直線競り合い制し成長示す
新たなるスター候補誕生
門別でトップクラスの実力を持つ2歳馬たちの歩む道には、幅広い選択肢がある。自場だけでも、秋にはJBC2歳優駿JpnIIIやエーデルワイス賞JpnIIIというビッグレースがあるし、鎌倉記念や平和賞といった南関東の全国交流競走への遠征も、先々を考えると価値ある挑戦。夏にはJRA函館・札幌の芝のレースへの挑戦という道もあって、各陣営は馬の適性を見極めながら、それぞれ歩む路線とレースを選んでいく。
競馬場によっては、ネクストスター競走が所属する2歳馬の大きな目標になるケースもあるが、ネクストスター門別は、目標と言うよりもそうした多くの選択肢の中のひとつ。昨年の第1回をトラジロウで制し、今年も3頭を送り込んできた角川秀樹調教師は、門別におけるネクストスターの位置づけを「牝馬にとっては同じ距離のエーデルワイス賞へのステップに出来るレースだし、牡馬にとっては、馬が進む路線を明確にする契機になり得る」と説明する。更に続けて、「(ワンターンで直線も長い)門別1200メートルのコースで戦える速度やレース運びの素養は、秋以降、南関東のマイルや中距離の重賞戦線で戦うためには絶対必要」と話し、当レースの意義を強調した。
今年の出走馬の中には、重賞勝ち馬の姿はなかった。しかし、集った12頭はこの日の激戦の中でそうしたレベルの高い素養を競い、タイトルの通り次世代のスター候補の座を互いに探った。
向正面奥の引き込み線からのスタート。戦前予想された通り、速度を武器に逃げ切りでオープンまで3連勝してきた1番人気のエターナルウインドが、2番枠から先手を主張する。しかし他馬も簡単には逃がさず、序盤のペースは自ずと上がった。前半3ハロンのラップは35秒4。先行馬には明らかに厳しいペースだった。
迎えた3コーナー。3番手で機を窺っていたベラジオドリームが進出開始。直線入口では絶好の手応えで前に並びかけ、そのまま先頭に躍り出る勢いがあった。しかし、その勢いに待ったをかけたのが、今回はスタートが決まり、いつもより良い6~7番手の位置が取れていたミラクルヴォイスだ。ベラジオドリームを追い掛け直線で並びかけると、そこからは両馬の一騎打ち。残り50メートルで相手を競り落としたミラクルヴォイスが先頭でゴールしたとき、鞍上の松井伸也騎手はやや控えめに、しかし力強く握られた左の拳を挙げ、勝利をアピールした。1馬身差の2着にベラジオドリーム。更に1馬身半差の3着には、後方から追い上げたエイシンマジョリカが入った。
ベラジオドリームは、ハイラップを自ら追い掛けながら、秀逸の粘りを見せた。岩橋勇二騎手は「この馬のいつもの形で、前々で競馬をしようと思っていた。今日は相手が強かったが、こちらも最後までしっかり力を出し切ってくれた」と馬の健闘を称え、自らも胸を張った。
一方、逃げたエターナルウインドは末を失い11着に敗れた。桑村真明騎手が当日レース中に負傷したため、急遽手綱を取った宮崎光行騎手は「内枠だったこともあり、行ってくれと言う指示だった。(好時計で勝った)前走でも前半は36秒台。今日のラップでは厳しい」と話し、注目されマークされる立場の厳しさを嘆いた。
門別のシーズンは、残り1カ月。しかし、門別の2歳馬たちの活躍は、これから全国を舞台として続いていく。この時期全国でも恐らく類を見ないほどの激戦を戦った『ネクストスター』たちの歩みから、目が離せない。
取材・文坂田博昭
写真浅野一行(いちかんぽ)
Comment

佐久間雅貴調教師
前回は負けましたが、悪い競馬ではなかったので、今回に向けてはいい状態をキープすることだけを考えました。思った通りの仕上げで臨めましたし、心身ともに成長しています。道中の折り合いも良くなっているし、馬込みを気にしないようなので、少しずつ距離を延ばしていきたいと思っています。








松井伸也騎手
一戦ごとに強くなっていますね。調教からずっと乗っているので、今回は前走より状態がいいと感じてレースに臨みました。道中は先行集団の直後につけられて手応えも抜群だったので、あとはいつ追い出そうかなという感じでした。課題はやはりゲートでしょうか。もっと大きな所を狙える馬だと思います。