師走の最強馬決定戦
昨年、オメガパフュームが史上初の同一平地GI4連覇を果たした東京大賞典。2017年にはコパノリッキーが引退レースとなったここを勝ち、GI/JpnI最多の11勝目をマークして有終の美を飾った。強い馬が強いレースをする──そんな印象の強い一戦を、ここでは12~21年の過去10年の結果から傾向を分析する。
過去10年すべてでJRA所属馬が勝利と圧倒的な強さを見せる。うち4勝がオメガパフュームというのも大きな理由だろう。地方馬の勝利は05年アジュディミツオーまでさかのぼらなければならない。しかし、3着までに範囲を広げると、14年は浦和記念を勝って臨んだサミットストーンが3着。19年は2着ノンコノユメ、3着モジアナフレイバーの2頭が上位に入り、翌年はカジノフォンテンがクビ差2着まで迫った。[表1]
所属 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
JRA | 10 | 8 | 8 | 39 | 15.4% | 27.7% | 40.0% |
船橋 | 0 | 1 | 1 | 10 | 0.0% | 8.3% | 16.7% |
大井 | 0 | 1 | 1 | 41 | 0.0% | 2.3% | 4.7% |
その他地方 | 0 | 0 | 0 | 21 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
過去10年中9年で3番人気以内の馬が勝利。また、1~3番人気での決着は4回あった。唯一の5番人気での勝利は16年アポロケンタッキー。565kgのパワフルな馬体で迫力ある走りを見せた。なお、優勝馬は基本的に人気馬ではあるが、ヒモ荒れする年も珍しくなく、3連単万馬券は4回に上る。特に地方馬が3着以内に入った年は全て3連単万馬券となっている。[表2]
単勝人気 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
1番人気 | 4 | 3 | 2 | 1 | 40.0% | 70.0% | 90.0% |
2番人気 | 2 | 3 | 2 | 3 | 20.0% | 50.0% | 70.0% |
3番人気 | 3 | 2 | 2 | 3 | 30.0% | 50.0% | 70.0% |
4番人気 | 0 | 0 | 1 | 9 | 0.0% | 0.0% | 10.0% |
5番人気 | 1 | 1 | 0 | 8 | 10.0% | 20.0% | 20.0% |
6番人気以下 | 0 | 1 | 3 | 87 | 0.0% | 1.1% | 4.4% |
勝ち馬が多いのは4歳の4勝と5歳3勝。JRA・地方から好メンバーが揃うGIとあって、心身ともにフレッシュで充実する年代の馬が強さを見せる。一方で、芝に比べて息の長い活躍をする馬が多いのもダートレースの特徴。2、3着に入った延べ20頭中13頭が6歳以上の馬で、8歳以上でも3頭が3着に入っている。古豪の存在も忘れてはならないだろう。[表3]
年齢 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
3歳 | 1 | 1 | 0 | 13 | 6.7% | 13.3% | 13.3% |
4歳 | 4 | 2 | 2 | 21 | 13.8% | 20.7% | 27.6% |
5歳 | 3 | 1 | 1 | 17 | 13.6% | 18.2% | 22.7% |
6歳 | 1 | 2 | 4 | 25 | 3.1% | 9.4% | 21.9% |
7歳 | 1 | 4 | 0 | 18 | 4.3% | 21.7% | 21.7% |
8歳以上 | 0 | 0 | 3 | 17 | 0.0% | 0.0% | 15.0% |
過去10年中9年で5番~12番の真ん中枠の馬が勝利。外枠では17年にコパノリッキーが7枠13番から勝った。対して、内枠からは優勝馬が出ておらず、昨年は最内枠を引いたロードブレスが5着、一昨年は同じく1番のテーオーケインズが6着など、データ上からは内枠は積極的に狙いづらい結果となった。[表4]
馬番 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
1~4番 | 0 | 3 | 3 | 33 | 0.0% | 7.7% | 15.4% |
5~8番 | 6 | 2 | 3 | 29 | 15.0% | 20.0% | 27.5% |
9~12番 | 3 | 2 | 2 | 31 | 7.9% | 13.2% | 18.4% |
13~16番 | 1 | 3 | 2 | 18 | 4.2% | 16.7% | 25.0% |
まず狙うべきはJRA所属の4~5歳馬。リピーターの多いレースでもあり、アジュディミツオー、スマートファルコン、ホッコータルマエなどが連覇を、オメガパフュームは4連覇中だ。オメガパフュームは同舞台の帝王賞を19年に一度制したのみなのに対し、東京大賞典でここまで強さを発揮するのは、「発走時刻の差」と安田翔伍調教師。ナイターの帝王賞に対し、15時台に発走を迎える東京大賞典では競馬場到着後に馬房で過ごす時間が短いことがいい方に出ているようだ。 地方馬を狙うとすれば、勝島王冠組から。過去10年で3着以内に入った4頭中3頭が前走・勝島王冠で勝つか2着だった。
(大恵 陽子)
1着
2着
3着
注記
当ページの情報は、NARが特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。