南国土佐での第二陣、皆川騎手の大逆転で上位は混戦
金沢ラウンドとは、うって変わってのいい天気。空気はやや肌寒かったが、10名の騎手たちの表情は、空模様と同じようにやわらかだった。そのような気分にさせたのは、これが第2ラウンドだからということもあるのだろう。ある出場騎手によれば「第1ラウンドは約1年ぶりということもあって緊張する面があります。ましてや今年はほとんどの人が乗ったことがない競馬場でしたから」とのこと。つい10日前に会ったメンバーと再会しての高知ラウンドは、リラックスして騎乗できるステージなのかもしれない。金沢では荒天のため実施できなかった出場騎手紹介と、全員揃っての写真撮影が予定どおりに進められたことも、その気分を後押ししたようだ。
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馬場状態は金沢に続いて不良だったが、水が浮く馬場ではなく、水をたっぷり含んだスポンジのような状況。それだけに各騎手の作戦や位置取りなどが大きく結果を左右する雰囲気でもあった。
それが激しい追い比べへとつながったのが第3戦のアペックス賞。ペースを握った宮下瞳騎手(名古屋)スノースクートの直後を各騎手がマークして、流れは速め。3コーナーあたりから各騎手が仕掛けはじめ、その先団グループの最内を突いたのが岩永千明騎手(荒尾)のバンブーラツィオ。この日はインコースがあまり伸びない傾向だったが、距離ロスを嫌ったそのチャレンジは、みごとに1着という結果に結びついた。 |
絶好の位置から足元をすくわれた形になったのが、2着の別府真衣騎手(高知)。だが、追い込みきれなかった皆川麻由美騎手(岩手)や西原玲奈騎手(JRA)ともども、それぞれに納得したような表情をしており、ピリピリとした緊張感に包まれていた金沢ラウンドとは明らかに違う雰囲気が、そこにはあった。 |
第4戦のFRIDAY CUPは、増澤由貴子騎手(JRA)ヒョウタンジマ、皆川騎手フィールドベスト、2頭併走の逃げでスローペースに。3コーナーから後続が動き出すも、早めに単騎先頭に立っていた皆川騎手のリードは十分。向正面でうまく外に出した平山真希騎手(浦和)と、離れた最後方から一気の伸び脚をみせた笹木美典騎手(北海道)、インをそつなく回った別府騎手の2着争いも見ごたえがあったが、勝ち馬の走りはそれ以上に鮮やかだった。
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この結果、高知ラウンドの優勝は皆川麻由美騎手。総合順位でも金沢ラウンドでの最下位から4位タイに急浮上。しかしその4位は、3名が40ポイントで並ぶ大激戦。さらに上位勢は皆、総合優勝が狙えるポイント差となっている。となると、最終ラウンドが行われる荒尾競馬場は、再び緊張感がみなぎる舞台となることは必至。よりいっそうの激闘が期待できそうだ。
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高知ラウンド 2位 岩永千明騎手(荒尾) | |
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