秋の大一番へ向け好メンバーが出走
創設から大井1200mの舞台で施行されている伝統の短距離戦(2002、03年はスタンド改修の影響で1190m)。優勝馬にはJBCスプリントへの優先出走権が与えられ、そのJBCスプリントでは過去8年連続で同年の東京盃で5着以内だった馬が優勝していることから、ダート短距離戦線の王者を目指す馬たちの出世レースとしても重要な一戦となっている。ここでは12年~21年まで過去10年のデータをもとに傾向を探る。
大井1200mは、外回りコースが使用される。1着馬は馬番1~8番の内枠から4頭、9~16番の外枠から6頭。12、15年は3着以内を二桁馬番の馬が占めていたように、かつては外枠の馬の活躍が目立ったが、近3年は枠番で8枠の馬が馬券にからんでおらず、また1~3番の馬が3着内に入っているように、近年は外枠より内枠のほうが好走傾向にある。[表1]
年 | 12年 | 13年 | 14年 | 15年 | 16年 | 17年 | 18年 | 19年 | 20年 | 21年 |
頭数 | 16頭 | 15頭 | 11頭 | 15頭 | 14頭 | 16頭 | 15頭 | 15頭 | 14頭 | 13頭 |
1着 | 15 | 14 | 5 | 15 | 14 | 9 | 4 | 2 | 3 | 10 |
2着 | 16 | 1 | 1 | 12 | 3 | 14 | 7 | 12 | 5 | 5 |
3着 | 11 | 13 | 4 | 10 | 7 | 6 | 14 | 11 | 7 | 1 |
※16年9番、20年9番は競走除外
1番人気馬の勝率は50%、3着内率も80%と高確率で馬券に絡んでいる。1~3番人気馬が1頭も絡まなかったことは一度もないが、6番人気以下の馬が過去10年中8回で3着内に好走しており、年によってはやや波乱になることもある。ただし6番人気以下といっても馬券にからんでいるのは6、7番人気だけで、あまり無理な人気薄は狙えない。[表2]
単勝人気 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
1番人気 | 5 | 1 | 2 | 2 | 50.0% | 60.0% | 80.0% |
2番人気 | 1 | 2 | 3 | 4 | 10.0% | 30.0% | 60.0% |
3番人気 | 0 | 3 | 1 | 6 | 0.0% | 30.0% | 40.0% |
4番人気 | 1 | 1 | 2 | 6 | 10.0% | 20.0% | 40.0% |
5番人気 | 0 | 0 | 0 | 10 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
6番人気以下 | 3 | 3 | 2 | 86 | 3.2% | 6.4% | 8.5% |
4歳~8歳以上の馬がそれぞれ2勝ずつ挙げており、各世代から幅広く活躍馬が出ている。連対率で見ると5歳、7歳の割合がやや高く、3着内率では5歳が40%近い数値を示しているとおり、5歳馬は過去10年で9回馬券にからんでいる。あえて中心にするなら5歳馬から。[表3]
年齢 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
3歳 | 0 | 0 | 0 | 7 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
4歳 | 2 | 0 | 1 | 20 | 8.7% | 8.7% | 13.0% |
5歳 | 2 | 3 | 4 | 14 | 8.7% | 21.7% | 39.1% |
6歳 | 2 | 1 | 3 | 22 | 7.1% | 10.7% | 21.4% |
7歳 | 2 | 4 | 0 | 24 | 6.7% | 20.0% | 20.0% |
8歳以上 | 2 | 2 | 2 | 27 | 6.1% | 12.1% | 18.2% |
優勝馬のうち7頭がJRA馬で、3着内全体で見ても30頭中23頭を占めている。一方で地方馬も3勝を挙げており、3着内には計7頭が絡んでいる。近年では17年、18年に連覇を果たしたキタサンミカヅキ(船橋)をはじめ、17年、19年、20年と3度2着に好走したブルドッグボス(浦和)など、南関東所属馬の好走も目立つ。なお、その他地方の1着は12年のラブミーチャン(笠松)。[表4]
所属 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
JRA | 7 | 7 | 9 | 27 | 14.0% | 28.0% | 46.0% |
船橋 | 2 | 0 | 0 | 19 | 9.5% | 9.5% | 9.5% |
浦和 | 0 | 3 | 0 | 8 | 0.0% | 27.3% | 27.3% |
川崎 | 0 | 0 | 1 | 4 | 0.0% | 0.0% | 20.0% |
大井 | 0 | 0 | 0 | 41 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
その他地方 | 1 | 0 | 0 | 15 | 6.3% | 6.3% | 6.3% |
スピードを競い合うスプリント戦ながら、逃げ切りはわずか2頭。13年のタイセイレジェンド(JRA)と19年のコパノキッキング(JRA)で、いずれも1番人気に支持されていた。圧倒的な1番人気の逃げ馬が出走する場合を除いて、差し、追い込み馬の台頭にも注意を払いたい。
上位人気のJRAの5歳馬が中心だが、あくまでも連軸としての狙い。近年はダート短距離路線で南関東の活躍が目立ち、南関東所属のグレード実績馬や中央オープンからの転入馬は馬券対象として考えておきたい。
(栗田 勇人)
1着
2着
3着
注記
当ページの情報は、NARが特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。