前走最下位からの一変で重賞初制覇
断然人気のクイーンマンボは2着

　牝馬限定戦になって4回目。今年も地方他地区からの出走はなく、2年連続でJRA対ホッカイドウ競馬所属馬の戦いになった。そのなかで圧倒的な支持を集めたのはクイーンマンボ。古馬とは初対戦となる3歳馬は今回が2カ月ぶりの実戦ゆえ、通常ならば試金石の一戦になるところだろう。
　しかし前走の関東オークスJpnⅡで4馬身差の2着に退けたアンジュデジールが、続くスパーキングレディ―カップJpnⅢで古馬を撃破して優勝。また今回はJRAから出走する5頭のうち2頭が、前走が1000万条件戦だったというメンバー構成ならば、1.5倍という単勝オッズになるのも無理からぬところだろう。
　2番人気は昨年2着のタイニーダンサーで5.1倍。そのあとは前走で1000万条件を勝ったスルターナ、1000万条件で3着だったオージャイトが続き、ここまでが単勝10倍未満。地元所属のジュエルクイーンは12.2倍で5番人気に支持された。
　しかしレースはJRA勢で人気的にいちばん下、全体では6番人気だったマイティティーが制するのだから、競馬はフタを開けてみなければわからないものだ。
　ゲートが開き、他馬を引き離して逃げたのは、地元所属ではあるが昨年はJRA所属で3着だったビービーバーレルで、マイティティーはその直後につけた。向正面の中央付近では3番手との差が8馬身はあろうかという展開になったが、ビービーバーレルは3コーナーで失速し、代わってマイティティーが先頭に。その直後からクイーンマンボが外、タイニーダンサーが内を通って追撃してきた。
　だが、4コーナー付近でタイニーダンサーが脱落。直線の入口では、逃げ込みを図るマイティティーをクイーンマンボが追いかける形になった。
　しかし2頭の差は縮まらず、ゴール地点では3/4馬身差でマイティティーが粘り勝ち。鞍上の池添謙一騎手は検量室前に戻ってくるなり、「勝ったよ、頑張ったよ」と、目を見開いて大きな声を上げた。
　2着に敗れたクイーンマンボは、クリストフ・ルメール騎手が「前の馬が止まらなかったです」とコメント。角居勝彦調教師は「体は良くなっていましたし、2着でも及第点かな」と話した。今後は馬主サイドとの相談次第で、秋華賞ＧⅠも視野に入れたいとのことだ。
　3着にはオージャイト、4着にはスルターナが入り、今年もJRA勢が馬券圏内を独占。地方最先着は5着のジュンアイノキミで、ジュエルクイーンは6着だった。
　「勝負どころでの反応は良かったのですが、2000メートルはちょっと長いんですよね」とジュエルクイーンの手綱を取った五十嵐冬樹騎手。それでも実力はあるだけに、捲土重来を期待したいところだ。
　さて、優勝したマイティティーは今後、JRAのレースに進むとのこと。となると今年のブリーダーズゴールドカップJpnⅢの上位陣はすべて、JBCレディスクラシックJpnⅠを頂点とする重賞戦線に参加しない可能性がある。その点も含めて、今年のレースは例年とは違う結果になったといえるかもしれない。
　ただ、ファンの関心は高かったようで、ホッカイドウ競馬における1レースあたりの発売金額の記録を大幅に更新。前日のサマーチャンピオンJpnⅢに続く、売り上げレコードとなった。