逃げ切り3連勝でジーワン初制覇
移籍初戦ドゥラエレーデが2着
今年で75回目を迎えた伝統の一戦、川崎記念JpnI。中東情勢の悪化により3月下旬のドバイ遠征を断念した陣営もいたため、例年以上にハイレベルなメンバーが川崎の地に集結した。
単勝1番人気はアウトレンジで3.0倍。重賞2勝の実績に加え、昨年の帝王賞JpnI・2着、東京大賞典GI・3着だったことでも支持を集めた。以下、地方所属馬として20年ぶりに東京大賞典GIを制した大井のディクテオン、前走の佐賀記念JpnIIIで初の勲章を手にしたカゼノランナー、牝馬重賞4勝テンカジョウまでが10倍を切る混戦模様となった。
戦いに終止符を打ったのは、西村淳也騎手が手綱を取ったカゼノランナー。好ダッシュから果敢にハナを奪うと、自分のペースに持ち込んだ。2番手にドゥラエレーデ、直後にホウオウビスケッツとアウトレンジがつけ、その後ろに岩手のサクラトップキッド、ディクテオンが続いた。
固まっていた馬群も2周目の向正面では縦長。カゼノランナーは軽快に進めていき、3コーナー過ぎの勝負どころからドゥラエレーデが外から並びかけたものの、直線を向いて振り切った。最後は2馬身差をつける完勝。他馬を寄せつけないスピードで押し切り、2分14秒6(稍重)で駆け抜けた。2着のドゥラエレーデから半馬身差で3着にはアウトレンジが入った。
カゼノランナーは今年に入りオープン特別を勝つと、続く佐賀記念JpnIIIを6馬身差で圧勝。3連勝で頂点のJpnIにまで駆け上がり、まさに飛ぶ鳥を落とす勢いだ。
松永幹夫調教師は「今までと走ってきた相手が違ったので、どこまでやれるかなと思っていましたが、強かったですね。正直なところ、調教のVTRを見ても決して強いようには見えないのですが、実戦に行くと、すごく力を発揮してくれる馬」と評価した。今年5歳になり、可能性も無限大だ。
松永調教師は騎手時代にレギュラーメンバー(2001年)とカネツフルーヴ(03年)で当レースを制しているが、調教師としては初制覇。これまでも多くの重賞勝ちを収めてきた手腕で、カゼノランナーを進化させていく過程も楽しみにしたい。
2着ドゥラエレーデの力走も光った。JRA時代には芝GIのホープフルステークスを制し、ダート路線に転向後もトップレベルで好走してきた実力馬。今回は大井への移籍初戦、当初騎乗予定だった御神本訓史騎手が疾病のため、地元・川崎の若きリーディング・野畑凌騎手に乗り替わった。
その野畑騎手は「うまく走ってくれました。道中もいい折り合いでしたし、向正面から気合をつけた時にしっかり反応もあったので、もしかしたらあるかなと思いましたが……。やり返せるぐらいの力はあると思いますし、この先も期待しています。代打でもうまく結果を出せたのかはわからないけど、次は勝ちます」とコメント。
昨年のNARグランプリ年度代表馬ディクテオンは5着に終わった。主戦でこの日も手綱を取った矢野貴之騎手は「位置取りは思ったよりも前目で、アウトレンジを前に見ながらいいところで運べたと思いますが、その分、勝負どころで置かれる感じになって、その間に外からまくられた感じですね」と振り返った。適性について、「本来は小回りよりも広いコースの方が良さは活きると思います。ただ、位置取りも含めて楽にあの位置からついていけたので、状態はすごく良く感じました。馬場はもっと乾いた方がいいと思いますし、前残りの感じで、この馬にはちょっときつくなった中でもよく頑張っています」と、悔しさをにじませながらもパートナーの地力をたたえた。
取材・文高橋華代子
写真いちかんぽ(早川範雄、築田純)
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松永幹夫調教師
(佐賀記念後は)いったん大山ヒルズでリフレッシュをして、3週間ほど前に厩舎へ戻しましたが、非常に状態も良かったので、力を出せると思っていました。まだレースは終わったばかりですが、今年は充実した強いところにどんどんチャレンジしていきたいです。












西村淳也騎手
カゼノランナーとともに勝つことができてうれしいです。道中もすごく手応えは良かったですが、1周目で早くゴールして欲しいと思いながら乗っていました。(向正面でライバルが並びかけてきた時も)馬の能力を信じていたので、振り切れると思いました。まだまだ強くなってくれると期待しています。