女性騎手たちと親交のある、
競馬リポーターの大恵陽子さんが、
彼女たちの日々の様子や
最新ニュースなどを
発信していきます。
(毎週金曜 更新予定)

COLUMN

Vol.07 宮下瞳騎手(名古屋競馬)と岩永千明騎手(佐賀競馬)

女性騎手は斤量が永年、2kg減でレースに乗ることができます。

※デビュー5年未満かつ、地方通算50勝以下は4kg減、100勝以下は3kg減

昨年、名古屋リーディング4位で、まもなく地方通算1000勝に届こうかという宮下瞳騎手(名古屋競馬)も、男性騎手より2kg軽い斤量で騎乗できます。(重賞レースは除く)



たかが2kg、されど2kg。
宮下騎手は「2kg減」についてこう話します。

「この制度が2019年に始まった頃は正直、『そんなのいらないよ~』って思っていたんです。でも、やっぱり大きいですね!
最初の頃は減量を全然活かしきれなくて結果が出なかったんですけど、最近は上手く…とまでは言わないですけど、2kg減を活かしてレースができているかなと思います」

制度が始まった当時、宮下騎手はすでに地方通算700勝以上を挙げていたので、2kg減がつくことで「減量があるから勝つ」と言われることに悔しさも感じたかもしれません。



しかし今では
「逃げていても3コーナーから流して行っちゃうことが多かったんですけど、そこでぐぅっとひと呼吸我慢させると、最後のひと伸びにつながってくれることが多いように思います」
と、2kg減を活かしているといいます。


ところが、競馬場が変わればレース展開もガラリと変わり、佐賀競馬場では2kg減の活かし方が違うようです。



岩永千明騎手(佐賀競馬)の場合、

「私が逃げていると、他の騎手が『2kg減だから逃げきられてしまうぞ』という感じで、早めに来られてしまうので、それを警戒して私も早めから動きます。それと、所属の山下定文調教師は『2kg減を活かすためには内を通ってこい』とおっしゃっています」



同じ「2kg減」でも、競馬場の特徴によって活かし方は様々なようです。

さて、4月には神尾香澄騎手(川崎競馬)と佐々木世麗騎手(園田・姫路競馬)がデビュー予定。彼女たちは51勝を挙げるかデビューから5年が経つまでは4kg減でレースに騎乗できます。
どんな風にそれを活かすのかにもご注目ください。

  • 大恵 陽子競馬ファン歴25年 女性競馬リポーター

    グリーンチャンネル「アタック!地方競馬」ウェストアタッカー(ゲスト)、 「地方競馬中継」コメンテーターなど競馬番組出演や、イベント MC、コラム執筆などで活躍中。

  • 大恵 陽子
    競馬ファン歴25年
    女性競馬リポーター

  • グリーンチャンネル「アタック!地方競馬」ウェストアタッカー(ゲスト)、 「地方競馬中継」コメンテーターなど競馬番組出演や、イベント MC、コラム執筆などで活躍中。