金沢競馬場はJBCに向けてリニューアル!青柳正義騎手会長にインタビュー!

JBCが金沢競馬場で行われるのは8年ぶり2度目。
本馬場の砂の全面入れ替え、大型ビジョンの更新、パドックの改修で生まれ変わった金沢競馬場を、騎手会長であり、2021年金沢リーディング独走中の青柳騎手に解説していただきます。
(取材・小泉恵未)

PROFILE

青柳正義 騎手

青柳正義 騎手

1985年4月5日生まれ。千葉県出身。
金沢競馬・鈴木正也厩舎所属。2003年デビュー。2018年度金沢競馬リーディング騎手。
今年4月20日にフィールドクラウン号(牡3歳・飯田雄三厩舎)で金沢競馬1500mのレコードタイムを更新すると、8月24日には地方通算1000勝を達成。
自身2度目のリーディング獲得に向けて邁進中。

青柳騎手の詳しい情報は「KEIBA.GO.JP」でチェック

前回(2013年11月4日)はJBCクラシック単体の発売額が10億円を突破するなど、1日の総売得金は約24億9800万円と金沢競馬史上最高。入場者数は1万2000人を超えましたね。

第一回のJBC、僕にとっては
初めて見る光景でした。

僕より先輩の騎手は、1万人以上お客様が入った金沢競馬を知っていますが、僕がデビューしてからあの光景は初めてで。大勢の人の前で、歓声を聞きながら乗るのは、騎手冥利に尽きます。その前回のJBCとは、競馬場の雰囲気もレース体系も大きく変わりました。是非皆さんに見てもらいたいです。

2013年11月4日JBC

2013年11月4日JBC

まずはパドックから教えてください。

馬も厩務員も歩きやすい、
映えるパドックになりました。

何より見栄えが良くなりました!以前まで緑の所が芝生だったんですが、端に段差が多少あったので、馬がちょっと慌てて速足になった時などは注意する必要がありました。それが全面フラットになってウレタン部分も厚くクッションが良くなって、厩務員さんが「歩きやすくなった」と言っています。
皆さんにはあまり見えないところですが、パドックから馬道に出たところも、クッション地が延びました(17.5m)。今までは切り替え部分がすぐ砂地だったので、バタバタする馬も多かったんです。この延長部分が、馬がパドックに砂を運ぶのも防いでくれています。

パドック

本馬場の砂の全面入れ替えで、富山県の川砂から愛知県の山砂へと変わりました。

雨の多い石川県では、
馬場の水捌けも大きく影響します。

僕らの体感として一番大きいのは砂を被った時に痛くないこと。
ルメール騎手やデムーロ騎手も「金沢の砂は日本一痛い!」と言っていたくらいなので、改善されたのは嬉しいです。
レースとしてはクッション性が良くなり馬が走りやすくなりました。ただ、時計が早くなり過ぎるのは一概には喜べませんが。
水捌けが良くなったのもすごくありがたいです。雨の多い石川県なので、以前なら1週間ドボドボ馬場という日もありましたが、雨さえあがってしまえば、1日2日で馬場がどんどん回復してくるのが目に見えてわかります。

愛知県の山砂

馬場の傾向はどのように変わってきたでしょうか。

今は内が重くなっているので、
馬場の見極めが重要です。

数年前に内ラチ沿いが有利な傾向にあって危険なこともあり、今では内ラチ沿いは比較的深めになっています。コーナーを回る時も、4・5頭分くらいあけています。枠順は出来れば真ん中より外が欲しいですね。

内ラチ沿いは比較的深め

スプリント・レディスクラシックは先行有利になりそうですが。

1400m・1500mは
1〜3番手を取りたい。

今年はどの距離も前で決着するレースが多いです。特にスプリントはスタートから1コーナーまでの距離が短くなってしまうので、出来れば1〜3番手は取りたいところ。差し馬はいかにコースロスを無くし、馬場の重くないところを通るかが鍵になります。
僕個人としては、1500mでレコードが出ないといいなと思っています。今このレコード僕が持っているんで(笑)。

レース
青柳正義 騎手

向こう正面奥からスタートするクラシックのポイントはどこになりますか。

2100mは
2週目2コーナーを回ったら、
レースが一気に動きます。

2100mはスタートからコーナーまでに充分に距離があるので、位置取りを取りやすいです。馬を落ち着けて行きたい人も、なだめられる距離があります。ただ長距離レースでコーナーの数も多いので、勝負どころまでは馬に楽をさせてあげたいですね。2周目2コーナーを回ったら、レースが一気に動き始めるので、そうなると、あとは馬の力勝負です。ここで差が出てしまうので、ペースアップする中央馬に食らいついて、勝負に絡んでいきたいです。

2013年ほどとは言いませんが、今年もなんとかお客様が入れたらいいなと思っています。
新しい金沢競馬場を楽しんでもらいたいです。

レース