web furlong ウエブハロン

地方競馬のオンライン情報誌ウェブハロンPresented by National Association of Racing

Copyright(C) 1998-NAR.All Rights Reserved.

第47回東京2歳優駿牝馬

4連勝で人馬とも重賞初制覇
  4着シトラルテミニがGDJ優勝

ダートの2歳牝馬限定戦としては、エーデルワイス賞JpnIIIとともに国内最高賞金(1着2000万円)を誇る。基幹距離のマイルで地方馬同士の交流戦、グランダム・ジャパン2歳シーズンの最終戦ということもあって、例年多方面からの参戦馬でにぎわっている。

今回は南関東勢とホッカイドウ競馬勢の争いとなったが、北海道のシトラルテミニは金沢シンデレラカップを制し、コモリリーガルも園田、盛岡で重賞を連勝。各地の名誉を背負っての出走であり、ローレル賞を制した船橋のミスカッレーラ、エーデルワイス賞JpnIIIの勝ち馬モズミギカタアガリも含め、今年も各方面からの馬が集結したと言える。

しかし、そんな群雄割拠のレースを制したのは、地元大井デビューのローリエフレイバー。4連勝で2歳牝馬の頂点を射止めた。

掛かり気味に先行したパペッティア(大井)を行かせて、道中は2番手で折り合う。4コーナーで先頭に立つと、直後につけていたミスカッレーラが迫ってきたが、直線でもしっかりと脚を伸ばして振り切り、2馬身差でゴールを果たした。

デビュー戦こそ3着に敗れたローリエフレイバーだったが、その後は牡馬を相手に圧勝続き。もまれる競馬を経験していない点は不安材料だったが、外めの11番枠を引けたことでスムーズに先行できたのが大きかった。

鞍上はデビュー2年目の野畑凌騎手。この年は早くも年間100勝をマークするなど、南関東のホープとして注目を集めている。「重賞で人気馬に乗せていただいたので緊張しましたが、その緊張感を楽しむことができました」と肝の据わった騎乗。ローリエフレイバーのデビューから手綱を取り続け、特徴を把握していたことも自信につながったのだろう。管理する月岡健二調教師も「ジョッキーが馬を気分良く走らせてくれたので、『いい感じで走れているな』と思っていました」と、鞍上のエスコートを勝因のひとつに挙げた。

2着のミスカッレーラは、デビュー4戦目で初めての敗戦。4番手から早めにローリエフレイバーを捉まえに行ったが、最後は突き放された。矢野貴之騎手は「現状では他馬を追いかけるより、追いかけられたほうが良さが出る感じですね。収穫はあったし、のちのち逆転できるでしょう」と前を向いた。敗れたとはいえ、3着には3馬身半差をつけており、この世代の牝馬では上位の存在。右回りも初めてだっただけに、経験を積んでいけばさらなるパフォーマンスを発揮するに違いない。

デビュー2戦目のフェルディナンド(大井)が3着。窮屈な位置での追走になったが、最後まで脚を伸ばし、素質の高さと精神面の強さを示した。「4コーナーで一発があるかなと思いましたけどね。競馬が上手」と安藤洋一騎手。実績馬が集った一戦だけに価値が高く、今後の飛躍を予感させた。

モズミギカタアガリは後方からじわじわと上がってきたが、直線で伸び切れず8着。笹川翼騎手が「場所に戸惑っていて、返し馬からイレ込んでいました」と話したように、初コースが響いた形となった。今後の経験次第で、巻き返す可能性も十分にある。

なお、グランダム・ジャパン2歳シーズンは、ポイントリーダーで最終戦を迎えたシトラルテミニが4着に入り、計40ポイントで総合優勝を果たし、第14代女王に輝いた。

取材・文大貫師男

写真宮原政典(いちかんぽ)

Comment

野畑凌騎手

3~4コーナーで他馬が見えたときは少し焦りましたが、最後は馬の力を信じて追って、その気持ちに馬が応えてくれました。(重賞初制覇に)ゴールの瞬間は実感がなかったですが、だんだんと湧いてきました。今後はもっと重賞を勝って、ローリエフレイバーとも、いい成績を残していけるよう頑張ります。

月岡健二調教師

経験は浅いですが馬自体は素晴らしいので、いい結果を残してくれたらと思っていました。非常に頭のいい馬なので、いつもと変わらない雰囲気でしたね。最後はドキドキしましたけど、いい勝ち方をしてくれたなと思っています。まだ若いので、今後のことは馬と相談しながら考えたいと思います。