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カフジフェニックス


高橋華代子

2024.04.19 (金)

「気になるあの馬はカフジフェニックス」

大井競馬場の卒業生カフジフェニックスが、4月9日に地元で誘導馬デビューしました。

2017年11月にJRAからデビューしたカフジフェニックスは、3歳未勝利を勝ち上がり、笠松でのJRA交流競走もV。2019年10月から大井に移籍し、松浦裕之厩舎に所属。大井では通算3勝をあげ、コツコツと走り続けてきました。

昨年7月11日のレースを最後に現役を引退し、その後は大井の誘導馬としてリスタート。若い頃は濃いグレーだった芦毛の馬体も、9歳になった今は美白に磨きがかかりました。

誘導馬騎乗者のリーダー坂口昇さんを中心に練習を積み、デビュー当日を迎えました。「現役時代は気性の激しさがあったようですが、誘導馬としての順応性もあって落ち着いていますよ。懐っこいですし」と坂口さん。

デビュー当日の最初の6、7レースは、管理していた松浦調教師が騎乗しました。騎手引退後19年ぶりに開催中の馬場での騎乗。

筆者は残念ながら別の仕事で現地にいられませんでしたが、映像を見ると、正装した松浦調教師が笑顔でカフジフェニックスを導いていました。並んで寄り添っていたのは、同じクロフネを父に持つクリールマグナム。騎乗者は元騎手の田島泉さん(旧姓・山本)です。

なお、7レースの誘導後、松浦調教師の管理馬フラワージャンヌが優勝しました。口取りは、誘導馬に騎乗した装いでフラワージャンヌに跨って撮影したという、おまけつき。

松浦調教師にこの日を振り返っていただくと、「うれしかったですね。騎手時代とは違う今までにない感情が起きて、おもしろかったです。(カフジフェニックスは)思っていたよりも落ち着いていて、2回目のほうが気持ちを高めていたかもしれませんが、立派に誘導してくれました。僕が乗っているから騎手たちが驚いて、本馬場入場のときにみんなが声をかけてくれたのは笑えました」と話していました。

調教師がレース中に誘導馬に騎乗するというのは、南関東競馬では私の記憶にはありません。これもファンサービスの一環とも言えるでしょう。SNS上でも大いに盛り上がりを見せていました。

「ファンの方たちにはこれまで以上に(カフジフェニックスを)身近に感じてもらいたいです。愛される存在になって欲しいですね」と松浦調教師。キャリアを重ねていきながら、これから大井の人気者の1頭になって欲しいと思います!

高橋華代子(たかはしかよこ)

元NHK山形放送局キャスター。現在は南関東競馬を中心に取材活動中。
<掲載媒体>
・南関魂
・TCKホームページ
・楽天競馬
・WEBハロン
・馬事通信
・netkeiba.com
・ターファイトクラブ会報誌
・SPAT4ザ・ウィナーズ など