地元北海道所属馬が好結果を残す
エーデルワイス賞では、地方馬とJRA馬の優勝回数が“14対10”と、地方勢がリード。そして現在は北海道所属馬が5年連続で勝利を挙げている。2歳牝馬による戦いということで、地元勢が“地の利”をいかせる部分が大きいのかもしれない。フルゲート16頭で今年も多頭数での激戦となることは必至。その傾向を、2012~21年の過去10年の結果からみていくことにしたい。
冒頭でも記したとおり、エーデルワイス賞は地方馬が優勢。2003年はエスワンスペクター(佐賀)、06年はパラダイスフラワー(岩手)が勝利を挙げたが、過去10年の優勝馬は北海道またはJRAとなっている。なかでも北海道所属馬は7勝、2、3着各7回という好成績。JRAでは関東馬が2勝を挙げているが、勝率・連対率・3着内率とも関西馬が上回っている。[表1]
1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 | |
北海道 | 7 | 7 | 7 | 91 | 6.3% | 12.5% | 18.8% |
JRA美浦 | 2 | 2 | 1 | 24 | 6.9% | 13.8% | 17.2% |
JRA栗東 | 1 | 1 | 2 | 7 | 9.1% | 18.2% | 36.4% |
岩手 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
キャリアが少ない2歳馬同士の戦いだけに、力量比較が難しい面があるのは確か。これまでの24回で6番人気以下の馬が6回も勝利を挙げている。ただ、過去10年では2019年のコーラルツッキー(北海道)が7番人気で制したのが唯一で、そのほかの9頭は1~5番人気となっている。ただ、10番人気以下でも2着2回、3着3回となっているだけに、今年も人気薄の台頭には警戒が必要だ。[表2]
1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 | |
1番人気 | 4 | 2 | 0 | 4 | 40.0% | 60.0% | 60.0% |
2番人気 | 2 | 1 | 1 | 6 | 20.0% | 30.0% | 40.0% |
3番人気 | 1 | 1 | 1 | 7 | 10.0% | 20.0% | 30.0% |
4番人気 | 1 | 2 | 1 | 6 | 10.0% | 30.0% | 40.0% |
5番人気 | 1 | 0 | 2 | 7 | 10.0% | 10.0% | 30.0% |
6~9番人気 | 1 | 2 | 2 | 35 | 2.5% | 7.5% | 12.5% |
10番人気以下 | 0 | 2 | 3 | 58 | 0.0% | 3.2% | 7.9% |
過去10年の成績を内から2番ずつチェックしてみると、9番より外の成績が圧倒的。とくに11~12番が2勝、2着3回、3着5回で、3着内率が50.0%となっているのが目立つ。2021年は14頭立てで、10→13→12番の順。19年に7番人気で制したコーラルツッキー(北海道)は、15頭立ての14番ゲートからスタートしていた。なお、“良馬場”にて行われたのは15年の1回だけで、そのときは3→12→4番と、内枠の馬が3着以内に2頭。13年も“晴・稍重”で5→3→16番の順で入ったが、16年以降の6年はすべて、3着以内に9~16番の馬が2頭以上入っている。[表3]
1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 | |
1~2番 | 0 | 2 | 0 | 18 | 0.0% | 10.0% | 10.0% |
3~4番 | 1 | 1 | 1 | 17 | 5.0% | 10.0% | 15.0% |
5~6番 | 1 | 0 | 1 | 18 | 5.0% | 5.0% | 10.0% |
7~8番 | 0 | 1 | 1 | 18 | 0.0% | 5.0% | 10.0% |
9~10番 | 3 | 1 | 0 | 16 | 15.0% | 20.0% | 20.0% |
11~12番 | 2 | 3 | 5 | 10 | 10.0% | 25.0% | 50.0% |
13~14番 | 2 | 1 | 0 | 17 | 10.0% | 15.0% | 15.0% |
15~16番 | 1 | 1 | 2 | 9 | 7.7% | 15.4% | 30.8% |
2016年以降、北海道の調教師リーディングはいずれも1位が田中淳司調教師で、2位は角川秀樹調教師。しかし、過去10年の当レースでは、田中調教師(1-0-1-16)に対し、角川調教師が(4-4-2-18)と圧倒。角川厩舎所属で馬券絡みした10頭中9頭は、阿部龍騎手か桑村真明騎手が騎乗していた。
今年も地元の北海道勢に要注目。なかでも注目に値するのが前項でも挙げた角川厩舎で、2008年に初勝利を挙げてから、これまでに6勝という数字を残している。21年は2頭を送り出しともに着外だったが、6番人気と10番人気。角川厩舎の所属馬が5番人気以内の支持を受けていた際には、より大きな注目が必要だ。さらに真ん中より外の馬番に入れば大きく加点。ちなみに最近10年に北海道所属で勝利した7頭はすべて、リリーカップに出走していた。
(浅野 靖典)
1着
2着
3着
注記
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