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2025地方競馬ジョッキーズチャンピオンシップ

第1戦制した本田騎手が初優勝
  吉村騎手は2位で連覇ならず

2026年に3度目のJBC開催を控える金沢競馬場。今年からは『百万石かがやきナイター』と銘打って本格的にナイター開催がスタートし、初日となる5月26日に地方競馬ジョッキーズチャンピオンシップが行われた。

今年は出場騎手に新しい顔ぶれが多く、地元・金沢代表の中島龍也騎手は「チャレンジステージはあるけど、本戦は初めて」と話せば、初出場の室陽一朗騎手(浦和)は知らせを聞いた時にやや驚きもあったよう。今年から出場騎手選定方法が変更され、従来の“所属場”での勝利から“地方競馬”での勝利数(北海道・岩手・金沢所属騎手については、所属場の冬季休催期間の勝利数を除く)となったため、名古屋での期間限定騎乗中に挙げた43勝(笠松を含む)が大きな追い風となったのだ。

また、初出場の佐々木竹見カップジョッキーズグランプリで総合2位と存在感を示した塚本征吾騎手(愛知)も当シリーズは初めて。今年の騎乗数が全国1位であることを、一緒に車で来た渡邊竜也騎手(笠松)から「一番頑張っているということ」と褒められると、「竜也さんは勝率1位ですから、畏れ多いです」と恐縮した。

第1戦を勝ったのもまた当シリーズ本戦には初出場の本田正重騎手(船橋)だった。返し馬から「トビが大きく、力がありそうで勝つ自信がありました」という中で、3番手から抜け出して勝利。1着30ポイントを獲得して、「ちょっと欲が出てきました」とニヤリと笑った。しかし、2戦のみだった昨年と異なり、今年は3戦が行われる。3着渡邊騎手が「好ポイントを獲れましたけど、今年は3戦なので」と話せば、Cグループの騎乗馬ながら5着に入ったディフェンディングチャンピオンの吉村智洋騎手(兵庫)は「みんな張り切るのでは、と予想して、脚を溜めるレースが上手くいきました」と、10ポイントでもいい手応えを掴んだ。

日が傾き、冷え込みが強くなった第2戦は、吉村騎手が2番手外から直線で中島騎手(4着)に競り勝つと、室騎手の追い上げをしのいで勝利。「外枠も良く、先頭に立つのが少し早いかなと思いましたが、後ろから馬が来ると辛抱してくれました」と話した。これにより、吉村騎手は暫定1位。「赤岡騎手から『前身も含めてワールドオールスタージョッキーズ(WASJ)に僕たち二人は2回出場したけど、(地方代表騎手選定競走が行われるようになった05年以降)3回出場した人はいない』と聞きました。そんなに上手くいかないと思いますが、頑張ります」と勝って兜の緒を締めた。

なお、赤岡修次騎手(高知)と矢野貴之騎手(大井)はレース前にゲート裏での馬体検査の結果、競走除外となり、規定により6ポイントが付与された。

暫定2位は4ポイント差で本田騎手、さらに8ポイント差で室騎手と続いたが、二人は第3戦がCグループの馬。一方で吉村騎手はBグループの馬で、勝負はこのまま決するかに思われた。

ところが、逆転劇が待っていた。首位・吉村騎手は第3戦で2番手外につけるも、「900メートルで好成績の馬。1コーナーで『このペースだと残らないだろう』と思った」と、3コーナーでズルズル後退。対照的に、最後方で脚を溜めた本田騎手は「道中から伸びそうな雰囲気があった」と直線で脚を伸ばして4着。室騎手は9着で、この結果、本田騎手が48ポイントで初の総合優勝を決めた。

「僕が札幌に行っていいのかな?」と、WASJ地方代表候補騎手に選定されたことに本田騎手は戸惑いつつも、「荷は重たいですが、楽しんで乗りたいです」と笑顔。前日には船橋の先輩騎手だった森泰斗調教師とご飯を食べた際に「頑張れよ」とエールを受けており、結果で返した。

2位は7ポイント差で吉村騎手。2年連続優勝はならず、「優勝しないと意味がないですから」とキッパリ話した。「また来年ですね」と話を振ると、「出られればね」とひと言。怪我のため今年は3カ月の休養があったことも影響し、現在兵庫リーディングは小牧太騎手なのだ。WASJはもとより、地方競馬ジョッキーズチャンピオンシップに出場すること自体、いかに高いハードルかが伝わってくる。

さらに4ポイント差で3位は赤岡騎手。第2戦はAグループの騎乗馬ながら競走除外が痛手だったが、「無理をして馬に何かがあってはいけませんから」と気持ちを切り替え、第3戦で逃げ馬の直後の好位から勝利を手にしていた。

表彰台の三人を含め、ほとんどの騎手が騎乗を終えると、翌日の調教やレースに備えて足早に帰路についた。そのストイックさもまたトップジョッキーたる所以なのだろう。

WASJは8月23・24日、JRA札幌競馬場で行われる。

取材・文大恵陽子

写真早川範雄(いちかんぽ)

Comment

総合優勝/第1戦1着 本田正重騎手(船橋)

まさか優勝できるとは思っていませんでした。最終戦を前に暫定2位ということは知っていましたが、周りのことはあまり気にせず、騎乗馬のレースができればと最終戦に臨みました。地方代表騎手候補は荷が重いですが、札幌で楽しんで乗りたいです。

総合2位/第2戦1着 吉村智洋騎手(兵庫)

そう甘くはなかったですね。第1戦でC評価の馬で掲示板に載れて嬉しく、最終戦を前に暫定首位に立てたので何とかポイントで逃げきれれば、と思いましたが、最終戦はペースも速くてしんどかったです。また来年、このシリーズに出場できるようにコツコツと頑張ります。

総合3位/第3戦1着 赤岡修次騎手(高知)

最終戦を勝てて、表彰台。爪痕を残せました。最終戦では手応えが良く、4コーナーを回る時には勝ったなと思いました。第2戦を走っていたらもう少し上の順位もあったかも、とも思いますが、何かがあってはダメですから、歩様が悪く競走除外は仕方ありません。