直線先頭に立ちしぶとさ発揮
兵庫オディロンは悔しい2着
大型連休期間中に移設され3回目を迎える名古屋グランプリJpnII。手前の4月に川崎記念、そしてこの後初夏には帝王賞と、2つのJpnI競走の間にある当レースは時期的に“ハマり”が良いようで、今年は例年以上に豪華なメンバーが集結。JRAから川崎記念JpnI・3着のアウトレンジと4着のホウオウルーレット、そしてダートグレード2勝目を目指すカズタンジャーら強豪がエントリーし、馬券的にも注目を集めた。
一方地方勢も、前走ダイオライト記念JpnIIでダートグレード勝利を果たしたオディロン(兵庫)のみならず、2023年の高知三冠馬で、その後の韓国遠征やダートグレード初挑戦の2走前佐賀記念JpnIII・3着など奮戦中のユメノホノオ(高知)が参戦。地元名古屋からは、前哨戦となる東海桜花賞を勝ったメイショウタイセツも挑戦し、地方競馬ファンなら誰もが胸躍らせるラインナップは戦前から大きな話題となった。
レースは8枠両馬、ハグとアウトレンジの好発で始まった。しかしすぐさま、内の2番枠からメイショウタイセツが「予め(今井)貴大(騎手)と話した作戦通り」(宇都英樹調教師)ハナを奪う。これを追いかけたハグの直後につけた1番人気のアウトレンジもまた、「ハグが行くだろうから、それを“風よけ”に使いながら直後に」(大久保龍志調教師)と、当日の強風を意識して陣営で練った作戦通りの位置を確保した。
序盤はこれら先行勢が後続を離して隊列を引っ張り、他の有力馬が概ね第2集団の中で位置を探る展開となったが、1周目の直線に入ると、緩めず行くメイショウタイセツが単騎リードをとりつつ先行する隊形へと変わっていった。
3コーナー入口まで先頭で踏ん張ったメイショウタイセツの外に8枠両馬が並ぶと、後続も先団めがけ押し寄せた。中でも、中団から徐々に位置を上げたオディロンの勢いが良く、最後の直線を向くまでに8枠両馬の直後まで進出。先に抜け出したアウトレンジの外に迫る。残り100メートルではおよそ半馬身差、しかしそこからなかなか差が詰まらない。最後まで激しく続いた攻防は、追撃をクビ差凌いだアウトレンジに凱歌が上がった。
オディロンの吉村智洋騎手は、最後の攻防を無念の表情で振り返り「(相手が)しぶとかった。展開は全てこちらに向いたが、(こちらが)行った分(相手も)伸びた感じ」と話した。森澤友貴調教師もまた悔しさを滲ませながらも「デキは過去一番良くなっているという自信を持って送り出した。(調整に関し)これで良かったかなと自信が持てた」と、過程も含め今回の結果に胸を張る。このあとひと息入れられるようだが、続けて森澤調教師が「JBCを含めて、GI/JpnIを狙っていきたいと更に強く思った」と話す言葉と表情は、強く印象に残った。
地方勢ではもう1頭、ユメノホノオが4着に食い込んだ。2着から3馬身差の3着に粘るハグに対し、僅か3/4馬身差まで詰めた末脚は目を惹いた。吉原寛人騎手は、向正面で一瞬位置が下がったシーンを振り返り「ペースが速くなるところで置かれるのが勿体ない」と馬の現状を分析。それでも、当初からの大きな課題だった発馬について「ある程度決まるようになり、レースが組み立てやすくなった。やはり走る馬だなと感じる」と評価した。
勝ったアウトレンジは、これでダートグレード3勝目。大久保調教師は今後のローテーションにつき「必然的に帝王賞を目指していこうと思う。今度は獲りに行きたい」と話した。昨年惜敗した舞台で雪辱を果たせるかどうか。その動向が注目される。
取材・文坂田博昭
写真岡田友貴(いちかんぽ)
Comment

大久保龍志調教師
大井や川崎では馬体が減りましたが、名古屋は近いので、馬体重はプラスになるだろうと思っていました。オディロンの末脚は脅威だと思っていたので、どこまで差をとって直線に入れるかなと思っていました。短い間隔でも、今の気候が良いのか体も戻り、思うような調教が出来たのが良かったと思います。








松山弘平騎手
本当にしぶとくて、最後は良い根性を見せてくれたなと思います。スタート良くペース的にもいいと感じましたし、ずっと余裕があり勝負所は自分の動きたいタイミングで動いて行けました。最後迫られましたが、着差以上に強い競馬をしてくれました。まだ成長途中だと思いますから、これから楽しみですね。