3着。JRAや南関東から遠征してくる7歳以上の馬については押さえておく手もあるだろう。【表4】

[表4]年齢別成績(過去10回)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
3歳 0 0 0 3 0.0% 0.0% 0.0%
4歳 1 3 3 8 6.7% 26.7% 46.7%
5歳 5 2 2 17 19.2% 26.9% 34.6%
6歳 4 3 2 13 18.2% 31.8% 40.9%
7歳 0 2 1 24 0.0% 7.4% 11.1%
8歳以上 0 0 2 43 0.0% 0.0% 4.4%

万馬券は1度もなし

過去10回の馬連複と3連単の配当をチェックしてみると、すべて3ケタまたは4ケタ配当。3連単は5000~9000円の範囲が6回となっている点は、予想をする際に参考になるデータかもしれない。馬連複はもっとも高配当となったのが、2021年の1540円。基本的に人気サイドの組み合わせになることが多い重賞といえる。【表5】

[表5]の馬連複と3連単の配当一覧(過去10回)

年度 馬連複(円) 人気 3連単(円) 人気
2013 990 6 5,330 24
2014 1,100 6 8,620 42
2015 310 1 3,920 14
2016 200 1 3,140 11
2017 1,040 6 8,940 32
2018 1,170 6 8,080 35
2019 510 3 1,880 4
2020 600 2 3,460 9
2021 1,540 7 6,180 26
2022 1,000 4 7,120 20
平均 846 5,667

勝つのはこういう馬!

単勝4番人気以内の5歳または6歳。そして負担重量は54㎏または55㎏の馬を選びたい。2年連続でJRAの関東馬が勝利を挙げているが、過去10回で6勝を挙げている関西馬のほうがデータ的には上位だ。

(文・浅野靖典)

過去20年の所属別成績

  • 1着

  • 2着

  • 3着

注記

当ページの情報は、NARが特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。