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第15回JBCレディスクラシックJpnI

低評価を覆し逃げ切る
  1年ぶりの勝利でJBC連覇

15年ぶりに船橋競馬場での開催となったダート競馬の祭典・JBC。当日は青空が広がる好天に恵まれた。

この日の船橋競馬は前半から先行した馬の好走が目立ち、馬場の内側が伸びやすい傾向にあった。

JBCの皮切りとなったJBCレディスクラシックJpnIで、昨年の覇者アンモシエラは、その後勝ちきれないレースが続いていたこともあって7番人気という評価に甘んじていた。

スタートが切られると先手を主張し積極策に出たのがアンモシエラ。1番人気に推された武豊騎手のオーサムリザルトが2番手でマークし、徐々に隊列は縦長になった。序盤こそ11秒台のラップで飛ばしたが、1コーナーで自分のペースに持ち込んだアンモシエラは脚いろを維持したまま4コーナーへ。直線でオーサムリザルトを振り切ると、向正面中団からポジションを上げたテンカジョウが外から猛追してくるが、すでに大勢は決していた。2馬身半差をつけたゴールでは横山武史騎手が右手を大きくかかげ天を突いた。昨年に続くJBCレディスクラシックJpnI連覇の瞬間だった。

表彰式では生産者のインタビューも行われた。桑田牧場の桑田美智代代表はマイクを向けられると、「幼い頃は本当にのんきで、ゆったりとして落ち着いていた感じのある馬でした。(最近の)レースでは負けが続いていたので、今日は祈る思いで見ていました。感動して思わず涙が出てきました」と声を震わせた。

横山武史騎手は、逃げの手に出たことについて、「ここ最近は思うような競馬ができていなかったので、今日はなにがなんでも逃げるというつもりでいました。馬にとってはすごく苦しい展開でしたけど、あえて息を入れずに淡々としたペースを刻もうと心がけて騎乗していました」と描いたとおりのレースで“女王復活”をエスコート。「最近は牝馬らしく気の難しさを出してしまっていて、なかなか思うような競馬ができていなかったんですけど、最近とはちょっと違ってナイターでなかったり、暑さもおさまって馬にとってはベストな条件だと思っていました。ここにきてまたひと花咲かせてくれて、アンモシエラには本当に頭が下がる思いでいっぱいです」と連覇の喜びを語った。

今回はこれまでのチークピーシーズを外しブリンカーを着用して参戦。「さすがに最後は脚が上がったかなと思いますけど、後ろから迫ってくる感じもあまりなかったのでこれなら押し切るかなという感じでみていました。なかなか結果が出なくて、今回はいろんなことを試して、ブリンカーを着用したことで集中しましたね。今後についてはオーナーサイドと相談していきたいです」と、松永幹夫調教師。試行錯誤した末の大きな勝利だった。

2着は直線迫ったテンカジョウ。「競馬になるとわかるのかゲートの中でじっとできなくて。タイミングが悪い時に開いてしまった。最後は差を詰めていますが、ゲートが尾を引いたのが悔しい」と松山弘平騎手は悔しさを滲ませた。コンマ数秒のわずかな差が最後まで影響し、レース結果を左右する厳しさを味わった。

1番人気のオーサムリザルトは逃げ馬を追いかけるかたちになり、さらに2馬身半差の3着。「残念ですね。少しゲートは暴れましたがレースはスムーズでした。道中はなにも心配になることもなく良い感じでしたが、4コーナー手前で急に手応えがなくなった。本来のこの馬ではないなという感じですね。レース後もすごく苦しそうで、連勝している頃はそんな感じはなかったので、早く(本来の姿に)戻ってほしい」と武騎手はコメントした。

地方最先着は中団から差を縮めて6着だったマテリアルガール(浦和)。「前半はふわふわしていましたが、勝負どころより前で自分から動こうと思っていました。内からいいかたちで外に持ち出せて流れに乗れましたね」と山中悠希騎手。レディスプレリュードJpnIIでも6着だったことから、「今度こそ掲示板に載りたい」と力を込めた。

スタートで他馬と交錯するアクシデントがあった馬もいて、牝馬のダート戦線は混戦ムードが続きそうだ。

なおグランダム・ジャパン古馬秋シーズンは、最終戦のここには出走せずスパーキングレディーカップJpnIIIを制していたフェブランシェ(大井)が総合優勝となった。


取材・文中川明美

写真いちかんぽ(早川範雄、岡田友貴)

Comment

横山武史騎手

ペースを淡々と刻んだことで馬はすごく苦しくてペースダウンしてしまっていたんですけど、頼むからなんとか頑張ってくれという思いで必死に追って、馬もよくそれに応えてよく頑張ってくれました。

松永幹夫調教師

調教がすごく動いていましたし、体も前走よりちょっと絞れていました。なによりパドックの感じがすごく落ち着いていると思いましたね。レース前から武史君と今日は思い切り行こうという話をしていましたので、本当にハナを切れたことがよかったなと思います。