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第1回ネクストスター北日本

好位キープから直線抜け出す
  栄冠賞以来も確信の勝利

ホッカイドウ競馬開幕2日目の実施となった第1回ネクストスター北日本。岩手からの遠征馬はなかったものの、地元北海道所属馬だけで15頭が出走。4月下旬から5月中旬に行われている3歳一冠目の北斗盃が、過去4年10頭未満で争われているのとは対照的だ。1着1200万円という賞金に加え、北海道スプリントカップJpnIIIが今年から3歳戦になったことなど、3歳短距離路線が充実したことで、2歳時の活躍馬が例年以上に門別にとどまり(もしくは冬期に移籍していた馬が戻り)充実のメンバーとなった。

なお、各地で行われる3歳のネクストスター4競走の勝ち馬には兵庫チャンピオンシップJpnII(4月29日)への優先出走権が与えられるが、今回のネクストスター北日本からは中10日。すでに発表されている選定馬・補欠馬にはこのレースの出走馬の名は1頭もなく、したがってここを勝っても兵庫チャンピオンシップJpnIIへは出走できない。

オスカーブレインがいつもどおり抜群のスタートダッシュから単騎で逃げると、2~3馬身ほど離れて内からヨシノヒローイン、ストリーム、リコーシャーマン、キタサンヒコボシと4頭がほぼ横一線となって3コーナーを回っていった。

4コーナーではヨシノヒローインがオスカーブレインをとらえにかかると、外からストリームも接近。直線を向くとこの3頭の追い比べとなり、徐々に抜け出したストリームが先頭でゴール。1馬身半差で3頭が内外広がって接戦の2着争いは、中団よりうしろから直線大外を豪快に伸びてきたヴィヴィアンエイトがわずかに先着。4コーナー6番手からしぶとく伸びたデュアルロンドがハナ差3着。内のオスカーブレインはアタマ差4着だが、前半3ハロンを34秒8というハイペースで飛ばしたことを考えれば(レースの上り3ハロンは39秒1)むしろよく粘ったといえる。

そのほか有力馬では、昨年8月のフルールカップを5馬身差で圧勝したヨシノヒローインは前述のとおり4コーナーで見せ場をつくったものの直線失速して6着。骨折休養から8カ月ぶりの実戦だけに本調子とはいかなかったようだ。

また、イノセントカップ、ネクストスター門別を含め2歳時に門別でデビュー2戦目から5連勝という活躍を見せたトラジロウは単勝2.4倍の1番人気に支持されたものの、中団のまま見せ場なく8着。角川秀樹調教師によると冬期間に体調を崩したこともあり、まだ万全の状態にはなかったようだ。

勝ったストリームはデビューから3連勝で栄冠賞を制した素質馬。しかしその後、イノセントカップ2着、ネクストスター門別4着は、「道中の位置取りだったり、内枠でスピードに乗り切れなかったりで能力を発揮できなかった」(田中淳司調教師)とのこと。それでも兵庫ジュニアグランプリJpnIIでは地方馬最先着の4着で能力の高さは見せていた。今回は3番人気ではあったものの、復活ともいえる勝利。このあとは門別で1、2戦して北海道スプリントカップJpnIIIが目標となる。

直線一気で新たな一面を発揮して2着だったヴィヴィアンエイトは、今回は距離短縮が懸念されたか7番人気で、齊藤正弘調教師にもうれしい誤算だったよう。適距離はやはりマイル以上で、次走は5月9日ののじぎく賞(園田1700メートル)に遠征予定とのこと。

取材・文斎藤修

写真浅野一行(いちかんぽ)

Comment

岩橋勇二騎手

(2歳時は)馬がずるさを見せて、自分もちょっとそれに対応できないままで終わったんですけど、今日は気持ちを入れて、いい位置を取りに行こうという感じで臨んで、上手に走ってくれたと思います。能力は高い馬なので、それを引き出せるように考えて乗ったので、勝ててうれしいです。

田中淳司調教師

ネクストスター門別では後手にまわって岩橋も悔しい思いをしたと思うので、今日はスタートを気を付けてベストポジションにつけたので安心して見ていられました。直線は遊ぶような感じがあって、そのぶんまだ余裕があったと思います。能力どおりに走れば一番強いと思っています。