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大井競馬場「バハカォン」


浅野靖典

2024.10.10 (木)

「横濱ブラドッグ」(サルサ・800円)

これまでの「馬美味行脚」は基本的に競馬場内の常設店舗を紹介してきましたが、今回は臨時店舗のご紹介。

大井競馬場では以前の3号スタンドが解体されて、その場所が「ウマイルスクエア」という大きな広場になりました。そこでは重賞が行われる日を中心にキッチンカーが来て、競馬場の雰囲気を盛り上げています。

2024年10月1~3日に実施されたダートグレード3連戦もキッチンカーが来場。もっとも来場者数が多かったのは「ジャパンダートクラシック」が行われた2日(水)で1万6千名以上でしたが、その前後の日も5千人弱のファンが来場。数字で見ると、改めてたくさんの人が来ていることがわかります。

東京盃が行われた10月3日にも6台のキッチンカーがウマイルスクエアに集合!

そのいちばん奥に駐車したのがピンク色の「バハカォン」です。

この店が大井競馬場に来るのは初めて。というか、競馬場に出店するのも初めてです。

店主の岡山一成さんは元サッカー選手で、横浜マリノスからスタートして、柏レイソルやベガルタ仙台、コンサドーレ札幌などに所属して「昇格請負人」という称号を付けられた“空気を変える”と言われた選手。試合終了後、ファンとともに勝利の喜びを分かち合う「岡山劇場」でも有名になりました。

「ただ、サッカーだけでずっと生活できる人は少しだけ。セカンドライフのことは、現役のときから考えていました」

その意識から、副業として横浜の関内駅の近くにブラジル料理店をオープン。でも幸いなことに、18歳からのサッカー人生はコーチとして所属した大分トリニータでの昨年まで、27年間も続きました。

でも契約がなければ“無職”。今年からはキッチンカーの料理人として、サッカー場やイベント会場で活動しています。

岡山さんはもともと競馬ファンで、現役時代のオフシーズンに雑誌の企画に志願して、北海道の牧場で厩舎スタッフを経験したことがあるほど。だから今回の大井競馬場への出店は「本当にうれしい」とのことで、店内から外を見て「いい風景だなあ」と感動していました。

その店で提供するのはホットドッグ。パンのなかに挟まっているのは、ブラジルの特大ソーセージ「リングイッサ」です。

そこにビネガーソースを加えた玉ねぎのみじん切りをたっぷりとかけて、ちょっと辛み成分を入れたのが「サルサ」だそうで、今回はそれを注文。ドレッシングの酸っぱい刺激とソーセージからの肉汁が口のなかで調和する、今まで経験した記憶がない味を楽しめました。これはかなりクセになる!

岡山さんいわく「夢がひとつかなったという気持ちです」とのことで、今後もここで営業したいと意欲十分。次回は現時点では未定ですが、見つけたときに寄っていただければと思います。

この店のほかにもウマイルスクエアには、いろいろな種類のお店が登場します。だんだんと寒くなるこれからの時期、競馬場でのキッチンカー巡りで体を内側から温めてください!

浅野靖典(あさのやすのり)

競馬キャスター・ライターとして活動中。JRAブリーズアップセール、八戸、九州の各競走馬市場にて司会進行を担当。ライターとしては、
・競馬総合チャンネル(netkeiba.com)
・POGの達人
・JRAホームページ
・週刊プレイボーイ
・WEBハロン
などに寄稿している。