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第28回マーキュリーカップJpnIII

早め先頭から後続を振り切る
  横山武史騎手が代役果たす

盛岡2000メートルは、4コーナー奥からのスタートで直線の坂を2度駆けのぼるコース形態でタフ、それに夏場の暑さもある。前日14日はかなり時計が速く平均より1秒5速かったが、当日は同じ良馬場でも平均より0秒3速いだけで平均値に近い状態。ただ、傾向をみていると逃げ馬が有利の馬場といえる(馬場差は岩手ケイシュウ調べ)。

昨年3着で3年連続の出走となるメイショウフンジンが1番枠を引いて展開の利があるとみられ、単勝2.7倍の1番人気に支持された。実力断然クラウンプライドは近走成績がいまひとつなだけに2.8倍の2番人気。重賞初挑戦も通算6戦4勝のロードアヴニールが4.4倍の3番人気。昨年の日本テレビ盃JpnIIでウシュバテソーロの2着があるテンカハルは9.0倍、前走オープン特別勝ちで決め手あるビヨンドザファザーが10.2倍で続いた。

レースは大方の予想とはちょっと違って、押してヒロシクンがハナに立ち、スッと2番手にクラウンプライド、グランコージー、やや反応が鈍くメイショウフンジンが4番手。1~2コーナーでは少し緩む流れも3コーナーから各馬が動き始める。残り600メートルでは勝ったクラウンプライドが早くも先頭に立った。ロードアヴニールやテンカハルも追い上げるが、直線を向いてクラウンプライドのリードは3馬身。最後のラップ(14秒5)をみるとわかるが、インからしぶとくロードアヴニールが詰め寄り、残り600メートルでは後方4番手だったビヨンドザファザーは大外から坂をのぼってから猛追。ゴールではハナ、クビ差の大接戦も地力の違いで振り切ったクラウンプライドが2分3秒8で勝利。2着はビヨンドザファザー、3着はロードアヴニールで、ラップタイムは【11.9-11.3-11.3-13.3-12.8-12.4-12.7-12.2-11.4-14.5】。

勝ったクラウンプライドはUAEダービーGII、コリアカップGIIIと海外重賞2勝マークし、GI/JpnIはJBCクラシック、チャンピオンズカップ、帝王賞いずれも2着の実績があったが、意外にも国内JpnIIIは初めての参戦だった。

横山武史騎手は、「急遽、川田将雅騎手からの代打騎乗でしたけど、なんとか無事に結果を残すことができてホッとしています。能力があるのは過去のレースからわかっていましたし、川田騎手からも話は聞いていて万全の出来にはもうひとつと、まだ仕上がり途上の段階。最後は接戦でしたけど馬の力に救われました。ここを使って、次はさらによくなると思いますし、今回がいいステップになったんじゃないかなと思います。これだけ人気を背負っていましたし、これだけの馬なので勝たせなきゃいけないという気持ちで乗ったので、少しヒヤっとしましたけど、ほんとに馬の根性に助けられましたので、よかったです。韓国の重賞コリアカップの勝ち方がすごく強かったですし、国内・国外問わずに活躍できる馬だと思いますし、このまま無事に成長していってほしいと思う」

新谷功一調教師は、「秋以降があり、ここのレースで10割までにはもっていけないので、今日はメンタル面とか競馬の仕方を試す場でもありました。次走はオーナーサイドと相談して決めたいと思いますが、すでにコリアカップの登録は済ませています。昨年のコリアカップ後、紆余曲折がありましたが、勝ってくれましたし、ファンの声援も聞こえましたから非常にうれしいです」

取材・文峯村正利

写真佐藤到

Comment

横山武史騎手

どの馬が逃げようとも、あくまでこの馬のリズムを大事にしてレースを運ぼうと思っていたので不安はなかったです。自らハミを取って自然な形でポジションを押し上げる形になったのでリズムよく運べたかなと思ってます。最後は止まってしまったのですが、まだ成長途上の段階。

新谷功一調教師

今日は運を生かすことができて良かったと思います。7、8割ぐらいの状態でした。前半からハミを取っていつでも行こうとしていました。2、3番手でもと思っていたし、変にロスがある競馬は避けたかった。道中で折り合った分、最後の最後まで踏ん張ってくれたと思います。