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船橋競馬場「東西売店」


浅野靖典

2024.04.10 (水)

あんかけ焼きそば。特盛(500円)
牛モツ串(100円)

私の競馬観戦デビューの地は、今は亡き山形県の上山(かみのやま)競馬場。

その後はJRAが主戦場になりましたが、競馬歴が5年以上となった2000年あたりにようやく日本の競馬の仕組みを理解しまして、地方競馬にも目を向けるようになりました。

その頃、よく行っていたのが船橋競馬場。昭和50年頃に建てられたというドッシリ感があるスタンドの1階で、「あんかけ焼きそば」をよく食べていたんですよ。

船橋の「あんかけ焼きそば」は、競馬場に限らず船橋以外で見たことナシ。いわゆる「五目やきそば」や“麺がやわらかめの皿うどん”は近いかなと思うんですが、でも違うんですよね。これは完全に船橋の味。

しかし最近の私は船橋に行く回数が激減。これまでは年に10回は行っていたのが、ここ数年は年に1度か2度という感じになってしまいました。理由は単純に私のスケジュールの都合。昔はわりとヒマだったのです……

それでも行く機会はあるので、今回は自宅を出発するときから「あんかけ焼きそば」という気分でした。というわけで入場してまっすぐ「東西売店」の屋台にレッツゴー!

船橋競馬場は最近10年くらいの間に5階の特別観覧席をリニューアルして、パドックの近くに“アタリーナ”という投票所を建設。そういう新しい施設があるにもかかわらず、それらを含めた全部を新しくするという事業を実施中です。

その影響で、スタンド内にあったお店の多くは3階のテラスにある仮設店舗で営業中。さっそく注文しようと店頭に貼られたメニュー表を見たらビックリ。

あんかけ焼きそばの値段が、私の記憶と同じだ!

2000年頃、最初に注文したときはたしか350円だったはず。そのあと380円に値上げされたことも記憶しています。それがですよ。今も普通盛りが380円ってどういうこと!?

その事実に度肝を抜かれたので、以前はなかった「大盛り」を選択。さらに牛モツ串も注文しました。これも当時と同じ100円ポッキリ。

厨房を見ると、作りかたは昔と同じという感じ。焼きそばは薄味で作って、塩気は上に載せる“あん”で調節。普通の「焼きそば」の場合は、カウンターに置かれているウスターソースなどを使って味をセルフで作ります。

いやしかし、この器を含めた見た目は20年前と同じ。これは本当にスゴイことですよ。それだけ長い期間、船橋競馬ファンに支持されているってことですからね!

しかしながらメニュー表には私が知らないものもありましたから、いろいろと変化と進化をしているということでしょう。でも“基本メニュー”は盤石。スタンドの建て替え工事はもうすぐ終わり、2025年のJBCは船橋競馬場で開催されます。船橋競馬場のスタンドは大きく変わっても、東西売店の味は永久不滅のものとして君臨し続けてほしいものです。

浅野靖典(あさのやすのり)

競馬キャスター・ライターとして活動中。JRAブリーズアップセール、八戸、九州の各競走馬市場にて司会進行を担当。ライターとしては、
・競馬総合チャンネル(netkeiba.com)
・POGの達人
・JRAホームページ
・週刊プレイボーイ
・WEBハロン
などに寄稿している。