3歳ダート王者決定戦
新たに創設される3歳ダート三冠競走に伴い、来年からは10月上旬に実施時期が移動になり、競走名も変更。近年ではファンの度肝を抜く逃走劇を演じた2021年のキャッスルトップ(船橋)が印象に残るが、07年の覇者フリオーソ(船橋)は、当レースでジーワン2勝目を掴み、長きに渡って地方競馬を牽引する存在へと成長していった。JRAと地方の3歳馬による頂上決戦に加えて、今年は最後のジャパンダートダービー馬となるだけに必見。ここでは13~22年の過去10回の結果から傾向を分析する。
JRAが8勝を含む17連対。3着以内は実に25頭にも及び、数字だけを見れば圧倒的優位に見えるが、JRAによる馬券圏独占は5回に留まる。2017年は東京ダービー馬ヒガシウィルウィン(大井)、21年には大波乱を演出する逃げ切りを決めたキャッスルトップが勝利を収めており、地方馬が健闘する年も多い。ただし、地方馬2頭が3着以内に好走したケースは0回。JRAの独占か、JRA2頭+地方馬1頭の組み合わせが狙いになる。[表1]
1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 | |
JRA | 8 | 9 | 8 | 41 | 12.1% | 25.8% | 37.9% |
船橋 | 2 | 0 | 1 | 19 | 9.1% | 9.1% | 13.6% |
大井 | 0 | 1 | 0 | 19 | 0.0% | 5.0% | 5.0% |
浦和 | 0 | 0 | 1 | 3 | 0.0% | 0.0% | 25.0% |
川崎 | 0 | 0 | 0 | 2 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
地方他地区 | 0 | 0 | 0 | 22 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
1~4番人気のワンツー決着が7回。基本的には人気サイドの決着が多いが、2020年は断然の1番人気だったカフェファラオをはじめ上位人気馬がほぼ総崩れで3連単は77万円超の高配当。21年は船橋所属のキャッスルトップがブービー人気ながらも大金星と、近年はその傾向に変化が出てきている。ちなみに6番人気以下で3着以内に好走した5頭のうち3頭は6番人気だった。今年は順当な決着に落ち着くのか、それとも大波乱の決着となるのか。[表2]
1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 | |
1番人気 | 3 | 2 | 2 | 3 | 30.0% | 50.0% | 70.0% |
2番人気 | 2 | 2 | 1 | 5 | 20.0% | 40.0% | 50.0% |
3番人気 | 0 | 2 | 2 | 6 | 0.0% | 20.0% | 40.0% |
4番人気 | 2 | 4 | 0 | 4 | 20.0% | 60.0% | 60.0% |
5番人気 | 1 | 0 | 2 | 7 | 10.0% | 10.0% | 30.0% |
6番人気以下 | 2 | 0 | 3 | 81 | 2.3% | 2.3% | 5.8% |
[表3]を見ると5~8枠が優勢なことが分かる。実力があってこの大舞台に辿り着いた優駿ばかりだが、そこはまだ3歳馬。包まれたりして自分のリズムで走れないことがあれば力を発揮できないケースがあることは頭に入れておきたい。ちなみに1枠と3枠で勝った3頭のうち、13年クリソライトと18年ルヴァンスレーヴは1番人気に支持される力があった。また、JRA所属で8枠を引いた馬は【1-4-1-3】と高確率で馬券圏に台頭。買い目からは外せない存在としてマークしておきたい。
1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 | |
1枠 | 1 | 0 | 0 | 10 | 9.1% | 9.1% | 9.1% |
2枠 | 0 | 0 | 0 | 11 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
3枠 | 2 | 0 | 3 | 9 | 14.3% | 14.3% | 35.7% |
4枠 | 0 | 1 | 1 | 18 | 0.0% | 5.0% | 10.0% |
5枠 | 1 | 4 | 2 | 13 | 5.0% | 25.0% | 35.0% |
6枠 | 2 | 1 | 1 | 16 | 10.0% | 15.0% | 20.0% |
7枠 | 2 | 0 | 1 | 17 | 10.0% | 10.0% | 15.0% |
8枠 | 2 | 4 | 2 | 12 | 10.0% | 30.0% | 40.0% |
前走着順別の成績が[表4]。前走1着馬が8勝を挙げて2、3着が6回ずつと、勢いが重視される結果が如実に表れている。前走2着馬は2020年で2着に入ったダイメイコリーダを除く4頭がいずれも重賞に出走(東京ダービーを含む)。前走3着馬は2頭ともユニコーンステークスGIIIからで、馬券圏外からの巻き返しは2020年の覇者ダノンファラオ以外はユニコーンステークスGIIIとUAEダービーGIIだった。大波乱となった20年は例外として、基本的には前走勝ち馬が勝利に最も近い。前走が重賞であれば敗れていたとしても浮上する可能性があると考えてみてもいい。
1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 | |
前走1着 | 8 | 6 | 6 | 37 | 14.0% | 24.6% | 35.1% |
前走2着 | 1 | 2 | 2 | 15 | 5.0% | 15.0% | 25.0% |
前走3着 | 0 | 1 | 1 | 10 | 0.0% | 8.3% | 16.7% |
前走4着以下 | 1 | 1 | 1 | 44 | 2.1% | 4.3% | 6.4% |
JRAを中心に考えるのがセオリーで、馬券圏内に入る確率が高い1、2、4番人気や、中~外枠に入った馬が狙い目。前走を勝って勢いに乗っている馬が勝利を手にする可能性が極めて高く、せめて重賞で連対はしておきたいところ。
(文・前田 恒)
1着
2着
3着
注記
当ページの情報は、NARが特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。