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第25回JBCクラシックJpnI

早めに進出し直線突き放す
  逃げたサントノーレは3着

JBCクラシックJpnIの出走馬がパドックに入ってきたのは、両面に映像が表示されるパドックビジョンに門別で行われているJBC2歳優駿JpnIIIのレースが放映されているとき。パドックの正面からも背面からも大きな歓声が沸き起こっていたが、競走除外となったホウオウトゥルースを除く13頭は、全馬が耳覆い付きのメンコを着用していたものの、動じることなく周回していた。

そのなかで圧倒的な人気を集めていたのはミッキーファイト。この日の前半戦の時点で1倍台後半だった単勝オッズは最後までほとんど動かず、最終的には1.7倍でレースを迎えた。

続く2番人気はマイルチャンピオンシップ南部杯JpnIを圧勝したウィルソンテソーロで3.9倍。シャドーロールを付けた装備は前走と同じでも徐々にテンションが上がり、騎乗周の直前では跳びはねるような歩様になっていた点が前走時とは違っていた。

3番人気は大井のサントノーレ。締切数分前は8倍前後だったが、黒光りする馬体は威圧感と気合が伝わってくるもので、急速に支持を集め最終的には6.6倍。逆に締切数分前まで6倍前後をキープしていたサンライズジパングは6.7倍で4番人気となった。

馬場状態は、第1レースから稍重。風が強くても気温は低く湿度が高め。逃げまたは2番手の馬が2着以内に残れなかったのは第6レースだけという“前残り”の傾向で、JBCレディスクラシックJpnIもJBCスプリントJpnIも逃げた馬が勝利を挙げていた。

しかしJBCクラシックJpnIは逃げ先行タイプが多数。昨年の川崎記念JpnIを逃げ切ったライトウォーリア、前走のフリオーソレジェンドカップを圧勝したサントノーレ、そしてさきたま杯JpnIを5馬身差でレコード勝ちしたシャマルが逃げ候補。昨年の帝王賞JpnI馬のキングズソード、今年の帝王賞JpnIを制したミッキーファイトも先行したいタイプだ。

そのなかで先手を取ったのはサントノーレ。シャマルは前走のマイルチャンピオンシップ南部杯JpnIと同じようにスタート後のダッシュがいまひとつで、2022年のチャンピオンズカップGI以来の1800メートルということもあってか、競ることはせず2番手を進んだ。

その後ろにキングズソードがつけて、ウィルソンテソーロはインコースの4番手。ミッキーファイトはその直後の外を追走した。

サンライズジパングは少し離れた6番手。しかし向正面で鞍上の坂井瑠星騎手が位置を上げていこうと促したものの、騎手のアクションと馬の動きが呼応していない様子で徐々に後退。一方、徐々に進出したミッキーファイトは3コーナー過ぎでサントノーレの直後につけると、そのままの勢いで直線を向いて先頭に立ち、2着に3馬身の差をつけて押し切った。

7番人気(39.2倍)だったメイショウハリオは、スタート直後は行き脚がつかず10番手あたりを進んだが、向正面の中ほどから一気に上昇。昨年の佐賀に続いて2着となった。

「帝王賞で競走除外になったあと、順調に来たわけではなかったのですが、よく走ってくれました。向正面では手応えがよくて、3コーナーでもいい感じ。勝ちを意識できるくらいの雰囲気がありました」と、濱中俊騎手は振り返った。当日の馬体重は494キロで、過去2番目に小さい数字。それでもパドックは2人曳きで、臨場した岡田稲男調教師は真剣な表情。近日中に実施される、故・松本好雄オーナーのお別れの会に向けてという思いがあったのかもしれない。

3着のサントノーレは2着から5馬身差。「状態のよさを考えて、思い切って行くことにしました。勝った馬には並ぶ間もなくという感じでしたが、よく頑張ってくれていると思います」と、矢野貴之騎手。2戦連続で逃げ切っていたスピードは、大舞台でも通用することを示したと言ってもいいだろう。

そこから2馬身半差の4着はキングズソード。「かなり厳しい流れのなかミッキーファイトに早めに来られたところで、手応えがいまひとつでした」と、藤岡佑介騎手。ウィルソンテソーロは4着から半馬身差の5着で、9着シャマル、10着サンライズジパング、11着ミックファイアともども、マイルチャンピオンシップ南部杯JpnIから中2週という日程が合わなかった可能性がありそうだ。

そして5着からクビ差の6着に入ったのが兵庫のアラジンバローズ。下原理騎手は「インコースが良いと思って、ラチ沿いを進んでいきました。掲示板はあると思ったんですが……」と話して「次もダートグレードに行くと聞いています」と続けた。

JBCクラシックJpnIの売上はこれまでの最高額だった2020年(大井)を5千万円余り上回る30億4965万8300円を記録。表彰式の後、ウイナーズサークルでは来年のJBCの舞台である金沢競馬場の関係者に『JBCフラッグ』が渡された。


取材・文浅野靖典

写真いちかんぽ(岡田友貴、早川範雄)

Comment

C.ルメール騎手

向正面からいい脚を使って、ずっと伸びてくれました。乗りやすい馬で(初めての船橋でも)心配はありませんでした。1800メートルもピッタリですし、自信を持って乗りました。能力はあるので、またダートの大きいレースでいいパフォーマンスができると思います。

田中博康調教師

体のバランスが整うまで左回りは、という考えでしたが、懸念が解消された感じがします。レース後のダメージが大きいタイプで、今回もその点を心配していましたが、しっかりと走ってくれました。それでも間隔は空けるほうが良いと思います。今後は年内にもう1走できれば。来年は中東に行きたいですね。