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第49回東京2歳優駿牝馬

逃げて直線後続を突き放す
  GDJ優勝はリュウノフライト

南関東の年末重賞3連戦のラストを飾る東京2歳優駿牝馬。2歳女王が決定する南関東グレードS1競走で、グランダム・ジャパン2歳シーズンの最終戦でもある。地方全国交流とあって、他地区から経験豊富な実績馬が参戦。今年は北海道、岩手、兵庫から各1頭が出走し14頭立てで実施された。

単勝1.7倍の1番人気に推されたのは北海道のリュウノフライト。前走エーデルワイス賞JpnIIIを制し、デビューから4連勝。2番人気には2.9倍でアンジュルナ。前走ローレル賞の勝ち方が秀逸で、直線は危なげなく後続を突き放して4馬身差をつけた。

レースは積極策に打って出たアンジュルナが先手を取った。2番手にはスプリンガフォートがつけ、3番手内には兵庫のココキュンキュン。外には北海道のリュウノフライトがポジションを取ってしっかりマークしている。

3コーナーを過ぎるとリュウノフライトがアンジュルナに並びかけた。ここからは人気の2頭が後ろを離してマッチレースの様相。

直線に入ってリュウノフライトの脚いろが鈍ったところ、後方から外を回って上がってきたナーサリーテイルが唯一39秒台の上がりで猛追。しかしアンジュルナはさらに差を広げてのゴール。ナーサリーテイルが3馬身差の2着。リュウノフライトは3/4馬身交わされての3着だった。

主導権を取ったアンジュルナは、自分のペースを維持しながらラップを刻み、最後は突き放す完勝と言えるレース内容。ゴール前では野畑凌騎手の渾身のステッキに応えるかたちに見えたが「叩いた中には見せムチもありました」(同騎手)と言うほど余裕があった。

「負けられない戦いだったので本当にうれしい。アンジュルナは先行力、心肺機能そして道中の息づかいや反応。どれをとっても高水準。一戦ごとに良くなって学習能力も高いです。浦和、川崎で小回りを経験していたし、器用に脚を使えるので内コースの大井マイルもこなしてくれると思っていました。相手はリュウノフライトしかいないと思っていたので、4コーナーで少し離した時点で勝ったと思いました」と話すデビュー4年目の野畑騎手。21歳の若武者はこの年大きな飛躍を遂げた。南関東リーディングでは笹川翼騎手、矢野貴之騎手に続く3位に浮上。途中骨折もありながら年間200勝超えも達成して、川崎所属騎手のトップに立った。2026年のさらなる活躍はまちがいないだろう。

アンジュルナを管理する小久保智調教師は14年連続で南関東リーディングに輝いた。「まだ至らないところがある」と常々言うのは高みを目指すがゆえだ。

2歳女王の座に就いたアンジュルナについては、かつて自身が手掛け、桜花賞、東京プリンセス賞の南関東牝馬二冠を制したケラススヴィアを引き合いに出して、「牝馬らしからぬ馬体の持ち主。(ケラススヴィアの)その先に行けるんじゃないかと期待しています。交流重賞も視野にやっていきたい」と、ケラススヴィアが2着に敗れ三冠を逃した関東オークスJpnIIを意識しているように思えた。

1番人気に推されたリュウノフライトは3着だったが、グランダム・ジャパン2歳シーズンで総合優勝を決めた。

「スピードといい、背中のバネといい、ものすごくいいものを持っている。ただ、今日は馬場やゲートの中でそわそわしていたし、コーナー4つの対応もうまくできなかった。1度使っていればぜんぜん違ったと思う」と鞍上を託された矢野騎手は答えた。

なお管理する山口竜一調教師にとってはこれが最後の出走だった。調教師としてはまだ若い61歳ではあるが、「体調が悪くなって、内臓だけでなく、騎手時代の後遺症で右腕も思うように動かなくなったので思い切って治療に専念することにした。身体が良くなったら馬主資格を取って違った角度から競馬を楽しみたいね」と話していた。

リュウノフライトは、栗東の四位洋文厩舎に移籍予定だという。

取材・文中川明美

写真宮原政典(いちかんぽ)

Comment

野畑凌騎手

メンバーを見て、馬の力を信じてハナに立とうと思いました。初めての右回りでしたが、難なくこなしてくれました。全てにおいて高水準な馬。来年もアンジュルナと共に、たくさん重賞を勝ちたいと思いますので、応援よろしくお願いします。

小久保智調教師

ちょっとナーバスになっているかな、と見受けられたので、その点が今後の課題かなと思います。牝馬らしからぬ馬体をしているので今後も楽しみにしています。次走については馬の状態を見て決めたいと思います。