大舞台にも直結する高知唯一のダートグレード競走
過去の勝ち馬にはダート短距離の活躍馬が多く、2015、16年と連覇したダノンレジェンド(JRA)は、16年にJBCスプリントJpnIを制した。12年以降、2100万円に据え置かれていた1着賞金が2600万円にアップしたことで、よりハイレベルな戦いが予想される。ここでは過去10年のデータから傾向を分析していく。
JRAが9勝、2着10回、3着7回で、過去10年のうち7回で1~3着を独占している。馬券に絡んだ地方馬4頭は、18年1着エイシンヴァラーと15年3着タガノジンガロの兵庫か、18年3着ブルドッグボス(浦和)、21年3着モジアナフレイバー(大井)の南関東勢。モジアナフレイバーは大井デビューだが東京大賞典GI、マイルチャンピオンシップ南部杯JpnIで各3着があり、ほか3頭は元JRAオープン馬。好走にはJRA勢と渡り合える実績が必要だ。[表1]
所属 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
JRA | 9 | 10 | 7 | 23 | 18.4% | 38.8% | 53.1% |
兵庫 | 1 | 0 | 1 | 12 | 7.1% | 7.1% | 14.3% |
南関東 | 0 | 0 | 2 | 6 | 0.0% | 0.0% | 25.0% |
高知 | 0 | 0 | 0 | 33 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
その他地方 | 0 | 0 | 0 | 14 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
勝ち馬10頭中8頭は1~3番人気で、2番人気がもっとも多く4頭。なお、連対率、3着内率でも2番人気がそれぞれ70.0%、90.0%と安定感がある。3着内率で2番人気に次ぐのが60.0%の1、4番人気で、1~4番人気の3頭での決着は6回。18年に9番人気で勝ったエイシンヴァラー(兵庫)を除けば、馬券絡みは5番人気以内。その18年も2着1番人気、3着2番人気で、人気薄の激走は稀だ。[表2]
単勝人気 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
1番人気 | 3 | 3 | 0 | 4 | 30.0% | 60.0% | 60.0% |
2番人気 | 4 | 3 | 2 | 1 | 40.0% | 70.0% | 90.0% |
3番人気 | 1 | 3 | 1 | 5 | 10.0% | 40.0% | 50.0% |
4番人気 | 0 | 1 | 5 | 4 | 0.0% | 10.0% | 60.0% |
5番人気 | 1 | 0 | 2 | 7 | 10.0% | 10.0% | 30.0% |
6番人気以下 | 1 | 0 | 0 | 67 | 1.5% | 1.5% | 1.5% |
5歳が3勝、4、6、7歳が各2勝。連対率では5歳がトップで43.8%、4歳が30.0%で続く。なお、過去3年の連対馬はすべて4歳か5歳で近年の活躍が目立つ。ただし過去10年で3着はなし。8歳以上は1勝だが、3着内馬30頭中8頭が馬券に絡んでおり、ベテランの食い込みにも警戒したい。[表3]
年齢 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
4歳 | 2 | 1 | 0 | 7 | 20.0% | 30.0% | 30.0% |
5歳 | 3 | 4 | 0 | 9 | 18.8% | 43.8% | 43.8% |
6歳 | 2 | 1 | 3 | 16 | 9.1% | 13.6% | 27.3% |
7歳 | 2 | 2 | 2 | 19 | 8.0% | 16.0% | 24.0% |
8歳以上 | 1 | 2 | 5 | 37 | 2.2% | 6.7% | 17.8% |
フルゲートは12頭。3着以内の馬番は、内枠(1~4番)10頭、中枠(5~8番)11頭、外枠(9番以降)9頭で、ほとんど差はない。馬券絡みが多いのは5番(1勝、3着4回)、3番(2勝、2、3着各1回)、9番(1、2着各1回、3着2回)。5番の5番人気以内馬はすべて3着以内だが、3番は1番人気4頭のうち2頭が4着以下というのはやや気になるところか。[表4]
年 | 12年 | 13年 | 14年 | 15年 | 16年 | 17年 | 18年 | 19年 | 20年 | 21年 |
頭数 | 12頭 | 12頭 | 12頭 | 12頭 | 12頭 | 12頭 | 11頭 | 11頭 | 12頭 | 12頭 |
1着 | 9 | 3 | 5 | 4 | 6 | 12 | 1 | 3 | 4 | 11 |
2着 | 11 | 10 | 7 | 3 | 12 | 9 | 8 | 1 | 2 | 7 |
3着 | 5 | 9 | 3 | 9 | 2 | 6 | 5 | 5 | 5 | 8 |
注記:19年12番は出走取消
グレード別定重量で、56kgが4勝、2着6回、3着4回と3着以内馬の頭数では最多。しかし、勝率、連対率、3着内率のいずれも、57kg(GIII/JpnIII競走1着馬)、58kg(GII/JpnII競走1着馬)が上回る。特に58kgは4勝、3着1回の勝率44.4%で、実績馬は重量を背負っていても強い。ただし、59kg(GI/JpnI競走1着馬)での3着以内は15年2着ドリームバレンチノ(JRA)のみと狙いにくい。[表5]
年齢 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
54kg | 0 | 1 | 0 | 7 | 0.0% | 12.5% | 12.5% |
56kg | 4 | 6 | 4 | 57 | 5.6% | 14.1% | 19.7% |
57kg | 2 | 2 | 5 | 14 | 8.7% | 17.4% | 39.1% |
58kg | 4 | 0 | 1 | 4 | 44.4% | 44.4% | 55.6% |
59kg | 0 | 1 | 0 | 6 | 0.0% | 14.3% | 14.3% |
若馬が活躍している近年を踏まえると『JRA所属の4、5歳馬』に注目できる。5歳以下で負担重量57kg以上での参戦は少ないため、56kgでも問題ない。4歳がいない場合は、リピーターが活躍する傾向から『前年の黒船賞で3着以内だった馬』を狙いたい。『前走オープン(ダートグレード)で負けていた馬』が4年連続で勝利。21年は前走根岸ステークスGIII・13着のテイエムサウスダン(JRA)が勝ち、バレンタインステークス1着のスリーグランド(JRA)が1番人気で2着に敗れた。また、『岩田康誠騎手』が過去10年のうち19年を除く9回で騎乗し4勝(2着2回、3着1回)と好相性を見せている。
(栗田 勇人)
1着
2着
3着
【注記】2008年は施行なし、11年は競走取り止め。
注記
当ページの情報は、NARが特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。