前走1勝クラス勝ち馬が飛躍期す
毎年、5月の大型連休に実施される3歳ダートグレード競走。歴代勝ち馬には国内最多のGI/JpnI・11勝を挙げたコパノリッキー、古馬になって帝王賞JpnIを制したケイティブレイブやクリソベリルなどビッグネームが名を連ねる。園田1870mで施行されてきたが、全日本的なダート競走の体系整備に伴い、2024年から1400mの短距離重賞として生まれ変わる。ここでは13~22年の過去10回から傾向を見ていく。
JRA馬が第3回から21年連続で勝利し、中でも過去10回中8回は関西馬が制している。JRA関東馬は2014年エキマエ、20年バーナードループの勝利がある一方、17年4着リゾネーターのように1番人気に推されながらも力を発揮しきれなかった例もある。なお、地方馬の優勝は第1回・00年のミツアキサイレンス(笠松)、01年のロードバクシン(兵庫)。過去10回で3着以内に入ったのは19年3着バンローズキングス(兵庫)のみ。地方馬は、基本的に他地区からの遠征馬は多くなく、16年までは高知からの遠征馬もいたが、近年は笠松からの遠征組と地元馬がほとんどとなっている。【表1】
1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 | |
JRA関西 | 8 | 9 | 5 | 12 | 23.5% | 50.0% | 64.7% |
JRA関東 | 2 | 1 | 4 | 8 | 13.3% | 20.0% | 46.7% |
兵庫 | 0 | 0 | 1 | 48 | 0.0% | 0.0% | 2.0% |
上記以外 | 0 | 0 | 0 | 20 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
人気決着の色が濃いレース。キャリアの浅い3歳馬ながら、過去10回すべてで勝ち馬は3番人気以内から出ている。3着以内まで範囲を広げると、4番人気が3着2回、5番人気は2、3着各1回、6番人気以下は3着2回で、最も人気薄での馬券絡みは前述の19年バンローズキングス(7番人気・3着)だった。【表2】
1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 | |
1番人気 | 5 | 2 | 1 | 2 | 50.0% | 70.0% | 80.0% |
2番人気 | 3 | 5 | 2 | 0 | 30.0% | 80.0% | 100.0% |
3番人気 | 2 | 2 | 2 | 4 | 20.0% | 40.0% | 60.0% |
4番人気 | 0 | 0 | 2 | 8 | 0.0% | 0.0% | 20.0% |
5番人気 | 0 | 1 | 1 | 8 | 0.0% | 10.0% | 20.0% |
6番人気以下 | 0 | 0 | 2 | 66 | 0.0% | 0.0% | 2.9% |
1周1051mの小回りコースに加え、ゴールまでの直線は213mという短さと、3~4コーナーはスパイラルカーブのためコーナーで加速しすぎると4コーナーで外に膨らんでしまう可能性を孕むコース形態から、有利なのは逃げ・先行。勝ち馬はすべて序盤から前めにつけており、中団からの差しでは2着まで。【表3】
1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 | |
逃げ | 4 | 5 | 2 | 7 | 22.2% | 50.0% | 61.1% |
先行 | 6 | 3 | 5 | 18 | 18.8% | 28.1% | 43.8% |
差し | 0 | 2 | 3 | 33 | 0.0% | 5.3% | 13.2% |
追込 | 0 | 0 | 0 | 30 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
過去10回で複数勝利を挙げるのはクリストフ・ルメール騎手と岩田康誠騎手で各2勝。岩田騎手は言わずもがな、当地でリーディングに輝いたのちJRAに移籍したジョッキーで、コース経験とセオリーは誰よりも豊富。ルメール騎手はダートグレード競走でしか騎乗はないが、兵庫ジュニアグランプリJpnIIでも2勝を挙げ、園田コースは4勝をマーク。また、14年エキマエで勝った戸崎圭太騎手は園田で計8勝、21年リプレーザで勝った幸英明騎手は園田で計9勝を挙げる。小回りコースで仕掛けどころなどJRA場とは異なる点が多いだけに、園田実績のある騎手はプラス材料だろう。
※集計期間:13年5月2日~22年5月4日(13年兵庫チャンピオンシップ~22年同レースの期間)
2013~16年の4回中3回は前走が伏竜ステークスだった馬が勝利したが、17年以降は前走1勝クラスの1着馬が6連勝中と好相性。うち5頭はダート1800mを4コーナー4番手以内の位置取りから勝ち上がっていた。例外の21年リプレーザは前走が芝1200mで4コーナー10番手からの追い込みだったが、鞍上は園田コースを熟知している幸英明騎手。しかもJRA関西所属馬と好走条件に当てはまっていた。
(文・大恵陽子)
1着
2着
3着
注記
当ページの情報は、NARが特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。