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第8回佐賀ヴィーナスカップ

馬場を味方に前年4着の雪辱
  春の女王目指し川崎を視野に

佐賀ヴィーナスカップは、2018年から昨年まではグランダム・ジャパン(GDJ)古馬シーズンの開幕戦だったが、今年から古馬シーズンが春、秋の2シーズン制に移行し、春シーズンの第6戦となった。

4年連続で優勝していた南関東所属馬は、しらさぎ賞(浦和1400メートル、GDJ対象外)が4月18日開催と近接した影響か今年は参戦なし。他地区からは高知2頭、兵庫3頭が出走。古馬春シーズン第2戦のレジーナディンヴェルノ賞(2月25日、高知1900メートル)からは勝ち馬のミニョン(高知)を筆頭に4頭が参戦するなど5頭すべてに対象レースの参戦歴があり、古馬春シーズンでは最後の地方馬限定戦でポイント上積みを狙った。

前日からの雨は小降りになっていたが、馬場各所に水が浮く不良馬場で発走を迎えた。最内からアンティキティラ(高知)が先頭をうかがうも、アンクレットハートとアイメイドイットの佐賀2頭が一気に交わして先行争いとなり、アンティキティラは3番手に。ミニョン、クリノメガミエース(兵庫)は中団に付け、1コーナーまでに隊列は収まった。

3コーナーで内を突いてアンティキティラが先頭に立つと、4コーナー手前では外からクリノメガミエースが2番手へ浮上し直線追い上げを図るも、アンティキティラが1馬身差で押し切って勝利。1、2着は昨年の佐賀ヴィーナスカップ出走馬で、それぞれ4、3着から着順を上げての決着となった。

2馬身半差がついての3着争いは、4コーナーで内から3番手に上がっていたアイヤナ(兵庫)が、直線追い込んできたアキュートガール(兵庫)に半馬身先着。単勝1.7倍の1番人気に推されていたミニョンは押し上げていくことができず、勝ち馬から1秒2差の5着に終わった。

GDJ古馬春シーズンは最終戦を残して、シリーズ2勝を挙げ40ポイントのグレースルビー(大井)が首位(表彰対象の地方馬のみ)。アンティキティラはレジーナディンヴェルノ賞2着、兵庫女王盃JpnIII(4月4日・園田)7着に、今回の勝利で計26ポイントとし、3位のままだが上位馬との差を縮めた。

アンティキティラを管理する別府真司調教師は、シリーズ最終戦のエンプレス杯JpnII(5月8日・川崎)にも出走意欲を見せている。最終戦には地方馬内先着順のエクストラポイントも設定されており、昨年(古馬シーズン総合3位)以上も狙える位置に付けている。

佐賀勢は出走6頭中、唯一、重賞勝ちがあったシウラグランデ(3歳時の佐賀ユースカップ)が最先着6着。他地区5頭に掲示板内独占を許す厳しい結果となった。JRA所属時にJBCレディスクラシックJpnI(21年金沢)3着の実績があるリネンファッションは佐賀転入初戦の前走、2戦目となる今回とも8着。まずは地元戦での上位進出を目標に調子を上げていきたいところだ。

取材・文上妻輝行

写真桂伸也(いちかんぽ)

Comment

多田羅誠也騎手

この馬にとっては不良馬場は得意としているので、今日はラッキーと思って乗っていました。3~4コーナーで内に閉められていくような形だったので、ちょっと早いかなと思いましたが、閉められる前にスッと抜けられました。直線は余裕がなかったですが、最後まで馬が踏ん張ってくれました。

別府真司調教師

逃げた方がいいかなとは思っていましたが、今日の馬場は逃げが不利なので、行く馬がいたら必ず下げるように指示は出していて、一番いい位置が取れたと思います。(状態は)良い時に比べれば8分ぐらいの出来でしたが、佐賀の馬場が合って、良く走ってくれたと思います。