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第21回レディスプレリュードJpnII

直線追い比べを制し人気に応える
  久々の勝利でJBCへ意気上がる

3日連続でダートグレードが実施される大井競馬。まずは3歳以上牝馬によるレディスプレリュードJpnIIだ。優勝馬にはJBCレディスクラシックJpnIの優先出走権が与えられ、グランダム・ジャパン古馬秋シーズンの第8戦ともなっている。

今年は7頭立てではあるが、大一番を見据えた少数精鋭。JRAからは昨年のJBCレディスクラシックJpnI・1~3着馬を含めた5頭。地方からはグランダム・ジャパンのポイントで上位にいるアンティキティラとラブラブパイロが参戦した。

この1年の牝馬戦線は混戦模様。新鋭オーサムリザルトが不在となれば、対戦比較からはどの馬が勝ってもおかしくないメンバー構成だ。レースもまさに大激戦となり、直線は大歓声に包まれた。

好スタートを切ったヴィブラフォンが逃げ、出遅れた2番人気アイコンテーラーが押しながら2番手を確保。ラブラブパイロとライオットガールが追走し、1番人気のグランブリッジは虎視眈々と5番手に控えた。3番人気アーテルアストレアもその後ろで脚をためていた。

4コーナーに入ると各馬が追い出され、どの馬が抜けてくるのか分からない痺れる展開。先に抜け出したアイコンテーラーに一完歩ずつ差を詰めたグランブリッジ、大外からはアーテルアストレアも伸びてきた。激しい追い比べを制したのはゴール前でアタマ差交わしたグランブリッジだった。2着にアイコンテーラー、3/4馬身差の3着にアーテルアストレアが入り人気順の決着となった。

グランブリッジにとっては、これまでの鬱憤を晴らす1年7カ月ぶりの勝利。昨年のエンプレス杯JpnIIを勝った後、ダートグレードで2着が5回。僅差の敗戦も多かった。「常に全力で頑張ってくれていましたが、勝つという結果にだけ結びつくことができなくて競馬の難しさを感じながらの日々でした。やっと勝つことができてホッとしています」と川田将雅騎手は安堵の表情だった。

最高の流れを掴んだグランブリッジの次走はもちろんJBC。「次のために佐賀記念を使いました。その時の輸送は小倉競馬場でワンクッション挟んだのですが、今回は栗東からの長距離輸送になります。計算して万全の状態に仕上げたいです」と新谷功一調教師は意気込んだ。なお、JBCレディスクラシックJpnIかJBCクラシックJpnIの選択についてはオーナーと相談するとのことだ。

アイコンテーラーの松山弘平騎手は「ゲートが悪かったですね。頭数も少なかったので挽回はできたのですが、着差が着差なだけにスタート次第では変わっていたかもしれません」と振り返った。アーテルアストレアの武豊騎手は「状態は良かったです。思った通りの競馬はできましたが相手も強かったです。湿った馬場の方が良いですね」とコメントした。

今年のJBCは大井とはコース形態の異なる小回りの佐賀競馬場。5着だったライオットガールの岩田望来騎手が「小回りの方が向いているのでJBCでは期待したい」とコメントしたように、コース適性もポイントとなるだろう。11月4日はどんな展開となり、どの馬が女王の座を手にするのか楽しみだ。

なお、グランダム・ジャパン古馬秋シーズンはJBCレディスクラシックJpnIを残すのみ。表彰対象となる地方馬では、現在キャリックアリード(大井)が40ポイントでトップ。5ポイントを加算し30ポイントで2位のアンティキティラ(高知)はJBCに向かう予定とのことだ。

取材・文秋田奈津子

写真早川範雄(いちかんぽ)

Comment

川田将雅騎手

久しぶりに勝ち切るのだ、と馬と一緒に強い気持ちを持って挑みました。ゴール前もその気持ちを存分に出して捕まえ切ってくれました。久しぶりに勝利して、表彰式や口取り写真の時間をグランブリッジに思いだしてもらいたいです。無事にJBC当日を迎えられることを楽しみにしていただけたらと思います。

新谷功一調教師

今回は勝ち切ってくれて本当に嬉しい。川田騎手がパドックで跨った時点で具合は良いと言っていて状態は万全でした。1800メートルは短いかなと思いましたが、騎手が息を整えながら走らせてくれたので差し切ることができました。試行錯誤しながら競馬に挑んできたのでやっと結果が出てよかったです。