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2025ヤングジョッキーズシリーズ総括


クローズアップ

2026.01.16 (金)

佐藤翔馬騎手が前年の雪辱
 女性騎手が存在感を示す

9年目のヤングジョッキーズシリーズ(YJS)にはルール変更があった。4月1日現在の減量騎手・見習騎手というのは変わらないが、地方競馬所属騎手については対象騎手が増加傾向にあり、出場騎手の騎乗数を確保するため、『前年4月1日以前に初免許を取得した騎手』とされた。つまりこの年にデビューした地方の新人騎手には出場資格がなくなった。

トライアルラウンド(TR)には、地方東日本14名、同西日本10名、JRA東日本12名、同西日本15名が出場。地方競馬の東西各6競馬場(各2戦)で争われた。

各騎手、上位の着順ポイントを得た4競走分の合計ポイントによって順位が決定され、地方・JRA各地区上位4名ずつ(計16名)がファイナルラウンド(FR)進出となる。

地方騎手については、川崎ラウンドを欠場した宮内勇樹騎手(北海道、4鞍騎乗)以外は6~7鞍に騎乗。JRA東日本の騎手は、欠場や騎乗停止があった2名以外の10名は5~8鞍に騎乗。もっとも人数の多かったJRA西日本では、当初予定通りだった騎手も含め4鞍のみの騎乗だった騎手が6名いた。

TR最高ポイントは西塚騎手

2025年は勝ち星が分散し、複数の勝利を挙げたのは、山本大翔騎手(船橋)、松本一心騎手(笠松)が、それぞれ2勝を挙げたのみだった。しかしながら、東日本も西日本も勝利数の合計ではJRAが上回り、東西ともにJRA8勝に対して地方4勝。

地方東日本では、山本騎手がダントツの80ポイントで1位。自身のシリーズ初騎乗だった地元船橋の第1戦を6番人気で勝利。盛岡第2戦でも5番人気ながら中団追走から4コーナーでうまく馬群を捌いて外に持ち出して抜け出した。

地方東日本は4勝のうち2勝が山本騎手だったため、2位以下は大混戦。2~5位が50ポイント台にひしめき、大井第1戦で勝利した神尾香澄騎手(川崎)58ポイントで2位。YJS最終年となる5年目でFR初出場となった。3位は53ポイントで佐野遥久騎手(川崎)、51ポイントで4位の谷内貫太騎手(大井)は2年連続でFR出場となった。惜しかったのはわずか1ポイント差で5位だった宮内騎手。前述のとおり4鞍のみの騎乗となり、当初予定された6鞍の騎乗で、あと少し上の着順があればと、悔やまれる僅差の5位だった。

JRA東日本では、佐藤翔馬騎手が東日本最終ラウンドの浦和第1戦で逃げ切り勝ち。昨年も連勝した相性のいい浦和での勝利によって1位通過となった。

川崎第2戦でゴール前抜け出した谷原柚希騎手は、これがデビュー以来の初勝利。浦和第1戦でも2着に入り2位となった。盛岡第1戦で最後方からの差し切りを決めた石田拓郎騎手は3位で2年連続でのFR出場。2023年FR優勝の横山琉人騎手が4位となった。

地方西日本も、地方騎手4勝のうち松本騎手が2勝を挙げたため87ポイントで断然の1位。西日本初戦の名古屋第2戦では、スタート後最後方から早めに位置取りを上げて直線抜け出し。西日本3場目の佐賀第1戦を逃げ切り、前半戦で早くも高ポイントを獲得。前年は怪我のためTR欠場となり、その悔しさを晴らすFR出場となった。

門別で期間限定騎乗中だった塩津璃菜騎手(兵庫)は地元園田に戻ると、第2戦を1番人気にこたえて勝利し58ポイントで2位。その第2戦で2着だった土方颯太騎手(兵庫)は、勝利こそなかったものの同じ58ポイントで規定により3位。青海大樹騎手(佐賀)は断然人気に支持された地元佐賀第2戦を直線大外から豪快な差し切りを決め4位に入った。

JRA西日本で騎乗ぶりが際立っていたのは西塚洸二騎手。6戦に騎乗して1勝、2着3回。西日本初戦の名古屋第1戦こそ1番人気での勝利だったが、あとの2着3回は、6、6、5番人気。TR出場全騎手で最高の90ポイントを獲得した。

9月に減量を卒業していた高杉吏麒騎手は西日本最終ラウンドの笠松の1着、4着でFR出場を決めた。古川奈穂騎手は自身の最終騎乗となった金沢第2戦を1番人気にこたえて逃げ切り、3位で2年連続FR進出。高知第1戦を6番人気ながら中団から豪快に差し切った大久保友雅騎手が4位となった。

FR中京は2戦とも女性騎手が勝利

FRには女性騎手が地方・JRAの東西から各1名ずつ、計4名は過去最多の出場。前年に続いて園田・中京を舞台に争われた。園田競馬場はフルゲート12頭のため、3戦のうち各騎手2戦ずつに騎乗する。

園田第1戦は、TRの勢いそのまま西塚騎手が直線外から差し切り。逃げた1番人気の佐藤翔馬騎手は4馬身差で2着だった。第2戦は単勝1.2倍の断然人気に支持された佐野騎手が逃げ切り。3コーナー過ぎで並びかけ直線追い比べとなった山本騎手は半馬身差で2着だった。第3戦は1番枠から先頭に立った横山騎手が逃げ切り。地元の土方騎手が8番人気ながら向正面で先頭をとらえにかかり、直線では振り切られたものの2着に踏ん張った。

芝2000メートルの中京第1戦は、ハナを主張した古川騎手に、神尾騎手が競りかけ3番手以下を離す展開。競り合った前2頭には厳しい展開に思われたが、直線で振り切った古川騎手が粘り込んだ。YJS・FRで女性騎手の勝利は初めてだった。

ダート1400メートルの第2戦は、ハナ、クビ、クビという4頭の接戦となって、勝ったのは塩津騎手。地方所属女性騎手のJRAでの勝利は史上初のこととなった。

優勝は佐藤翔馬騎手。FRでは1着こそなかったものの、2、4、3、2着で67ポイントを獲得。前年のFR最終戦ではクビ差2着で惜しくも表彰台に届かずの4位だったが、1年越しでその悔しさを晴らした。JRA騎手の優勝は、22年の小林凌大騎手、23年の横山琉人騎手に続いて3人目となった。

2位はデビュー2年目でFR初出場となった川崎の佐野騎手。園田第2戦を勝利し、中京第1戦が2着で62ポイント。3位は2年前のチャンピオン横山騎手が59ポイントで2度目の表彰台となった。

残念ながら表彰台には届かなかったが、FR中京は2戦とも女性騎手の勝利によって盛り上がりを見せた。

斎藤修

写真いちかんぽ